イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/07/11

・プリパラ:第53話『み~んなプリパラ禁止命令』
あまりに唐突なプリパラ禁止命令は、一周年おめでとう特番の前振りだった!! というアニバーサリー回。
ゲストキャラを大事にし、『友達は素敵』というメッセージを送り続けてきたプリパラらしく、最近出番のなかったメンバー総出演の賑やかな回となりました。
こうして出揃うと、やっぱサブメンバーに魅力があるアニメだなぁ。

出だしのプリパラ崩壊絵巻に関しては、ドロ子の弱くて可愛い所見せるのと、『ミスト』のパロディやりたかっただけじゃないかな……。
あまりの唐突さとそれを拾わない展開が、『え、何?マジ終わんの? 勘弁してよ』という置いてけぼり感を強調し、らぁらと同じ気持になれたのは良かった。
そういう気持ちになればこそ、後半の4クール完走おめでとう祭りの感慨もひとしおなわけで。
トンチキなことをしつつ物語的機能はしっかり果たすという、プリパラらしさがある回だったと思います。

らぁらを褒め称える回であると同時に、個別回を貰ってないドロシーがヒロイン力を稼いだり、サブメンバーが目立ったりするファンサービス回でもあった。
なおの正妻っ面とか、A子のヤバそうな感じとか、ファルルの可愛らしさとか、まさかのファルルののんパワーアップとか、短い出番でサブキャラの魅力を引き出す演出は、楽しくも有り難い。
販促とか色々あって過去のお話を支えたキャラの出番が減っても、こういう形で大事にしてくれるのはずっと見てきた立場からすると感慨深いな。

そんでもって、今後への伏線も忘れず仕込むのがプリパラ流。
王子が突然ガングロになって『世界の果てを見せてあげよう』とか言いながら半裸でスポーツカーを乗り回しそうなフラグを立てたり、アロマゲドンとふわりがクロスしそうな状況が生まれたり、一年目という記念すべき日を乗り越えて、今後も進んでいく意欲が見えた。
ここまで来たプリパラとこれから進んでいくプリパラを手際良く見せる、良いエピソードだったと思います。

 

・ ミス・モノクローム-The Animation 2-:第2話『PROMOTER』
ガイノイドアイドル奮戦記、今回はプロモーターを仲間に引き込むお話。
再登場したマナちゃんの畜生芸とか、唐突な頭文字Dとか、小気味良くバッサバッサと進み、新曲までできちゃった。
ボケ倒しつつもマネオが最低限拾って膨らませる笑いは、八分という時間を最大限に拡大していて素晴らしい。
なおOPのPVパロは『桜→Love Destiny→キラリ☆宝物→ALL MY LOVE→心晴れて 夜も明けて→
スクランブル→ヒカリ→Days→恋する天気図→バニラソルト→Silky Heart→
YAHHO!!→インモラリスト→PRESENTER→Coloring→夏の約束→GoldenTime→The?World's?End→Stay With Me』で、ほぼ時系列&ベストアルバムの収録順らしいです。

悪意の少ないこの世界で唯一、詐欺師という生々しいイヤ属性を持ったマナちゃん。
過剰に指輪を光らせてイヤ感を強調し、七億円搾取に失敗するなり退場するという、やりたい放題の出番だった。
純真すぎるモノクロさんを一切否定せず、詐欺被害は食い止めてるマネオは優秀だなぁ……。
『この子が仲間になるのは、リアルに嫌だなぁ……』という感情を、今後の展開の前振りに使うのは、このアニメらしい『ぼんやりを装った巧さ』だと思う。

そして始まる唐突な頭文字Dですが、製作同じだからモデル使い回しもしゃーなしだな! 公式コラボだしな!!
実際の話、ジャンルがいきなり変わるどんでん返しでリズムが生まれるし、インパクトはあるし、朝日に向かって走りだせばなんかいい話風に終わるし、いいコトずくめの手筋だと思う。
車の疾走感とお話の拾わないっぷりがなんか噛みあってて、強引な展開が逆に気持ちよくなるような、置いてけぼりにされた人もマネオが同じ気持になってくれるので安心というか。
暴走と安定のバランス取りが巧いよね、このアニメ。

プロモーターさんは二面性はあるけど基本善人っぽくて、モノクロさんの優しい世界との相性は良さそう。
今後どんどんスタッフが増えていくのか、はたまたここで打ち止めなのかは分からんですが、上手く絡んで話をふくらませて欲しいなぁと思います。
このアニメのことなので、こっから全然出ない可能性もあるけどさ。

二期はアルバム作りという軸がハッキリしているので、ボケ倒し暴走しまくりで展開しつつも、確実にゴールに向かって走っている。
今回も止まることなく惚け倒して進んだけど、曲もスタッフも確保し本筋は着実に進んでいるのが、良く分からない安心感があって好きだ。
演出でまとまってる感じにされているだけって意見も俺の中にあるけど、その強引さもひっくるめて笑いになってるところとか、やっぱイイな、このアニメ。

 

