ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
・STAND BY YOU!
上原ひまり。
善意とやる気が空回りしがちな、ピンクでふわふわ可愛い女の子。宇田川巴の運命。Afterglowのリーダー。
なんでもスマートにこなせる今井リサの立ち居振る舞いに憧れ、変わることを願う彼女と仲間の、小さく積み上がる日々の物語。
というわけでひーちゃん主役エピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
正直言ってガルパ天王山だな、と思っていた。
上原ひまりはガルパが高解像度で切り取り連動させる、人格や青春のカメラワークから露骨に浮いていると感じていたから、彼女が誰かのおヒキやマスコットから外れる話をしっかりやれるかどうかは、世界観全体に響く
ひーちゃんは浅はかに、今井リサみたいなハンサムな少女になりたいと願う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
Roseliaカメラからクローズアップで覗けば、圧倒的に優秀に見える彼女も相当な致命傷を負っていることが判るわけだが、眼の前三センチの価値観で生きているひーちゃんにそんな事がわかるわけがない。
その狭い視野をバカにせず、むしろ温もりの宿った静かで確かな力として慈しむ所が、ガルパの良いところであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
しかしひーちゃんだって、いつまでも空回りしてかっこ悪くてドジな自分ではい続けたくない。変わりたいと願うのは自然で、正しく力強いことだ。
今回のエピソードで、ひーちゃんは変わらない。早々簡単に、人間の資質は変わっていかない、ということなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
その代りに、元々持っていた美質を自然と発揮し、仲間もその事に感謝する。アフロ内部にも、感謝表明に素直さのグラデがあるのは面白い。
こと他人を認め、褒め、温かい言葉をかけて前に進ませる能力においては圧倒的なつぐみは、相変わらず"正解"をぶっこみ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
星2カードエピのチーズケーキ秘話があまりに"人間"で、『やはり…羽沢つぐみ…』と唸ってしまった。どんな難度の人間試験が来ても、あの子は一発合格するわ。
蘭ちゃんはぶっきらぼうにツンデレ…と思いきや、言葉不足が生んだ二章の衝突を反省してか、結構素直に言うべきことは言うようになっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
モカちゃんが徹底して道化の仮面を外さず(外せず)、『いつもの青葉モカ』に呪われているところは、ちょっと痛ましい。善良さと信頼感はよく判るのだが。
そして巴は、ひーちゃんの素敵さをエスコートするハンサムさ、巴だけが引き出せる特別さを発揮して、その輝きをサラッと称える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
そこがやはり、少し引っかかるのだ。
上原ひまりは『宇田川巴の彼女』以外のアイデンティティを持ちうるのか?
『上原ひまりの話』である今イベントですら巴とセットか?
彼女たちが特別強い繋がりで結ばれ、根源的にセットで描かれるのはよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
しかし宇田川巴には宇田川あこがいて、そこを窓口に例えば湊友希那と繋がれる。ソイヤソイヤで香澄とかこころと接触して、色んな顔を見せることが出来る。
『上原ひまりの彼氏』以外の顔がある。
対してひーちゃんは、『宇田川巴の彼女』以外の顔を殆ど持っていなかったように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
『Roseliaのリーダー』というアイデンティティ、『仲間を繋げる縁の下の力持ち』というスタンスは、確かにあるだろう。それは静かに大事にされていたが、主題として深く掘られ、成果を上げたことは少なかったと思う
そんな個人史を反映してか、今回ひーちゃんの物語を引き出すナイト役はやはり巴となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
思い出のアルバムをたくさん持って、私室にも当たり前に入って、クローゼットも開いてしまえる関係。
それを無理くり引っ剥がし、他のキャラでひーちゃんの本質を照らすのも、まぁ嘘になるかなとは思う。
浅はかなひーちゃんがアルバムに目移りして、二人が共有してきた時間を思い出すシーンはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
いつでも友達に全力な彼女(その美質を、蘭ちゃんが照れずちゃんと言葉にしていた所も感慨深い)が、忘れてしまった自分の強さ。ノータイムで不利益を背負える優しさ。
