イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

シャーロキアン 1

池田邦彦、双葉社漫画アクションに載ってるシャーロキアン漫画。ホームズ漫画でも、コミカライズでもなく、シャーロキアンの漫画である。さすがアクションというかなんというか、ホームズ面の大学教授と、ワトスン担当の女子大生が微妙な距離感維持したまま良い話、という堅牢な構造。素朴な感じの絵も、むしろ親和性が高くてグッド。
シャーロキアンという題材を取り扱いつつも、基本は人情交差点であり良い話。かといって、ホームズネタは刺身のつまどころか、「シャーロキアンという斜めに構えたファンが、ホームズの何を問題にするのか」というところまで踏み込んでネタにしている。基本メタネタというか、分かってやってる空気がたまらない。ここら辺は、作者自身が相当なシャーロキアンなのだろう。
「良い話」をいわゆる"日常の謎"形式のミステリに仕上げることで、モチーフであるホームズネタに命が通って、ぐっと実に迫ってくるところも良い。ホームズのように、主人公(とメイン読者層の投影対象である大学教授)が謎を解くことで、シャーロキアンという題材に親近感が湧く。全体の構造の巧さと、トータルでの完成度が光るイイ漫画。