ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインを第1話から第3話まで見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
大人気VRMMOラノベのスピンオフであり、作者の殺伐鉄砲趣味が存分に発揮された、ちとくたびれたトンチキ人間たちが送る、屈折した思いを銃弾に乗せる系アニメーション。
三話まで構えていたのは、SAOのスピンオフとしてどういうポジションを取るのか、あまり読みきれなかったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
伝え聞くSAOのイメージ、ラノベの王道ど真ん中、中二病と青春まっしぐらの甘くてピカピカしたサクセスとバトルは、ちょっと僕には眩しすぎる。
実際見たわけじゃないただのイメージだし、箱を開けてみればそこにはちゃんと鬱屈もあると思うのだが、一度こびりついてしまった固定観念はなかなか剥がれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
なんつーかこー、性質としてあんまりど真ん中で堂々してる作品は、好みを引っ掛ける凹みを巧く見つけられなくて苦手なのだ。
さて、そんなふうに構えてみたGGO,第1話は説明無しでいきなりスクワッドジャムが始まり、全体像を掴むより作品でガッと殴られる出だしだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
ヒリついた銃撃戦のリアルと、VRゆえのインチキがいいバランスで配合されて、なかなか手触りと爽快感のある戦闘描写であった。好みである。
が、それだけだと見続けられるか、好きに成れるか、正直よく判らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
VRという手触りのないものを扱うからこそ、そこにある種のねじれ、現実と繋がりつつ変質したイラつきみたいなものが、僕は見たかった。
第1話を見る範囲だと結構健全にぶっ殺し合いしてて、その有無を見きれなかった。
二話三話と、時間が巻き戻ってキャラクターのオリジンが見えてくると、登場人物が黒白先生の可愛いデザインを外装した根性三回転ひねり限界人間であることが、ようよう見えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
しょせんは仮想。その軽さを正面から受け止め、現実の鬱屈を吐き出す楽園として描く筆も、ヒネててとても良い。
デカ女コンプレックスに支配されているからこそ、VRアバターでは小さくなりたかった女。『なりたい自分』を追い求める姿はある意味アイカツ的(日笠さんがエルザやってるし)だが、自己実現の手段はAIG特化のアバターで、異形の高速PKである。血なまぐさい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
レンは自分の異常性を異常だと認識してない、なかんかクレイジーな主役だ。VR殺し合いというテーマ事態が狂ってんだから、そういう主役が来るのは『順接』だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
殺して笑い、撃って楽しむ。レンの歪み方は、見ててしっくり来たのだ。
仮想は仮想で、何が起きても現実には影響しない。だからこそ、救済される歪みがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
GGOのヴァーチャルの描き方は結構大人なワリキリに満ちていて、その乾いた視座が『死を楽しむ』という不謹慎を、巧くアジャストしてもくれる。
しかしVRでもRealはRealで、そこで繋がる関係も、手に入れた喜びも嘘ではない。レンは待ち望んだちっちゃな自分で、首切り兎のように跳ね回りながら、ひどく歪んだやり方で心を開放していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
その波は、多分現実にもおっかぶさるのだろう。
その予兆は色んな所に埋め込まれていて、例えば第3話の『ファンレター』というサブタイトルが巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
これを聞いて、口汚くPK行為を罵るファンメールを予測したのだが、実際書かれたのは愛と個人情報ダダ漏れの、手書きのファンレターだ。VRとRの敷居は、存外低い。
あんだけ『神埼エルザ』をレンと絡めて描いているのは、まあピト=エルザだからだとは思う。SJにピトが参加できない理由と、レンが参加できてしまう理由は、VRだと繋がりがわからないけど、Rだと『神埼エルザのコンサート』というかすがいで、しっかり連動している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
アバターの中の人がわからない、ある種の仮面舞踏会。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
没入型VRという舞台が用意してくれる美味しい要素は、当然狙ってすくい上げるところが、なかなか目ざとい。まぁそこは、絶対掘り下げるところだろう。
すんげぇややこしいことになってそうで、ピトさんの鬱屈描写が楽しみである。
とは言うものの、第1話の時間軸に描写が追いついて、当面は眼の前のSJをどう生き延びどう勝つかが大事になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
個性と戦術、限定された戦場とルールが絡み合い、生存を競う仮想の戦場。これもやっぱり、魅力的な題材だ。
キャラがやや崩れても銃は崩さない作画が、力点を掴んでいて良い。
中間距離から状況を制するMさんと、速度でかき回す天才ド素人レン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
たった二人のスクワッドは、能力的にもビジュアル的にも凸凹していて、なおかつ噛み合っている。第3話の訓練シーンは、二人の間に信頼感がじわじわ造られていく感じに満ちていて、見ていて楽しかった。『積む』シーンが好き。
生っぽい描写と嘘っぽい描写のバランス感覚が良くて、気持ちのいい無双をしつつ、世界観の重力をしっかり据え付けつつ、戦場の空気を気持ちよく作ってくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
それは安全なゲーム。仮想の死と勝利を奪い合う、制御された殺し合い。あまりにホントっぽい嘘だから、人生切り崩してものめり込む。
不謹慎ながら根源的な、没入型VRFPSの楽しさを、キャラの性格としても、描写の組み立てとしても、その異常性込みで肯定的に描けているのは、とても良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
VirtualとRealの間にある複雑な溝が混濁する楽しみより、離断されている面白さの方に足場を置いた感じというか。適正距離を保っている感覚
今後その溝を開いていくのか、近づけていくのかも楽しみだが、しばらくは色んなドンパチが楽しめるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
第1話に出てきたマシンガンバカ達が、『どーせ死なねぇし、やりたいことやるぜ!』感に満ちていて、なかなか気持ちのいい連中だった。そんぐらいでいいのだろう。
今は思う存分、クソデカ女であることとか、きららアニメに出てきそうなJC集団に煽られた怒りを銃弾に載せ、立てよレン! って感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
まぁ認知の歪みが生み出した、思い込みによるストレスっぽいけどな結構な部分…そういう歪みが、VR殺し合いを通じて変化していく様子も書くのかな?
色んな可能性を含みつつ、兎にも角にも楽しい仮想の殺し合いがそこにあることを、大事に作り上げた3話までであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年4月22日
キャラの濃い口な性格含め、足場はかなり整ったと思う。そこからどういう風景を見せるか、今後の展開に期待大である。来週も楽しみ。