HUGっとプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
夏…それは恋の季節。
浴衣を着込んで全員集合、今日は楽しい夏祭り! 明るい笑顔が特別な日に、男の過去が暴かれる。
プリキュアを見守り、はぐたんを育てる。宇宙一の快男児・ハリハム・ハリー、待ちに待ったメイン回。
というわけで、俺達のハリーの過去がドドンと公開され、美少年新幹部が極大感情を画面に満たす回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ほまれの家庭や成長が描写されたり、元幹部の社会復帰が見れたり、はなちゃんの甘酸っぱい恋の予感だったり、お兄様とアンリのデートあり。盛り沢山であった。
これまでもハリーが”何か”を一人で背負い込み、苦しんでいる様子は描写されていた。ほまれがそれを気にしている様子も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
思春期。恋を知る季節。爽やかで頼れるハリーに、メンバーで一番大人びたほまれが引き寄せられるのは、まぁ必然である。ロマンチックな描写も、しっかり積んできたし。
ほまれの恋の背伸びは、大人だって秘密を抱え苦しんでいる事実、それは”私達”で分散しないと潰れてしまう事実に追いつき、彼女の身の丈を伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
見守るばかりだったハリーに追いつき、ハリーを支える側に回った時、ほまれは”私がなりたい私”に更に一歩近づいた。
ロマンスのドキドキは強力なエンジンだが、そこで歩みを止めず、もう半歩大きな描写を入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
苦しんでいる人間を背負って、受け入れてあげる強さ。ほまれが手に入れたものは、これまでハリーが”私達”に見せてくれたものだ。それは、過去が暴かれても消えない。
ハリーが悪の組織・クライアス社の改造ハムスターだったのはビックリだが、らしいなぁ、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
薄暗い闇の真ん中から、自分の意志で、誰かの手助けで光の側へ。最初から光を目指していた子供たちとは、ちょっと違ったヒロイズムを、ハリーはその小さな体に刻んでいる。
ビシンくんがぶっ壊した鎖は、クライアス社に強化された暴力性を抑え込む枷だ。ほまれの助けを借りて、ハリーの小さなライダーベルトは再生する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
戦うための凶獣ではなく、子供を守り愛する人間こそ、ハリーが”なりたい自分”だった。だから、ベルトが必要なのだ。
そのためには一回過去をカム・アウトし、真実を共有した上で受け入れることが必要だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ほまれが長い長い階段で、自分の家庭事情、口にできない母への感謝を言葉にした時、ハリーは自分の事情を預けようとした。背負うだけの子供から、同列に肩を貸す大人へと、見る目を変えていた。
なかなか顕に出来ない事実を、勇気を持って告白していくこと。ハリーとほまれの関係は、甘酸っぱいロマンスだけではなく、シンプルでタフな信頼によっても支えられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
そういうモノを預け合えるようになるのが、より善い変化には大事なのだろう。
と、すれば。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
心の奥にわだかまる黒い影を、明るい表情で隠し続けるはなは、周囲と最善の関係を作れている、とはいえない。
強要されたカムアウトはただの暴力なので、すぐさま顕にすればいいというわけではないが、はなも鎖に己を繋ぎ、自分の中の獣を扱いかねているように見える。
ハリーの中の獣はほまれの需要、ビシンのエゴイズムで開放され、再び繋がれ直した。サブキャラクターを主役にした物語は、それ自体が一つのエピソードであり、同時により大きな主役の物語を予見もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
はなの獣が顕になる時、どんな破壊と再生がやってくるか。不安であり、楽しみでもある。
ビシンくんとハリーの過去がまだ不鮮明なので、そこから生まれた感情の詳細はわからない。しかし新井里美さんの好演もあって、ドでかい感情がわだかまっているのは判った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
クライアス社への拒絶が、自分への拒絶だと思えてしまうほど、ビシンくんのアイデンティティは危うい。
クライアス社に見出され、改造を受けた獣。バックボーンをハリーと同じくするビシンくんは、プリキュアに出会えなかったハリーの未来なんだろうと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
檻に手を伸ばした白いプリキュアは、やっぱはぐたんの未来の姿なんかな…ほまれ、時空のねじれの中で自分の娘と恋の鞘当てする形か?