うしおととら:第2話『石喰い』
25年の時間を飛び越え少年ハートが弾みだす、大活劇妖怪アニメ。
衝撃の第一話に続く今回は、オーソドックスな妖怪退治を気持ちよく描き、キャラの彫りをグイッと深めていく展開。
とにかく情報の圧縮量が半端ではなく、そのくせ食い足りない感じは一切なく、胸躍る大興奮のアクション巨編になっておりました。
さすがだぜ、井上御大……。

前回は物語に吸い込まれるまでで尺がいっぱいいっぱいだったので、今回はそれを補うキャラ描写がタップリでした。
キャラ『描写』であってキャラ『説明』ではないのがミソで、例えば槍が心に反応して力を上げるだとか、とらは普通人には見えないこととか、とらが案外インテリであるとか、うしおがアクションバリバリな割に文化的な好みを持っているだとか、そういうことは全部台詞ではなくアクションの中で見せられてました。
台詞を垂れ流しにされると眠たくなりますが、感情と体が動いている映像は目を惹きつけられるわけで、そういう見せ方をされるとやっぱり興奮する。
台詞に頼らないことで情報の圧縮率を上げ、話の展開をスムーズにする効果もあるわけで、やはり映像で見せてくれる展開力というのは一石二鳥どころか三羽も四羽も落とせるキラーメソッドだなぁ。

これはキャラの性格に関してもそうで、麻子の芯の強さであったり、潮のヒーロー適正であったり、ちゃんと事件の中で見せているのが良い。
圧倒的な人外の力である槍がなくとも、誰かを助けようと気持ちを振り絞る潮の姿は正しくヒーローであり、何億回繰り返されても人命救助と心の強さはヒーローの二本柱だな、やっぱ。
あととらちゃんの圧倒的なツンデレパワーが常時炸裂していて、今期のヒロインたちはこの子に勝たなきゃいけないかと思うと同乗する。
何回『か、勘違いしないでよね! あんたを食うためにやってんだからね!!』って言うんだ、この金髪ロング天然実はいいとこのお嬢。


こうして巧みに第二話に必要な『この話はどういう話で』『登場人物はどういう性格で、どういう能力を持っていて』『何が大事なのか』というのを見せていくわけですが、あくまで機能はあとから付いてきて、本命であるお話自体が非常にワクワクするというのが、最大の強さ。
石喰いのおどろおどろしい能力や禍々しい性格、邪悪なる結界に無辜の娘たちにヒドいことするパワーなどなど、悪役の造形がまず良い。
こういうとにかく悪くて強いやつに屈せず、二人の力を合わせてぶっ倒すという真っ直ぐな活劇がコンビ結成一発目に来る素直さというのは、ストレートな強さがある。

加えて、ヒロインである麻子が何故絶望しないのかを見せ、潮が麻子を始めとする力なき人々のために立ち上がる姿を見せ、ひねくれ者のとらが時々衝突しつつもうしおに惹かれている様子を見せと、主人公サイドの連中がたくさん好きになれるポイントを持ってると教えてくれる展開が、非常にグッド。
とらちゃんは『悪い妖怪である』という設定と『人助けをするヒーローである』という役割を、時に潮と喧嘩し、時にストロング・ツンデレ・スタイルで助け合いと、バランスよく見せる手際が気持ち良い。
潮がド直球の熱血ヒーローボーイなので、影のあるとらとの噛み合いがすっごくいい味になっていて、掛け合いの魅力が生まれているのが素晴らしいよね。
こうして見ると、主役級みんなが魅力的で、面白い話が生まれるよう良く考えられたキャラクターなのだなぁとわかる。

キャラ配置が良くても肝心の活劇がショボくちゃ豚に真珠ですが、このアニメはそういうところも怠けない。
長物である槍をダイナミックに使う殺陣だとか、画面を大胆に使うレイアウトだとか、ケレン味の効いた画面作りは今回も健在であり、血沸き肉踊る展開をガンガンブーストしておりました。
うしおととらが空に飛び上がるシーンの疾走感・爽快感とか凄いことになっていて、逆転のカタルシスを一切裏切らず、むしろ加速させていく気持の良い演出でした。
槍使うと潮の目がギョロッと鳴る所とか、伝奇的能力演出の切れ味も素晴らしい。

あとヒロインズ(とらちゃんは一応除く)が今回も可愛く、素晴らしかった。
『女子たちが可愛く健気なのは、かなり無条件で素晴らしい』という真実に気づかせてくれるくらい、麻子と真由子は可愛いにゃあ。
あの時代のサンデーヒロインらしく、可愛いだけではない逞しさもしっかり表現されてて、そういう所も忘れないのがニクい限りであります。


そんなこんなで、良いとこいっぱいの素晴らしい第二話でした。
ノスタルジーを上手く操りつつも、24分間大興奮で楽しめるアニメーションになっていて、ほんとうに有難い限りです。
今後のエピソードにも期待が高まりハードルが上がりまくるが、それをビュンビュン飛び越えていくのだろうなぁと思えるような、最高のうしおととらでありました。