アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
方舟は去り新たな時代が始まる…とりあえず核弾頭級のゆめこはを投下し、全てを更地にする！！ と言わんばかりの、濃厚な火力回。
二人の間にある感情の捻れ、そこから解き放たれた爆発力は、今後の軸を作るのに十分だった。
の、だが。スターズらしい粗さも気になる回。
というわけで、ザックリとVAが去っていって新展開のスターズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
『デザイナー・七倉小春とアイドル・虹野ゆめの二人三脚』という今後の軸をしっかり立てるべく、小春の恋慕が渦を巻いて炸裂するお話である。
冒頭、デートまでのトキメキの描き方からして、文法的には完全に恋愛。
それが友情か恋情かはさておき、一期でああいう別れ方をした小春の想い、隔たってしまった距離とためらいは、細やかに描写されていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
目線、指先、あるいは吐息。隠微な身体言語を丁寧に使って、ムードを巧く作っていた。そこら辺の艶の載せ方は、スターズの強いところである。
何のためらいもなくポーンと踏み切ってしまっては、詩情も何もない。そこに空いている距離、深淵を前にした怯えをしっかり描くからこそ、感情にタメが生まれ、心の飛躍がカタルシスにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
小春のモノローグと表情を丁寧に織り交ぜつつ、ひめ先輩のトスで踏み切る展開はなかなか良かった。
の、だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
そこに至るまでの道の整え方は正直褒められたものではなく、色々危うい。
VA編で新キャラ取り回すのに忙しくて、赤服を着る意味を掘り下げていないのにスーパースターとしての描写をされても、『急に来たね』としか言いようがない。忙しくなるために、S4虹野ゆめは忙しくなってる。
そこら辺の描写は話の都合で切り替わるもんだ、と言われれば反論はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
ただ、都合に作中のリアリティラインを合わせすぎると、それは機能しなくなる。
何がホントで何がウソなのか、アイドルという仕事が作中でどういうものなのか。小春が怯える『アイドル・虹野ゆめの凄み』から説得力が抜ける。
お菓子時代劇のふにゃふにゃなビジュアル、監督の芯のない指示。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
食事を扱ってるのに美味しそうに見えないカレーアイスと、それを押し付ける会社の不誠実。
アイドルを取り巻く大人が尊敬できないのは、第54話でも描かれた弱さだ。自然、そんな大人に付き従う子供たちの株も下がる。
小春が追うゆめの背中も、急に遠くなった感じはある。あんだけVAで『未熟な挑戦者』扱いされてたのに、船降りた（≒販促期間が終わった）途端にこれかい、という。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
必要な要素を分散して積み上げる器用さ、連動を作るダイナミズム構築は、スターズやっぱ致命的に巧くない。
その結果ゆめの人格は『挑戦者』と『トップアイドル』の間で分裂し、統一性がなくどういう子なのか実感できなくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
言葉では説明される。作中の扱いもそれに従ったものだ。だが、そこに僕の感覚が追いついていかない。それは個人的なものだが、作品内部の描写が生み出す結果でもあろう。
『お前がそう受け取ってるだけ』なのか『常識的に考えればそうなる』のか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
主観と客観の間の線引は常に難しいし、その曖昧さにあえて踏み込まないと、こうして言葉を残していく意味もなかろう。なのでまぁ、『僕はこう受け取って、読んだ』ということを続けていくことにする。
小春とゆめは今後、アイドルとデザイナーとして運命を共同し、特別な関係になっていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
ゆめは既にローラとそういう関係を構築していて、そこら辺の交通整理をどうするかは気になる。触ると時間かかるネタだからか、ローラ今回欠片すら顔見せなかったな…有耶無耶で保留してると、後が怖そう。
ひめ先輩もゆめガチ勢であり、小春ちゃんの泣き言を前に急に『私のほうがあの子をよく知ってるわ』アピールしだした時は、『ほんと余裕ないなこの人…』と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
多分感情が溢れてる表現だと思うんだけども、受け止めきれないくらい急で量が多いから、時々サイコっぽくすら見えんだよね…。
まぁどっちにしろVAは去って、潮目が変わって新しい話が始まる。その時焦点になるのは『トップアイドル・虹野ゆめ』『それを支えるデザイナーアイドル・七倉小春』のコンビ、ということだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
今回はそのための方向転換を、恋情という爆薬で一気に行う回だったのだ。
その試みは、エモーショナルな方面では巧く行ったと思う。それは一瞬一瞬の感情の爆発であり、小春の目線と指先には十分な火力があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
が、ロジカルな方面では相変わらず接合は巧く行っていない。急に新しいネタが出てきて、そっちに全力を傾け過去描写は置き去りにされる。
『そういうところを見るアニメじゃない』のだろうけども、感情は理論が、瞬間的な描写の火力は地道な蓄積が、それぞれ支えるもんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
もっと組み上げてくれれば、今回の小春が見せた戸惑いと跳躍も、最大級の威力で胸を叩いたのになぁ…という、身勝手な感傷。
小春とゆめが手を繋いでみた新しい景色は、凄く良い。でもそれは、ゴールではなくスタートだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
それを活かしてこの先、どういう話を織っていくか。そこを見ない限り点数がつききらないのは、まぁいつものことである。VA編も今後の使い方で、その価値が決まるだろう。とりあえずきららか。
全てを忘れて溺れたいほどに、恋慕に重ねて描かれた小春の感情は膨大で、キラキラと綺麗だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月7日
それで全てがOKとなるには、僕の好みはショートスパンではない。
来週のマリッジブルーをどう描くか。欲をいえば恋愛類型の外に出て欲しいところだが、どうなるかなぁ。デザイナーの独自性が見たい。
