Caligula-カリギュラ-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
自己嫌悪に閉塞感で蓋をして、毒虫達を閉じ込めた楽園。それがメビウス。開かずの扉とかした部室の中で、不和は加速し苛立ちは募る。
内圧を上げた心が耐えきれず激発する時、真実が暴かれ、カタルシスが訪れる。
告白が連鎖する、メビウスホリック・アノニマスな回。
というわけでタイトル回収、各キャラの背景ドーンっと公開しましょう! なエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
正直無茶苦茶力技であるが、キャラの根っこがダーッと公開・共有され、彼らが帰宅部員である理由、真実求めるものが見えるのは気持ちが良かった。やっぱ、秘密は作中で明瞭に暴かんと面白くない。
密室で喋りっぱなし、動きの少ないエピソードなのだが、画面構成の緊張感とエゲツないカムアウト内容で、かなり引き込んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
部室中央に位置する大きなテーブルをセンターに置いて、ここに目線が向くか否かで共同体への関心・帰属意識を表現する、舞台劇(あるいはセラピー)みたいな構図が良い。
カギPがタクト(バラバラの集団をまとめ上げ、一つのハーモニーを作り出すためのツール)を握るまでは、部室は暗く、皆別の方向を向いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
言葉をかわすたびにギスギスは加速し、やることなすことすれ違う。自分のしたいことも、相手の心情も見えない。
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Aパート終わりで選択肢が出て『踏み込む』を選んだ結果、それぞれの秘密は公開され、共有される。トラウマを切開し、言語化し、自分にも他人にもわかりやすい形で、体験や感情を整理していく行為が、『自分たちはなぜここにいるのか』『なぜここから出たいのか』を明瞭にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
それはつまり、彼らが『帰宅部』である理由を、ようやく共有できた、ということだ。中央テーブルは『帰宅部』の象徴であり、ここに全員が向かい合い、視線と現状認識、モチベーションを共有することで彼らは『部』になる。カギPのタクト捌きはなかなか優秀だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
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密室に閉じ込められ、いらだちと不和だけが加速する状況。逃げ場のない状況を奇貨とし、チームに必要なもの、自分に必要なものを発掘する場に変えるあたり、カギPは目がいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
背負った『地獄』が(比較的)軽い(ように見える)から、客観性を維持できた結果か。
まぁ本来は部長の仕事なんだろうけど、あいつ先週から妖しげムーブしかしてねぇからな…。物語の指揮権限(タクト)を一時的に借り受けて、キャrカウターと物語に必要な仕事を代理した、というところか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
夢の中で夢見ることで、律くんは一体どこに至っているのだろうか。気になるねぇ…。
さておき、部員は一気に自分の真実を公開し、それでもメビウスから出たい理由を言語化していく。これはキャラクターのトラウマを客観化し、それに溺れるのではなく泳ぎこなす足場になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
同時に、キャラが『帰宅部』という立場を選んだ理由を説明し、物語の唯一性を強化することにもなる。
言わなくていいなら、言いたくない。トラウマはそういうもんで、それでなんとかなってたから『帰宅部』は一緒に冒険しつつ、お互いのことを知り得なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
しかし密室で逃げ場がなくなり、カギPの巧妙な誘導もあり、彼らは己のトラウマと向き合わざるを得なくなる。
正確には、向き合ったトラウマを『部』に向けて公開し、共有せざるを得なくなる、だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
彼らはトラウマに向き合うこと自体は常にしていて、だからこそ限界人間に追い込まれていた。出口なく内側にたまり続けるストレスが、『出口なき密室』という極限状況で表面化したわけだ。
それが無意味な告発や暴力の激発という、悪い形で発露する寸前で、カギPがタクトを握り、ストレスに方向を付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
溜まりに溜まった内部から、『メビウスから出る』という共通意識で繋がった外部へと。自分一人で抱えていた重荷は、言葉によって分散され、伝達される。
これまでの楽士との戦いの中で、溜め込んだトラウマを表面化させてる連中もいるし、今回が初公開の輩もいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
しかし部員間での共有は今回が初めてで、それが巧く落着することで、『帰宅部』という共同体も、部員個人もカタルシスを得る。混乱は収まり、一つのテーブルに落ち着いて座る。
限界人間の蠱毒で人格地獄絵図が展開されるのを期待してただろう水口さんは、そら爆発オチにするわなあ、という結論である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
災い転じて福となすというか、平穏を切開してたまりこんだ膿を出すには極限状態が必要である、というか。カタルシスと成長に必要な試練を用意してしまうのは、悪役の性か。
未公開組の告白で、今までの行動が腑に落ちたのはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
