Fate/EXTRA LastEncoreを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
四層かっ飛ばして雨の五層へ! ありすのお話があまりに抽象的な幻想詩だった反動か、ガンッガンに明かされる設定と因果関係、主人公の氏素性と真相っ!! という感じの回。
怒涛の長台詞で一気に設定が開示され、なかなかに胃がモタれているが、咀嚼していこう。
というわけで、初手で四層ぶっ飛ばすところから開始のLEである。”刀語”の錆白兵戦かよ…放送遅れたのと関係あるのかな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
さておき、雨の廃墟連なる第五層。垂直軸と水平軸が狂った建物が積み重なってるのは、中華な敵サーヴァントと合わせて九龍城感がある。
そこを収めるマスター、ユリウスは、主人公と同じくデッドフェイス。シンジを除けば強制蘇生の悪霊に、死者の夢の成れの果てと、軒並み妄執に囚われた死人ばっかなフロアマスターである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
主人公も、顔のない憎悪が寄り集まって動き出した怨念の集合体。死人が死人を殺し、蜘蛛の糸を奪い合う修羅道。
ユリウスは『ハクノに似た誰か』に強い妄執を持っているようだが、1000年を経てやってきたのは、自分と同じ出口のない死体。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
呵々大笑して激怒する殺人鬼と、己を持たない死面の激突。デッドフェイスVSデッドフェイスの対決は、ダークヒーローの渇いた美学があって、結構好き。
ユリウスにぶっ殺され直したハクノは、幾度目かの死(デッドエンド)のまどろみで、聖杯戦争の勝者と出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
覚者を従え、月のルールを定めた男は、しかし業を乗り越えられない人類に飽きはて、救済を諦めた。天輪は閉ざされ、世界は閉鎖されて腐敗していく。救済はどこにもない。
勝者が諦めてしまった弊害は、天へと登る旅路の過程で戦ったマスターたちの、終わった物語の哀れさがよく伝えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
閉じた世界で、何とか『人間』の残滓を維持しようとしたシンジ(階層登るほどに、お前の聖人力が高まっていくよ。クソみたいな世界で、よく自分を保った)
己を貫いた決着から強制的に起こされ、誇り無き死を繰り返したダン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
約束に呪われ、怪物と化したありす。
みな、生き死にの境界線を狂わせる、救済すら諦観する静止のなかで、無間の地獄で苦しんできた。ハクノの旅路は、亡者に死という引導を渡す歩みだったのかもしれない。
その旅路は五層にて、鏡合わせの憎悪と憤怒に止められる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ラダーが既に降りていることからも、ユリウスがマスター認定されていないことは判る。つくづく壊れっぱなしの、聖杯戦争ごっこ。
それでも、かつて魂を焼いた出会いの残響と、その反発たる怒りは本物だ。街を焼く雷光は、その具現なのだろう。
ならば降りしきる雨は、男たちの涙か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
デッドフェイスとして蘇生させられたユリウスが、雷光のような鮮烈な感情をまだ残していて、月唯一の勝者のはずの眼鏡の男が、すっかり腐りきってるのはなかなか皮肉だ。
シンジを閉ざさせ、ダンを狂わせ、アリスを歪めた時間の呪いには、誰も勝てない。
それに勝てるとしたら、時間から切り離され、一瞬の感情を永遠に焼き付けたイレギュラー、デッドフェイスだけなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
勝ったがゆえに生者/聖者の特権を手に入れた勝者が、ハクノが生来植え付けられたのとは別の空疎に支配されているのは、どん詰まり感が凄い。勝っても誰も勝ってないじゃん
さて、ユリウスとネロを強く支配している(のだろう)、かつてのマスター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
それが『少女』であることが判明して、ありすの『お兄ちゃん』とはまた別の存在であることが解った。答えが一つ出ると、謎が二つ増える。LEの基本法則であるな。んー、悩ましいっ!