それはお姫様になれずぶーたれる巴(ここも良かった。"イケメン""ひーちゃんのカレピ"というアイデンティティで覆いすぎて、彼女の中のフェムな部分を窒息させる物語受容は、あまりにさもしく悲しい)に隣り合うべく、自分も"悪役"になってあげれる強さだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
ひまりがいてくれて、良かったよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
誕生日のたびに幾度も言葉にした親愛を、巴(と幼なじみたち)は再び贈る。
いてくれること。走り寄ってくれること。
それが上原ひまりの、彼女自身も気づかず無意識に発揮している美質なのだと思い出させる。
その再発見は、とても大事なことだと思う。
僕は今回の話が、『まずはここから』のスターティング・ポイントであってほしいな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
憧れた『スマートでハンサムで無敵の先輩』に、不器用で不格好でそれでも自分だけの強さがある上原ひまりが、どんどん近づく話を今後みっしり大量に摂取したいと思う。
それでようやく、彼女を可愛いだけの女の子に(そう描くつもりがないから、今回こういうフォローが来るわけだが)してしまったガルパの瞳に、点睛が宿る気がするのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
しかしそこに踏み出していくためには、まずなーんも出来ない、目の前三センチでしか生きてないひーちゃんをしっかり描く必要がある
ひーちゃんは"出来ない"のだ。リサのような如才のなさ、こころのような天才、蘭ちゃんのような"華"、友希那のような楽才。そういうものは無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
それが彼女の現状で、ある意味資質なのかもしれない。眼の前にあるものしか見えない、狭い世界からなかなか抜け出せない。そこでもドジをする。
でもそれは、身近なものを凄くしっかり見て、照れも気後れもせず思い切り踏み込める、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
期せずして、憧れのリサが一番苦手な、クロスレンジでの関係戦が、ひーちゃんはとても巧い。意識せず大事な人の大事なものを、本当に大事に出来る。
それは周辺視野が狭いからこその一極集中であり、資質は弱点でもあり長所にもなりうるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
これはガルパが人の在り方を書く時、常に視界に入れてる世界認識だと思う。強さは弱さと裏腹で、弱さは強さに繋がっているのなら、まず自分がどんな存在か知ることで、正しさと優しさにたどり着ける。
沢山の物語を事前に貰っていた他のキャラクターが、先んじて歩いているそういう道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
『憧れの自分』に繋がる自分の美質と、それを気づかせてくれる仲間の存在。ハンサムなひーちゃんに変わっていくための武器は、今回しっかり確認できた。知らず、自然と発揮していた。
そこは良く描けてたかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
星4カードが"お姫様"なのが、優しいなぁと思う。
それは巴の悲しさに寄り添った過去に、彼女が諦めてしまった主役の輝きで。
しかしもう一度取り戻し、着飾り、輝くことが出来るものなのだ。取り戻しても良いものなのだ。
だからこっから伸びていく物語の中で、ひーちゃんが誰かの力になって難問を解決し、『かっけー!』と憧れの目で見られる瞬間が必ず来て欲しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
紗夜とつぐみのように、思いもよらぬ必然の組み合わせがどっかのイベストで来ると、グッとトルクが増す気がするが…はてさて。
ひーちゃんは生粋のサポーター気質なので、舳先に立って切り込んでいく蘭ちゃんや巴のような、分かりやすい強さはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
現在進行系で青春ニトログリセリンをぶん回す、モカちゃんの道化の仮面と繊細さも持ってないし、つぐみの人間力の強さ、"正解"を掴める直感力と貪欲さもない。
それでも。感動しぃで考えなしの彼女が持ってる強さは、今回静かに、しっかりと彫り込まれたと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
イベント楽曲は"Easy come,Easy go!"。"手に入りやすいものは、失いやすい""悪銭身につかず"くらいの慣用句だ。
これをひっくり返せば、"得難いものは、簡単には消えない"となる。
