かつて神だった獣たちへ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
巨獣は語らず、殺さず、ただ進む。取り返しのつかない過去に夢見た場所を目指し、その巨体を揺らす。
殺戮の兵器をかつて載せた軌条が、今は平安を運ぶ陸橋。守りたかった夢を壊しても、見たかった景色を探して。
巨獣は進む。ただ進む。
という感じのオヤサシ巨獣ぶっ殺し絵巻、かつ神第四話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
第3話までの出口のない閉塞感に比べ、軍との共同作戦だし、死人もそんなに出ないし、シャールの善良さは元気に唸ってハンクとの関係を良くするし、少しは救いを感じる話だった。
イヤまぁ、擬神兵のどん詰まり感を考えると幻想なんだが。
戦時中は機動に使われただろう鉄道は、今は沢山の笑顔を運んで、中の人達は終わった戦争を思いもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
ハンクだけが軍服で孤立する風景の中で、シャールはかつて身を置いていた(そしてハンクにぶっ壊された)平穏を思う。
根本的に、この子獣殺し向いてないよッ!
そんなのどかな風景に相応しく、今回の擬神兵は誰も殺さぬ獣である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
しかしその巨躯、死ねない特性は平時にはただの災害でしかなく、軍はそれをぶっ殺す準備を整える。
獣は目的を語らないし、ハンクは口を閉ざす。言っても時間は戻らない。幸せは帰ってこない。
シャールは寡黙な男たちの代わりに、必死に走って必死に相手の目を見る。話を聞く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
その素朴な歩みはベヒモスに正気を取り戻す訳でもなく、ハンクの諦観を蘇生させるわけでもない。
だがしかし、仮に一筋の救いがそこにあるのならば。
余った爆薬で見せた、遠い水平線。ハンクが暴力で打開するしかなかった希望を、シャールは未だ持ち続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
人間が人間として生きられる場所、獣が人間に戻れる奇跡を、未だ信じている。
その青臭い純粋さが、物語を救う切り札になりうるのか。ここら辺、なかなか難しい。
どんだけポジティブなこと言うたかて、現状擬神兵は初期衝動を暴走させて社会との折り合いつかないし、暴走は不可逆で不可避に見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
シャールの博愛が救済になるためには、どっかで擬神兵のフィジカルが改善する技術なり奇跡なりが必要になるけども、さて、どう転がすか。
『死ぬ前に見たい景色が見れたから、一瞬だけ人間に戻れたから、それが救い』ってのも、なんとも後ろ向きで息苦しいというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
ハンクの持つ神殺しの銃弾しかり、獣狩部隊"クーデグラース"のネーミングしかり。獣には死だけが救済というのが、現状の解答になってしまっている。
すんごいクソダサ衣装で飛び出した、ケイン・マッドハウス大先生がアナーキーぶっ込んで、どういう救いを獣に見せるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
それにハンクとシャールが、どういうアンサーを返すか。擬神兵と社会のどん詰まりは十分見えたので、そろそろそこら辺のぶつけ合いにシフトしてほしい気持ちである。
超常的な殺戮者の生き方を全肯定しても、それはそれで息苦しい結末しか待っていないわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
落とし所が難しい話であるが、人と獣の絶滅戦争以外の答えを、どっかで掴んで欲しいもんだ。シャールの素朴な善意は一切間違っていないので、それが報われると良いなぁ…。
シャールが『同じ人間です!』と叫んだベヒモスは、瞳が赤くなった後は迷わず蹄で踏み潰していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
それを引き起こしたのは鉄道主の我欲と暴力だけども、それがあってこそ平時の鉄道も引かれている。なんとも裏腹で、どうにもならない雰囲気はちょっと疲れて、結構好き。
どうにもならないと解っていて、それでも海を見せたかったハンク。父殺しへの復讐心は、シャールが彼に『人間』を見つけることで薄らいできた感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
そこはとても良かった…んだが、ハンクも獣だからなぁ…。ベヒモスの巨体をがっぷり正面から受け止める、インチキパワーの表現は凄く好き。
地上を軌条が満たしても、そこを平和が駆け抜けていっても。ハンクとシャールは、神と獣の物語を終えるまでレールには乗れない。それでも、それを守りたかったから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月24日
やるせなさと少しの安らぎを詰め込んで、ふたり旅は未だ続く。どう転がるか、来週も楽しみですね。