イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ミス・モノクローム -The Animation 3-:第11話『A』感想

気付けば40話近くやってるアニメ、今週は意外性のお話。
『8分アニメとはいえ、もうモノクロさんで回せる要素がないんですッ!!』という、ふでやすの叫びが聞こえるような、苦悩の回だった。
おんなじ事を永遠に繰り返しているように見えるゆるーいモノクロ時空は、実は細かいネタだしとキャラの掘り下げという、当たり前で大事な物語製作工程に従って作られているという事実を再確認するメタネタだったな。

モノクロさんが創りだす空気はとても心地よいので、モノクロさんがボケ、ーちゃんが無茶苦茶やり、マネオが見守る座組を永遠に続けて欲しいって無責任な気持ちが、僕にないわけではない。
のだが今回の話を見るだに、モノクロさんで作れる『お話』がある程度以上枯渇してきていて、製作者がそれに悩んでいるということは感じ取れる。
永遠に続く同じ話が、『ミス・モノクロームのお話』ではないという気持ちも。
二期でおっ立てた『アイドルとして全国ツアーをし、キャラメルを育てる』という物語の枠も結構完遂しちゃったし、モノクロさんが持っている『ズレ』も目新しさがなくなってきたし、40話近くギャグ短編アニメを続けてなければ生まれない回だったろう。
如何に短いとはいえ(もしかしたら短いがゆえに)、一つのキャラクターで出来る面白いことを考え続けるのは、なかなかに大変そうだと思う。

僕はすっかりモノクロ粒子に脳みそをやられた人間なので、今回捉えられていた身動きの取れなさ(物理的に客を落としたけど、モノクロさんの意外性では一切ないオチ)は正直感じているし、それを客に吐露して8分埋めてしまう製作者側の反則も受け入れてしまう。
そういう身も蓋もなさ(を演じて笑いを作ってしまう)姿勢もひっくるめてモノクロさんのお話が好きだというのは本当に末期的で、感想としてはあんま役に立たないなぁと一瞬だけ冷静に自分の文章を見て思う。
とはいうものの今更モノクロさんとの間合いを離すことが出来るわけでもなし、モノクロさんが好きな自分が嫌いなわけでもなしである。
製作者とこのお話、僕とこのお話との関係を見返せるような、ヘンテコでいて好きな回でした。