幼女戦記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
泥の中で視聴者を溺れさせた一話から、なんでそうなったのか解説する二話。主人公のセッティングと言い、非常にヒネた構成である。
中身の方はクグツ●こじらせたオッサンだが、敵対していたはずの神様はチート魔力をプレゼントしてくれていた!
まぁ普通の幼女じゃ話始まらんしな
そんなわけで、なろうナイズされたヤン・ウェンリーみたいな精神のオッサンが、平和に暮らしたいのにドンドン人殺ししまくり、ドンドン戦場の泥沼にハマっていく話だというのはだいたいわかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
銀英伝というより、吉良視点の四部みたいだな。オメーが人殺したから出世してんだろボゲッ!
鳥海声の段階から他人の痛みがわかんないというか、人格破綻者だった彼女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
幼女という檻に閉じ込められることで異物感(というか気持ち悪さ)は更に加速し、バンッバン表情崩すアニメの演出もまた、その浮きっぷりを強調しているように思える。主人公に足場を置くタイプの話ではないわけだ。
戦争に勝利したいわけでも、世の中良くしたいわけでも、守りたい何かがあるわけでもなく、目の前の状況に最適に順応しつつ、計算高く(と主人公視点では認識される)行動する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
うむ、どうやっても戦闘レベル以上に状況は動かないし、地獄みたいな戦争は続くキャラである。偉くなる意思がないからな。
外交レベルで敵を作りまくり、福祉が破綻するほどに失策だらけなのに、国境侵犯されたら即開戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
帝国もなかなか好戦的(オブラートに包んだ表現)な国家だが、主人公がどんだけ無双しても戦略レベルの意思決定に絡むことはないし、おそらく事態は悪化し続ける。そういう地獄自体を書きたい話なのか?
軍事マニア(特に第一次)には負け戦フェチというか、とにかく酷くなる状況をガンガン加速させてドンドン地獄が見たくなる描きたくなる性癖が、たしかにあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
幼女がバンバン人を殺して無双で爽快感を出しつつ、詰んでる状況は非常に冷静に切り取っているあたり、地獄から抜ける話ではない。
まぁ残り10話で帝国敗戦まで行くかは分からないし、そもそも幼女レイヤーの個人的英雄譚(戦場における殺戮者物語の別名)に重点しながら進んでいくとは思うのだが、オチはベルリンが燃えてアカの旗が立つ展開だろコレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
転生体のチート野郎として神に選ばれつつ、目の前三センチの価値観で思考停止した結果祖国必敗の運命を変えられない道化。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
無双チート主人公の皮をかぶった幼女とオッサンをそういう立場に追い込んで、メタ視点から軽蔑しつつ見守る話だとすると、これは最高に性格が悪い。素晴らしい。やりきってくれ
まぁ状況を作るために豪腕で話を積んでいる感じはあるが、多かれ少なかれ創作はそういうもんで、飲み込めないほどの異物感ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
それはキモチワルーいオッサン主人公IN幼女と奇妙に重なり合う、仕上げの良さでコーティングされた苦味だ。それこそが、このお話独特の味なのかもしれない。
グランドデザインはさておき、個別の演出はフレッシュに刺さる部分が多く、非常に楽しめた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
神の神性を表現する時、時間停止して周囲の人間の口を乗り換えながら語っていく演出、ケレンが効いてて好きです。
カロリー節約にもなっているところが、冷静な制作プランを感じられてグッド。
空中戦も『人間サイズの超暴力が飛び、殺し合う』戦闘の異質性を巧くショーアップしていて、見ごたえがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
起こってることはゴアなぶっ殺しなのだが、飛行の軌跡と爆発の作画が妙に綺麗で、不謹慎ながら胸が踊ってしまう。戦闘を悪趣味に物語化しているこのお話に、よくあった演出だ。
『自分たちは悪趣味なものを作っている』という自覚があれば、悪趣味なものを世に出して良いのか、という疑問とはまた別の部分で、悪趣味だと自覚してくれることは僕にとっては大事だ。お話を食いやすくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
空戦の描写、主人公の描き方、帝国の置かれた状況を強調する手腕。
全てが自覚の反映だ。
そういう認識を抱えつつ、この話がアニメになるまでウケたのはある程度以上の共感というか、『楽しい』からこそだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
それがチート無双の転生主人公に対する投影の快楽なのか、メタ視点からゴミ人間のあがきを糾弾する空気抜きの快楽なのか、原作に触れていない僕には判らない。
が、どっちにしたって別メディアで描く以上、原作の快楽を巧くトレースしつつ、アニメでしか出来ない快楽を埋め込めるか否かは、結構大事だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
クールな客観性を握り込みつつ、作品の悪趣味さに口まで突っ込めるか、否か。
やはり難しい舵取りだと思うが、どう泳いでいくのか見守りたくもなる。
こんな感想書いておいて『来週も楽しみですね』なんて言っても、それこそ虚しい空言に響いてしまうかもしれないけれども、色んな意味で来週が楽しみではあるんだ、本当に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
主人公に共感の足場を置かない以上、どれだけ帝国全体を主人公に置くのかのバランス取りとかさ。
幼女戦記 追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年1月13日
主人公が人間の心がわかんない人で、その結果身内に背中を押されて死ぬという導入は、同時に末路も示唆していていい感じだと思う。
あのどすこい突き落としが、一次大戦ドイツにおける『背後からの一撃』論まで引っくるめた演出だったら面白いが、確実に過剰な読みだろうなコレ。