イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おおきく振りかぶって

ひぐちアサ講談社。しばらく前から一番アツい野球漫画の十四巻目。西浦の夏が終わった。十四巻目にして初めて、西浦ナインは負けた。まぁ負けるしかない試合だったが、負けは負けで結構辛い。天下の栄口先生がエラーしたことも、西広先生が散々な初試合も、三橋がようやく"投手"になったことも、全てズバズバ心に刺さる。特に三橋の"ワンナウトー"には、グッと来る物があった。
そんな西浦に、事故を装ったキャッチャー潰しで流れを掴んだ美丞大狭山は許せない、とは僕はならない。狭山の連中も同じよう(と思わせてる時点でこの漫画力が高いんだが。前のめりにさせるのは強さ)に勝ちたいわけで。倉田がロカの誘いを切れなかった心境も、(丁寧に描写されてたわけだし)解る。結局、野球バカにアホを吹き込むロカが全部悪い、というありがちな結論になってしまう。部活なんだからさー。狭山の勝ちはナインの勝ちであって、オメーの勝ちじゃねぇわな。
まぁそこらへんの"ツケ"は次で払うだろうから問題ないとして、西浦。西広先生が崩れ落ちた瞬間、「あヤッベーけど解るわこの折れ方」と思った。そしてその感覚を、モモカンが一瞬で上回った。三橋の成長と併せて、西浦は延びる。そう確信できる対応で「やっぱモモカンはスゲーわ」と。西浦の夏は終わったが、彼らの高校野球はまだまだ続くのだ。そして、そのことがとても嬉しい十四巻でした。