ビッグガン先輩のトラウマは公開してみると、先輩基本悪くなくて、しかし激烈感情に溺れざるを得ない主観視点だと、因果を客観視して評価するのは難しい。
鳴子がすぐさま『先輩悪くねーじゃん!』と言ったのは、とても良かった。
前回『リアルもメビウスもマジでクソ!!!』と叫んで落下してったシャドウナイフ先生と、ビッグガン先輩は同じ言葉を口にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
楽士は帰宅部の成れの果て…というか、同じところから出発し、別のゴールに辿り着いた鏡なのだ。ホントなぁ、手を掴んでくれればよかったんだが…。
もしかすっと、カギPがタクトを握り、限界人間の心の膿を絞り出してみんなで共有させに行ったのは、楽士仲間の真実を切開せず、共有も出来ず、みすみす落としてしまった後悔が、ちったぁ背中を押したのかな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
これは彼に優しくあってほしいという、僕の甘っちょろい感情が生んだ読みだけど。
鼓太郎のレスキュー願望や幼さも、色々説明された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
失った実父への憧れ、ネグレクトの痛み。彼の背負う『地獄』は重いが、不幸比べをしてもお互い沈むだけだ。
それぞれが背負う『地獄』をある程度引き受けた上で、その限界重量を把握し、共倒れにはならない。やっぱカギPのセッション運営は巧い。
真実を公開した鼓太郎が、ちゃんと震える子供に見える演技に、細谷さんの巧さを感じた。仮面を外して地金が見える描写は、鳴子役の小澤さんも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
アバターは変わらないんで、仮面の奥の柔らかい素顔は声優が見せるしか無い。動きの少ない密室劇を楽しく見れた、大きな要因だろう。
凡人であることの『地獄』に飽き果てたカギP、匿名の『地獄』に引きずり込まれた鳴子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
明かされてみると、これまでの行動やキャラクターに納得がいく真実で、パズルのピースがハマるような快楽があった。やっぱ、謎解きのカタルシスは良いもんだ。
既に個別エピソードを貰ってた連中は、(神視点である視聴者には)既知の情報を共有する形なので、全体的にあっさり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
楽士と何らかコミュニケーションが出来た連中は、そこで自分を公開し、共有したことでトラウマが軽くなっている感じ。共有って大事なんね、やっぱ。
峯沢くんがイケPのことを覚えていて、最終的にセラピーの意義を確認する仕事を担当できたのは、第7話が好きな視聴者としては嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
それぞれが抱えた『地獄』の軽重は問えず、痛みは共有できない。しかし目的と問題意識で繋がり、行動を同じく出来るなら、それは『部』として繋がっているのだ。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
第7話→第8話
きれいな『真実』を蜃気楼のように追い求めるのではなく、現状達成可能な『現実』の価値を認め、そこからみんなで進みたい場所、進める場所に目を向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
実現可能な未来に向け、一つのテーブルについて協力しあえる状況が生まれた密室セラピー、結果的に大成功である。もう爆破しかねぇ!!
今回のセラピーは『帰宅部』と『帰宅部員』の物語を切開・整理・前進させるだけでなく、メビウス自体も巧く掘ったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
μの用意した幸福に微睡んでいるだけでは、抱えた『地獄』を解消できない連中がいる。メビウスは不完全で限定的で、どうしようもなく機能不全な(部分がある)のだ。
トラウマ告白の時、結構な連中が『μの歌に癒やされた』と言っていたのは、μ好きとしては聞き逃がせなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
彼女はくされポンコツカラオケゴッデスだが、その善意と歌は人に届き、良いこともしているのだ。μ否定するだけで終わるのはマジ勘弁って感じだぜ…頼むぜ律くん。
メビウスの問題点を切開し、その起源であるμと共有し、実行可能な改善策を見つけ出し、それを共有する必要性も、今回のセラピーで見えた気はする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
感情を暴露することは、方向づければ良い結果を生む(可能性が高い)。なら、『帰宅部』だけでなく楽士やμとも分かりあったほうが良くね?っつー。
そのためには楽しく盗聴してたソーンさんとか、まーた爆発オチなのに一人も殺せてない水口さんとか、暴力的限界人間と暴力コミュニケーションする必要があるんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
シャドウナイフ先生のときのように、言葉が届かないときもある。んだが、まぁ手を差し伸べる努力は怠らんで欲しい。
ソーンさんが本物の亡霊なのか、メビウスのアバター操作能力をフル活用したなりすましなのかは気になるなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
ビッグガン先輩を限界まで追い込むムーブをしてるんで、なんらか悪感情があるのは間違いないだろう。死人に恨まれてると、先輩の罪悪感の行き場がないんで、なりすましの方が収まりは良いか
そんな新たな謎なども生み出しつつ、キャラクターの心理と真実を一気に暴露し、共有し、変化させるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年6月10日
隠されるほどに見たくなる。カリギュラ効果はタクトに導かれ、いい方向に進んだわけだ。
そこから取り残されてる我らの主役、律くんは一体何者か。来週も楽しみですね。