イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

3月のライオン 6

羽海野チカ白泉社。チカ先生の将棋漫画、六巻目。今回は前回引いたひなちゃんの問題、と見せかけてこの漫画最強のヒロイン、二海堂くんのお話。いやいじめの方もいやな方向といい方向、両方に進んでんだけど。チカ先生かなりがっぷり四つに組むようで、この巻では特に決着はつかんでしたねぇ。
二海堂の描写はガチでヒロインで、新人戦決勝で先走ろうとした零君が駒握りこむあたりの回想は、いかに零君のなかで二海堂が大きな存在か、という証左だとおもいます。同時に、六巻分零君が成長し、前に進んだことをあらわす凄くいい描写。腐った思考をするわけではなく、将棋という題材だからこそ、ライバルの存在が大きく強く、そして好感を読者が持てるように描けているのは大切だと思います。
やっぱ二海堂は好きで、死ぬなとはいわんが、悔いなく生きてほしい。61話の「将棋でまで『弱い人間』扱いされたら〜」という台詞にこめられたものは、この漫画が漫画と青春を両輪にしていることの証明なのだと思います。その両方において必死なのだ、ということが良く解るすごく好きなコマです。
んで青春のほうがギシギシ行ってるひなちゃんだけんども、お爺ちゃんや高橋君や先生とか、周りの人が人情見せてくれているので前巻よりはギシギシ感は薄いです。チカ先生が全力でギシギシさせるので、すごくギシギシするけど。ああんもう、生っぽい居心地の悪さ。やっぱり熱のある青春漫画で、とても面白いですね。