ルパン三世 PART5を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
ルパンは死に、他は残る。活動を再開したマルコ・ポーロが伸ばしてきた手を、ぐいと掴んで引き寄せる。一度は沈んだ水の中、今度は自在に泳いで見せらぁ。
アミ編ひとまずの仕舞いとなるPART1最終回。しっとりとした運びで静かに着地したのが、独特のテイストでよかった。
というわけで、アミ編最終回である。まとめると丁度TVSP一本分くらいの尺であり、後々そういう形でまとめてお出しすんのかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
とまれ、PART5のルパンをパッケージングする第1エピソード、その終わり。結構大事な話だったと思うが、全体的にしっとりした雰囲気で、なかなか良かった。
思い返すとアミという少女の成長譚であり、変わることを許されていない『ルパン三世』のアイコン的悲哀にもちょっと目配せをした、ホロ苦テイストなお話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
そういうベースだと派手さがなくなるんで、電脳ガジェット周りで色を付けた感じ…なのかなぁ。こっちはちょっと、評価が難しい。
アミ周辺の描写はやっぱり良くて、冒頭銭形との同居の雰囲気とか、第1話で対応できなかった水没を手玉に取るところとか、お礼と旅立ちとか、いい具合に印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
とっつぁんとの同居生活、長尺で見てみたくなる、いい組み合わせだったなぁ。アナログ昭和おじさんとデジタルネイティブ、良い対比。
銭形は21世紀でも『銭形』を守るべく、蕎麦と畳をアパルトマンに持ち込んで自衛し続ける。そんな空間に気を使って順応しつつ、アミは昭和結界をスマートハウス化し、反撃の手順を練り上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
お互いの優しさが静かに交流しつつ、譲れないものがすれ違っていく寂しさもあって、あれは良い絵だった。
双子塔に閉じ込められ、仮想以外の世界を知り得なかったアミは、ルパン王子に手を引かれて、世界を知った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
カリ城オマージュも感じる物語類型で、そのデジタル/アナログ二分法には引っかかるものもあるが、学校に飛び込んでいくラスト含めて、アミの成長はなかなか爽やかにかけたと思う。
デジタルとアナログの境界線を、体験によって変化させていける可能性を背負った、無垢なる新世代。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
自分の物語を前進させ完遂できるアミのイノセンスを、『ルパン』であり『ルパン』でしかないルパン三世と対比することで、その古臭さ、不自由さを苦く強調できる配置であったかな。
アミが旅立っても、ルパンは『ルパン』を続ける。あの顔、あのキャラクター、あのスタイルで永遠にスタイリッシュであり続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
『ルパン三世』のアイコン性、ある種の経年劣化を正面から見据える、『草臥れたおじさん』としてのルパン。アミを鏡に、そういう姿がちらりと見えた。
そこには老いたるものへの嘲笑ではなく、そこに至るまでの歩みへの敬意と愛情、未だ健在なる『ルパン三世』の咆哮も、ちゃんとあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
第3話で見せていたような、血みどろでズルい悪党としての顔。生身一つで、過酷な自由を背負い切るアバンチュリエの心意気。
ピーカーブーは非常に分かりやすい『否定されるべき悪役』であり、匿名の檻で自分を守る『悪いネット世代』だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
過剰火力なシルバーのデザートイーグルを、横構えしてしまうような。上っ付いたヴァーチャルな感覚は、第1話のアミが持っていたものでもある。
前回銭形が差し出し、ルパンが拒否したシェルターとしての監獄。ピーカーブーはリアルな悪党である重さに耐えかねて、そこに飛び込んでいってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
ちょっとわかり易すぎる対比だが、ルパンたり得ない存在の情けなさは出せていたと思う。
ARを使いこなし、Webの匿名性をクラックして一発食らわす。リアルの重さに足場を置いて、バーチャルを制圧する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
ルパンにしろアミにしろ、IoTにまみれた現在を否定しているわけではない。しかし仮想と現実の境界線、その力関係は鮮明で、アナログなリアルが基本『強い』
その二分法はWebが匿名のアンダーワールドでいられた、一昔の遺物なのではないかという感覚が、やっぱり消えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
ワイヤードは商業主義の波に乗ってごくごくフツーの存在となり、VRとARとRが混じり合って分割できない、変質してしまったリアルな肌触りが、今のデジタルにはあると思う。
アミ編の主題ともなったWebの描き方が、そういう現実認識に噛み合っていたかと言われれば、違和感は残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
これは僕個人の見ている世界だけども、それなりに一般性のあるビジョンでもあるかな、とは思う。犯罪Amazon書いておいて、それと『現実』がスパッと割り切れると描くのは、ちと違和感があるなぁ
この描き方が一つの段階で、実際のWebが一般化し現実を侵食していったように別の段階へ進むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
負けるべくして負けたピーカーブーのような『情けない悪役』ではなく、Webの侵食性を乗りこなす『タフな敵役』が登場するのか。
長いシリーズ、そこまで見ないと最終的な評価は出せない感じもある。
ただ、アミというヒロインの書き方はとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
デジタルな檻に囚われた少女を、可能性に向けて解き放ってあげる怪盗紳士。最初からロマンスを諦め、どこか遠い目で『いつもの王子様』を誠実に演じるルパンの寂しい優しさは、PART5独特の味わいがあり、とても好きだ。
『不二子ちゃんがいるから、ガキは眼中にない!』という描き方でもなくて、PART5のルパンは不二子とのロマンスにも距離を取っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
激しい時間が遠くに過ぎ去ってしまって、しかしそれでも心は生きていて、なかなかにままならない。『ルパン』というアイコンが置かれている現状を見た描写だと思う。
この枯れて冷たい、でも熾火のように感情が匂う関係が今後どう変化するのか。『ルパン』が手に入れるべき永遠の春を、どう書き直すか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
未来への目配せを少し残した〆は、まだまだ余白の残るPART5に相応しいものだったと思う。
また来るだろう長編を、どういう角度から、どういうライトアップで描くか
アミの再登場も合わせて楽しみだが、次回はPART2っぽい低能オーラをまとわせた、ヤバ気なコメディ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
連続編が一つの終わりを見せて、しばらく単話が続くと思うが、その一発目となる。切れ味がシリーズ全体の仕上がりを予言する配置だが、予告を見る限りかなりヤバそうで、期待大だ。
雰囲気をガラッと変えるべく、デザインや撮影もテイストが大きく変わっていて、
— コバヤシ (@lastbreath0902) May 2, 2018
演出の野心を感じる。踏み込んでメチャクチャやるだけでなく、単話としてのまとまり、『見た!』という充実感まであると素晴らしいが、さてはてどうなるか。来週も楽しみですね。