サトジュンは感情拗らせた美少年大好きなんで、ビシンくんは今後ハリーとほまれ、プリキュアにたっぷりちょっかいを出すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
かつて一緒に輝いていた過去を取り戻すため、愛する人の気持ちすら無視して暴れまわる。ここら辺の心象も、輝く未来に向かうプリキュアの、歪んだ鏡である。
ハリーを中心軸に、ビシンくんとはぐたん、ほまれという人間関係が絡み合っている。加えて、クライアス社が制圧した未来、それを拒絶するための現在、そこから伸びる輝く未来と、時間軸もかなり捻れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
切れ味鋭い演出を武器に、ココらへんをスッキリまとめてくれたのは良かった。
HUGっとらしい積載量を活かし、メイン以外も良い描写が多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ほまれの恋心に気付くのが、さあやなのが良い。小学生にロボにはな。残りはまだまだベイビーちゃんなんで、そこ気づくのはさあやだよね。
異常な圧迫感がある長い階段が、重たさを感じさせて良いフェティッシュだった。
他にもお兄様とアンリの関係がスムーズに進行してる様とか、元幹部が人生エンジョイしてる様子とか、はなちゃんに甘酸っぱい感情を抱くひなせくんとか、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
夏祭りのワチャワチャしたシチュエーションを活かし、スピーディーにいろいろ書いた感じ。
元幹部が祭り衣装を着こなして、第二の生をエンジョイしてるのはとても良かった。誰かから奪い、誰かを不幸にすることしか知らなかった連中が、人間の祭りに溶け込む。色んな人の笑顔を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
くじ引きや射的。いくらでも嘘をつけるテキヤ稼業なのに、誠実に商売してる所がホント好き。
ドロップアウト組が”芸能事務所”やろうとしてるのが、僕はほんといいなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
効率優先のクライアス社が、真っ先に切り捨てそうな”娯楽”を、負け犬たちは武器に選んだ。メディアを通じて喜びを増やしていく方向に、人生の舵を切り直した。だから、芸能をやる。芸能で戦う。
それはプリキュアの肉弾バトルとはまた違う、戦う力を失ってしまった者たちの戦場だと思う。特別なパワーがヒーローの資格ではないことを、元幹部を通じて描く気なら、これは凄く面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ツインラブのアイドル活動を掘りつつ、こっちも大事にして欲しいな。
一方ひなせくんは、甘酸っぱいりんご飴をどうしたものか、ずーっと悩んでいた。良いぞ…”野乃はな”個人をちゃんと見てくれる相手は、何億人いても足らん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ハリーがほまれにはぐたん預けた後に、はながりんご飴預ける描写が続くの、結構好きだな。
託せる相手がいる。一人じゃないって、良いじゃない
というわけで、ハリーのクローゼットが暴かれて薄暗い獣が暴走し、そえをほまれが受け止める話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ロマンティックな夏祭りシチュを活かしつつ、”なりたい私になる”という共通テーマにしっかり踏み込んだ、普遍的な仕上がりだったのが良かった。
ビシンくんの巨大感情もビンビン伝わってきたし、ハリーのカムアウトが巧く行ったことが、はなの薄暗さを照らしてもいた。サブの描写も丁寧で、とても良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
次回はさあやと母の相克回。えみルー推しのワリを食った部分もある天使に、どういう話を持ってくるか。来週も楽しみですね。
追記 聖人の聖性は怪物を殺すことではなく、怪物の中に己と同じ人間を見つけることにある気がする。
HUG追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ハリーが頼れる大人の鎧の中に、秘密と苦しみを隠していたとわかったこと。それをポジティブに受け止め、未来に繋いでいくこと。
これはジョージが『大人も夢を見るんだよ』と見せてはなちゃんを引き寄せ、その邪悪な真実で傷つけたのと似ていて真逆の動きで、面白い連動だ。
何かとプリキュア(女性/児童/戦士)を特別化して進んでしまうプリキュアだけども、ジョージやハリーを通じて”プリキュア”と”大人の男”に共通する部分、共有するべき部分、拒絶しなければいけない部分を重ねていくのは、奥行きがあって好きな描写だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
ハリーは最初から味方サイドだし、ほまれとはぐたんにガッチリ食い込んでいるので、捻れた秘密の共有と是正もスムーズだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
しかし最初から敵であるジョージが、はなと共有するものをどう受け入れていくかは、物語の終わりまでかかる長い道だろう。敵の中にある己を、どう拒絶せず見つめるか。
ヒロイズムのど真ん中を、はなは歩いていく。それが長く険しく、走りきれば実りの多い道だと示す意味でも、クライマックスまでまだまだ時間があるこのタイミングで、ジョージを鏡にした描写が多めなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月22日
それがどう描かれるか、僕はとても楽しみだ。