そこら辺は謎の映写室で来週明かされるんだろうけども、ネロはハクノが『彼女』ではないことを知りつつ、体張ってサーヴァントをやってくれてた、ということになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
情が深いのか、後悔が強いのか。『自分は自分、強く保って他人に持たれるな』というアドバイスは、どの時代への懐旧か。
謀略と依存に明け暮れた皇帝時代か、天へと駆け抜けて敗北した聖杯戦争か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ハクノとネロは結構良いロマンスしていると思うのだが、その投影先はなかなか的を絞りにくい。一つに固定されない複雑な後悔を、ネロは魂に焼き付けて五層まで登ってきた、とも言えるか。どっちでもある、が答えかな。
ユリウスにあざけられ、『勝者』に諭され、自分自身も『なにもない』と断ずる、死面のハクノ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
静止した世界のバグでしかない彼の中で、ネロだけが美しい夢として揺らめいている。黄色のカッパと合わせて、綺麗なものに憧れる視線はどーにも、衛宮士郎を思わせる。さすが原作者脚本、味が濃い。
聖杯戦争で壊れたデータ…『死』を浄化する機構が『勝者』の諦観によって放棄されて、そこから生まれでた唯一の新生。一千年、腐敗と永遠を繰り返してきた月、最後の人類領域が生み出し得た可能性は、憎悪を撒き散らすだけの災害と罵られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ユリウスの憎いマンっぷりを見ていると、確かにそうだなぁ
しかしイレギュラーの中のイレギュラーたるハクノは、形だけが似ている『彼女』の想い出と呼応するように、ネロに恋をして、その夢を尊くも思っている…ようだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
このアニメ実質詩、あるいは夢なんで、キャラの感情も確たることは言えないのが難しいネ。
『勝者』すらも時間に押し潰され、救済を諦めた荒廃の月面。そこで唯一確かなのが恋なら、静止した世界をぶち破るのもそれになるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ネロが『彼女』に未だ抱いてる(っぽい)純情と後悔。ハクノが旅路を通し空白に書いた、現在進行系の慕情。それは絡み合うようにも、すれ違うようにも見える。
そこら辺の感情のもつれも、『彼女』の残影か亡霊かが来週、明かしてくれる…と良いなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
ネロはハクノとの『今』を大事にしているのか、あんま昔の話せんからなぁ…昔何があって、今こうなってるっていう因果を結ぶのが、かなり難しいのよね。情報のお代わり、オナシャス。
そしてそことはまた別枠で展開する、サーヴァントと同質化したマスターの戦い。凛ちゃんさんのランサーパワーメイクアップに続いて、呂布ロボ大暴れがぶっこまれて、混乱は加速する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
魂を腐敗させる1000年の重さに耐えるべく、サーヴァントと同質化した結果が、マスターの疑似サーヴァント化なのか?
公式の用語集(と、FGO関係の種々設定)を見るだに、デミサーヴァント化は大きな負荷をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
電脳生命と言えど例外はないだろうに、凛(に似た外見の人)は(少なくとも表面上)マトモに見える。死人ばっかりのフロアマスター(あと主役)とは、大違いだ。
ここら辺も、来週以降少しは明らかにされるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
そも、この地獄逆上りの目的はなんなのか。
『勝者』もまた時間と宿命に勝てなかった『敗者』であり、生きた望みを取り逃した『死者』であることが明らかにされて、天井触ってラスボス殴れば終わる話では、明瞭になくなってきている。
全てが間違いきってしまっている世界を歩いて、どん詰まりの地獄絵図を確認し続けるお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
そこに風穴開けて出口を見つけるのか、自力で出口を作るのか。はたまた、憎しみをかき分けてゴールを思い出すのか。
どうとでも運べるし、どれも確定はしていない。デッドエンドに行き着いた先で、何を見せるか
そこが大事かなぁと思える、五層前編でした。少なくとも、天井までひっくるめてあらゆる場所がどん詰まりだってのは、大体わかったか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
終わるべきなのに終われていない物語に、引導を渡す。その空疎な旅路の原動力として、形のない憎悪が必要不可欠だとすると、まぁ暗い話だよな…。
ネロの『私は私、あなたはあなた。でも、通じ会えるかも』というバランスの良い救いが、一回人生を間違えて終えて、それでも仮初の生があるサーヴァントだからこその悟りだってのが、なかなかに酷い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
一回性の生き死にしか体験できない人間は、致命的に間違えること前提って感じがする。
そこら辺の理屈を捻じ曲げるべく永遠を求めると、悪霊になったり怪物になったり、ろくなことがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
永遠に耐えうるサーヴァントと、耐えられないマスター。その境界線を曖昧にしたから、凛ちゃんは『人間っぽく』振る舞えているのか?
謎が紐解かれるたび、疑問は増える。収まりよく終わらんな、コレ
しかしたくさんの情報が出て、ある程度の筋道が見えたのも事実だろう。この明瞭さを引き継いで、来週さらに話が転がるか。ポエジーを加速させ、さらなる曖昧へと突入していくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
個人的には、どっちもいいかな、という感じがする。
LEはFateのアニメが巧く掴み取れなかった、奈須きのこの過大な感傷、むせ返るような饒舌、入り組んだ分かりにくさを、巧く…かどうかは分からんけども、あんま加工せず乗っけている感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
女々しくて、皮肉と矛盾に満ちて、そのくせ真正な。なんとも面倒くさい語り口が、怪奇な映像に乗る。
輪郭のはっきりしない感情の渦と、因果が明瞭ではない物語の襞。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
それに溺れつつ、文句言いつつ分け入って読みほぐす行為は、僕には存外楽しい。なんだかんだ信者なんだろうなぁ。
だから曖昧でも良いし、明瞭でも良い。どっちにしたって、ここまで来たら自分なりに読むし、読むしかないのだ。
死面の真実を告げられ、グダグダ言いつつ死の淵に沈まず歩き続けるハクノ。聖杯戦争がマトモに機能していた過去からの使者/死者と出会って、そこにどんな色が加わるのか。何が見えて、何が見えなくなるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年3月18日
さっぱり読めないけども、僕は楽しみだ。やっぱ変なアニメだなこれ…好きだけど、とても。