ひーちゃんが巴を筆頭とする幼馴染との日々で、幾重にも積み重ね、知らず強化していた強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
それは他の誰かが望んでも手に入らない強固な武器で、失敗や失望が奪おうとしても、青春の荒波が襲いかかっても、簡単には消えない。
それが彼女の側にあることを確認することから、ハンサムへの道は始まる。
ひーちゃんと巴が自然共有している、素直な感謝と情愛の繋がり。過去と現在を捻じ曲げずに、暖かく繋げれる間合い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
実はそれは、憧れのリサが一番望んでいて、無茶苦茶苦しみ悶えながら求めている資質だったりする。とにかく、幼馴染で最愛の友希那との繋がり方(だけ)が、一番上手くいかないのだ。
そして凄く間近で、その素直さ、照れを乗り越える真っ直ぐな推進力を、求めて届かない青葉モカがいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
彼女の欠乏を、道化の仮面の奥にある諦観と切望に、いつAfterglowは直面するか。カチカチと、青春が爆発するタイマーは時を刻んでいる。
そういう視点もくれる話であった。
空回りリーダーの"えいえい、おー!"を、ズコッーっとスルーするのがアフロの『いつもどおり』だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
でも今回、ようやくみんなが(ズレつつ)それを言葉にしてくれた。ずっと『言ってやれ…言ってやれよ! 上原ひまりの光に報いてやれよ!!』と思っていたオッサンとしては、ありがたい瞬間である
それは名目だけ(って切り捨てるには、ひーちゃんはこれまでもAfterglowの心臓であり続けていたし、目立つ形じゃないだけで舵取りしてたとも思うが)のバンドリーダーが、かっこよく舳先に立つ第一歩でもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
美竹のセンスが強すぎて、彼女センター以外の形が取りにくいのはアフロの弱みかな
ただの幼馴染集団ではなく、楽器と詩情で勝負できる"バンド"なんだから、曲を通じてかっこよくなるチャンスは、沢山あるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
その時、"いつもどおり"を力強く変化させて、ひーちゃんが正面に立ってくれると良いな、と思う。そうするだけの土台は、今回作れたでしょう。
というわけで、"次"が大事で、期待するのに十分な良いイベストでした。未熟で、でもひまりらしく輝いてる"今"と、そこに繋がる愛おしい"過去"をまず描いてから、その先へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
マジ行ってくれないと困るんだよ…『主役は主役、脇役は脇役。分をわきまえて生きろ』なんて、寂しい結論じゃないか…。
こっから先がどうなるかなんて、誰にもわからない。誰かを支え、寄り添う強さは変化していかないかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
それはそれで大事にしてもらって、文句のつけようのない超かっこいいひーちゃんを、絶対見たいなと僕は思っています。
ガルパくんなら見せてくれるよな、な!!?
追記 他者性の中でしか確認できない自己存在を、より強く優しくより善く変化させていくことが、基準点になる関係性を前進させていくのだ。青は藍より出でて藍よりも青し。昔の人はいいこという。
余談。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
僕パトレイバーで一番好きなセリフは『あたし、いつまでもレイバーが好きなだけの女の子でいたくない。レイバーが好きな自分に甘えていたくないの』なんですが、ひーちゃんに(限らず、あの作品世界に生きる全員)もそういう瞬間が来てほしいなぁとずっと思ってんのね。初期状態を飛び出す輝き
ひーちゃんが『宇田川巴の彼女』である自分から抜け出す瞬間があるのか、そもそも必要なのか。そもそも"彼女"なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
ここらへんを彫り込むことは、彼女たちのセクシャル・アイデンティティを決定づけてしまうことで、商売でもあるガルパくんには相当に難しいことだと思う。多分オフィシャルだと無理
でも宇田川巴以外の誰かと繋ぐことで、強く細く癒着しすぎている(ようにも僕には見える)"ともひま"を一回切開して、別の繋がり方を見せることは出来ると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月22日
そのことが"ともひま"を強く結びつけ直すのは、別の関係性でもすでに描かれている通りだ。やっぱひーちゃんは"こっから"だな。