イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

六花の勇者:第2話『初めての旅』感想

アズテック・ミステリファンタジーの第二話は、姫様との道中記&新キャラ二人追加。
非常にずっしりと進むお話であり、三話まで容疑者全員揃わないのはミステリとしてもゆったりだ。
キャラ描写の合間を縫う美麗な世界はいいんだが、アクションはそこまで多くなく起伏は少ない。
おそらく、のっぺりした描写の中に伏線を埋めてる最中だとは思うのだが……姫さんの馬が死んでるところとかね。
あれだけ分かりやすく『魔物は人間以外殺さない』って言った直後の描写なので、比較的わかりやすかったなぁ。
一般人は徹底してリャマに乗ってたが、馬は高級品な世界なんだろうか。


じっくり描写された二人旅で分かったのは、アドレットくんは戦闘方法とビッグマウスに似合わず、正統派勇者気質だということ。
エキセントリックな姫様の面倒もよく見るし、弱者は見捨てておけない性根も好感が持てる。
戦い方自体はデバフメインの地道なものだけどね……。
雑魚モンスターの時点でずいぶん凶悪だったので、今後強いのが出てきた時、あのトリッキーな戦い方は通用するのか。
いらん心配しちゃうわ。

世知に長けたアドレットくんに対比するように、インチキ能力持ちだが色々不安定な姫様。
媚びた外見の割に行動はぶっ飛んでるし、魔物の首はスパスパ刎ねるし、やっぱ一筋縄ではいかない感じだ。
レモンをキーアイテムに姫様の一般常識の無さを見せる流れは、結構好きです。
……うさみみ姫様が刎頚ばっかしてるのは、Wizのヴォーパルバニーリスペクトだったりすんのかな。

このぶっ飛び加減がナチュラルなものなのか、それとも真実を覆い隠す煙幕なのか考えなきゃならんのが、ミステリ・ファンタジーの面倒なところでもあり面白いところでもある。
この進め方だとまだ種を巻いている段階だと思うので、あんま予断なくキャラの行動を見守りたい。
先に進もうと提言するところの唐突さとか、うまく『なーんかありそう』という感じを出していて、勘ぐりたくなるよう出来てますね。

新キャラ二人はまだ顔見世段階なので、ようけ分からん。
姫様がメインヒロイン張るには癖があるので、眼帯っ子がツンデレスパルタンとして滑りこむんじゃなかろうかと思っとります。
ゴスなデザインがとっても宜しい。


今回はじめて殺し合いが起こったけど、クローズアップを多用せず、何が起きているか分かりやすいアクションシーンはやはり独特で面白い。
世界観描写にしても女の子の見せ方何にしても、全体的に演出ラインがストイックですね、このアニメ。
人によっては地味すぎると受け取るかもしれんですが、自分はとても好きです。

姫様の剣生成からの首はねにしても、眼帯っ子の弾丸生成にしても、聖者の異能の見せ方が過剰ではないのにちゃんと異質で、抑圧が効いてるの好きだな。
『社会の中に、システムとして組み込まれてる魔法』って感じがする。
旅の合間にたっぷり見せた異世界の自然も合わせて、『シッカリ作ってサラッと見せる』のが全体の方針なのかしら
個人的には『RD 潜脳調査室』思い出して、好みの塩加減です。

じわりじわりと旅を進め、世界とキャラを見せる第2話でした。
新キャラと暴力も投入され、話がゴロンと転がりそうな予感もありますが、それはまだ先っぽい。
これまでの丁寧な扱いが物語的爆発と噛み合った時、何が起こるのか。
三話が楽しみです。