イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

うしおととら:第3話『絵に棲む鬼』感想

真っ直ぐな少年とツンデレ妖怪が現代伝奇を駆け抜けていく冒険譚、三話目は先輩と不良と鬼の話。
長めの原作エピソードを端折れる所は端折り、勘所はちゃんと抑えた尺さばきで見事にアニメにしてくれました。
絵に吸い込まれるところの眼力とか、羽生先輩の綺麗な心とか、浄化された絵とか、色と動きがついてグッと魅力が増しており、アニメになってほんと良かったとほっこり。

キャラの造形が圧倒的に魅力的なのがうしとらの良い所ですが、初のゲストキャラとなる羽生先輩&間垣先輩も好感度バリタカの見事な作り。
二人共暗黒のオーラ背負った死にたがり&いかにもな不良という低めの印象から入るんだけど、麻子の話を聞いたり河原で殴りあったりして、『実は良い奴』というよく在る(しかし絶対必要な)ひっくり返しを入れるタイミングが最高にいい。
羽生先輩にしても間垣先輩にしても、『何の力もないのに、自分ではない誰かのために体を張る』というヒーローの基本原則に着実に動いているのが、スッキリとキャラを好きになれる大きな要因だと思います。
創作の中で大事なことは何度やってもいいし、恥じらいなく豪速球で投げつけていいんだなぁ。
原作の絵の迫力を巧く現代風にアレンジしているので、展開自体は早いのに印象が薄れてないのがスゲー良い。

そんな素敵なゲストを受けて、我らが主人公うしお少年も大活躍。
怨念に囚われてしまったオヤジに本気で怒るときの台詞は、ともすれば上滑りしがちな綺麗ごとなんですけど、羽生先輩に本当に私心なく動いていることを事前で見せているので、グッと胸に迫るのが、とっても良し。
地味ーに手際よく情報収集を成功させていて、感情のまま迸るだけではなく、物語を進展させる手際も抑えているあたりよく出来た主人公よなぁ、潮くんは。
とらちゃんも相変わらず切れ味するどいツンデレっぷりを見せつけているし、本当に主役が魅力的なアニメだ。

あと今週も女の子たちは最高に可愛くて、ホント2010年台にリメイクした甲斐があったなってかんじでした。
羽生先輩萌えッ!! ってだけではなく、曇りから開放された最高の笑顔を求めてうしおは傷ついているわけで、報酬がバッチリキマってると作中人物の心境とシンクロしやすいっていう劇作上の理由がね、あるわけよ。
いや正妻っ面で潮の後押しする麻子とか、オクラホマ・ミキサー楽しそうな先輩とか、がっさ萌えるけどさ。
素晴らしい。


一話二話と人外の理から生まれた化け物が相手でしたが、今回は人間が変化して生まれた鬼とのバトル。
『怨みや憎悪といった負の感情が凝って、人を害する化け物が生まれる』というのは、今後アレやらソレやらアイツやらにも共通するうしとらの基本ルールでして、今回鮮烈な見せ方で人間の情が歪んでしまった時の悲劇を見せることが出来たのは、シリーズ構成的にもプラスなのかなぁと思ったり。
最終的に保身なく父を庇った羽生先輩の真心が、鬼を妄執から解放する辺り、仏教説話的な因業論がかなり混じるよね、うしとら。

そんな感じで、尺との闘いに完全勝利した素晴らしいエピソードでした。
求められる要求のハードルを軽々飛び越えつつ、今このタイミングでアニメにする意味をたっぷりと盛り込んで楽しませてくれる、良いアニメです。
来週はとらちゃんと真由子のWヒロイン体制であり、ワクワク萌え萌えさせてくれることまちがいなし。
あー、すっげー楽しみだ。