ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
天から腐敗と殺戮を撒き散らすチョコラータ、地中に身を潜め襲い来るセッコ。無敵のコンビニそれぞれ対峙したジョルノとミスタ、ブチャラティ。
勝機を奪い合う死闘の中で、どす黒い幸福論が、烈火の憤怒が、熱い火花を散らす。
激闘、ローマ! 一つの決着!
そんな感じの、さらば"グリーン・デイ"である。チョコラータ先生のろくでもなさは色と動きと声がつくことでより加速し、非人間的な(というかあまりに人間的な)ゴミっぷりが印象深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
体をバラバラにし、カビ人間になってでも不意打ちする。上を取って、絶望を嘲笑う。
ジョルノにとって今回の戦いは生存を賭けたギャンブルであり、コロッセオで待つ未来への掛け橋であり、譲れない価値観のバトルだったのだと思う。(まぁ、ジョジョのバトル大体そうだけど)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
なのでチョコラータとジョルノは、お互いどっか似た部分があって、決定的に違う。
医療器具でピストルズを切り刻み、延命能力を不意打ちに使う。善いことに使うはずの力を、殺しと悪徳のためにぶん回す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
チョコラータの在り方は、ギャングスタという"悪"だからこそ輝く善を求めたジョルノ達とは、正反対の生き方だ。
認める訳にはいかない、どす黒い悪。そら無駄無駄も長い。
クソみたいな強敵に触発されてか、今回のジョルノは特に容赦がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
『お前が生きていようが、死んでいようが関係ない処刑を思いついた…』と言い出したときは親父の"血"を感じたりもしたが、その怒りはあくまで善から生ずる
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命の価値を重んじるジョルノが、ゴミと断じるチョコラータの遺骸。それを見下ろす瞳から流れるのは、赤い涙にも見える。
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スタンド使いを倒したところで、付随被害は消えはしない。豪炎のローマ。ゾンビ・アポカリプス映画の一シーンのような大惨事を、憤怒相で嘆いている…と見るのは、ちとセンチか。
"グリーン・デイ"の能力自体が、『高みから見下ろしたい』というチョコラータの欲望を反映している。
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幸福は絶望が、希望に転じた時に生まれる。OK,.それは認めよう。
しかし絶望を観察し嘲笑う幸福に、ジョルノは抵抗する
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『勝った! と勝ち誇った時、そいつは既に敗北している!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
『ぶっ殺したなら使っていい!』
今までのジョジョ勝負論に全力で背く、チョコラータの潜み笑い。命がけの闘争を侮辱し、自分だけ安全圏から死を略奪する卑劣。自分が絶望しないと思い込む傲慢。
それを、ジョルノは力強く睨みつける。
上から余裕ズラで見下ろすゲスの足を掴んで、グイッ! と引き寄せる。お前と同じ"世界"に俺もいるぞと、暴力で理解らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
親父が承太郎にブチ込まれた挑戦を、ジョルノはプロペラに向かって蹴り上げる。
堕落すれば死ぬ。グリーン・デイのルールを逆手に取って、勝利をもぎ取る。
ソッコー無力化されたミスタが、もう一人の自分であるNO5に弾丸を託し、そこから生まれた"命"が、文字通りの逆転の足場にもなる。
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ジョルノは他の生命と協力することで、勝利を掴む。許しておけない悪を思いっきり殴り飛ばす。上と下、位置を取り合う闘いは他者との協力、尊重を巡る戦いでもある。
最終的にチョコラータは高みから墜落し、ゴミ捨て場に落ちる。ジョルノは自分の手で掴み取った足場から、落ちたゴミを見下ろす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
だがそこに優越はない。他人の絶望や堕落を覗き込んでも、愉悦よりも哀しさを感じる青年だからこそ、ジョルノはパッショーネを革命しようと思った。
低い場所に落とされて、カビに食い殺される人々の哀れさを、ジョルノは闘いに忙しい視界で捉えていたと思う。それは薬物渦に巻き込まれ、魂を腐らされる人々と同じだからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
ジョルノが今回特に怒っているように感じるのは、そういう理由もあるかもしれない。
ジョルノは命のスタンド使いだ。その職分はどこか医者に似ていて、自分のダメージも冷静に"診断"する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
対するチョコラータは、医療用メスでピストルズをたたっ斬り、自分をカビ人間に貶めバラバラにする。
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医者の革を被った怪物と、仁の心を持ったギャングスタ。どっちが『医療従事者』っぽいのかという、無言の問いかけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
『人の価値を決めるのは、肩書や外見ではなく行いと魂』ってのも、ジョジョ全編に通じるイズムだと思う。"医"を巡る今回のねじれは、そういう視点を際立たせる気がする。
そんな感じで、あまりにもどす黒い悪を鏡にして、ジョルノの哲学が良く見えるバトルでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
やっぱ怪奇カビ人間のビジュアルは強烈で、百万言を費やすよりも『あ、人でなしだ』って判るもんな。もうゴミとして捨て去るしか出来ない、最悪の悪。良い敵役だが、二度はゴメンだね…。
天を支配していたチョコラータは、ゴミとして地に落ちて終わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
その報を受けたチョコラータがどう立ち回るかは次回…なんだが、まぁゴミの仲間だからゴミだよねー!
"オアシス"はギャラガー兄弟の仲が最悪だから、このネーミングなのかなぁ……(十何年ぶりの発見)
国語漫才とかポワポワハートマークとか、ゲロ以下の悪党のくせに妙に面白くて可愛いのが、チョコラータ&セッコの困った所だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
そういう人間味があろうとなかろうと、ゴミはゴミであり、大事なものをいくらでも踏みつけにする。
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シャレにならない状況でシャレをぶっこんでくる、ジョジョ特有の"笑い"
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月24日
それが生きる対決でもあるな、と思う。人生という劇場の中で、悲劇と喜劇は同居しうるわけだ。
今回見せた可愛げに、セッコがどういうツバを吹きかけるか。アニメで冴える表現力に期待大です。来週も楽しみ。