放課後さいころ倶楽部を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
クリスマスッッッ!!
それは家族がゲームで笑い合い、友人と微笑み、恋人たちが楽しむ日!
そんな日だからこそ、変わった自分を大切な人に見てもらいたい。
彩の純情が親父の放埒に踏みにじられる時、ゲームが間をつないでくれるのかッッッ!!!
そんな感じの、クリスマス前後編。前半でパパンとの正面対峙を、後半でクラスメイトとの甘酸っぱい恋模様を、それぞれアナログゲームに照らして描く筆が堅調だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
噺の展開に合わせて、しっかり噛み合うアナログゲームを引っ張ってくる知識量、流石だなぁと思う。
さて前半は、自分を強く持ちすぎた自由人のパパンと、親はいずとも子は育つな彩ちゃんのすれ違い&融和のお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
親子のマジヤバイ修羅場を前に、強引に横車を押して対話のテーブルをセットできる店長の人間力が、非常に頼もしいお話だった。信頼できる男だ。
”ブロックス”は僕も好きなゲームで、シンプルなルールが複雑な面白さを生むまさにクラシックだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
作中でも明言されているように、自分の領地を明け渡したほうが、良い結果につながる。対面、目を見ながらのゲームを通じて、お互いの気持は通じ合う。
アブストラクトだからこその表現力であろうか
家に寄り付かなかった親父さんの中では、彩ちゃんはいつまで経っても子供のままで、妻との離婚とか、仕事中毒な身勝手さとか、『難しい大人の話』をする対象ではなかったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
しかし子供は独自の世界を出会いとともに広げ、心身ともに大きくなっていく。
いつまで立ってもアップデートされない親父さんの中の、永遠の子供。そんな虚像を追い越していた彩ちゃんの実像が、愛とすれ違いに暴発した結果が怒りの脱出である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
四月に迷ってた美姫ちゃんを助けたことが、巡り巡って自分がキツい状況で生きるの好きだなぁ…公平な感じがする。
その時、美姫ちゃんと心を繋いだ一言が、パパ由来だと見せることで父を許す展開をスッと飲み込めたのも、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
身勝手で、視野が狭くて、でも好きで。物語を左右するような大きなものを、自分に取り入れようと思える相手だからこそ、変わった自分を見て欲しかった。
そんな彩ちゃんの想いを、ブロックカチャカチャする中で親父さんも受け止め、自分の中の『永遠の子供』をアップデートする気になったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
親子の関係刷新。イメージのアップデート。人生の一大事をスムーズに転がせる助けとして、アナログゲームは(これまで通り)大きな仕事をする。
嫌いだけど大好きな親父さんと和解した象徴に、パパジャケを羽織って寒さを凌ぐ描写とか、じっくり温かい表現も多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
隅っこでサラッとやる描画が、気が利いてて的確なのは作品の強みだなー、と思う。デカくて解りやすい表現も巧いけどね。
©中道裕大・小学館/放課後さいころ倶楽部製作委員会 pic.twitter.com/KfEKVNh7bh
親父さんと悶着も解消し、クリスマス会本番は何するかと思えば、今まで結構おざなりだったラブコメ要素怒涛の回収である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
抽象的だった”ブロックス”とはうって変わり、ロールプレイを交えた”レディース&ジェントルメン”を鏡にして、甘酸っぱい恋が踊る。女子勢は軒並み気づいていないが。
つうかドギマギ足踏みしまくりのボーイズに比べ、ナチュラルに甘え素直に感情を表現するエミーのグイグイっぷりが凄かった。”ある”のか、翠エミ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
妄言はさておいて、女子四人でアナログゲーにキャッキャしてると掘れない男女の恋を、夫婦関係を戯画化したゲームで照らすカメラは技ありである。
『男が稼いで、女が着飾る』という構造のヤダ味はまぁ横に置く…ていうか、そのエグさもひっくるめて『お遊び』として楽しめるのが、ロールプレイ交じるゲームの面白さか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
ごっこ遊びのおねだりに、ついつい本気で前のめり。掘れた弱みに付け込まれ、甲斐性のなさに涙する。
疑似夫婦シュミレーターを通じて、現実の恋愛は全然進展しないのに、なんかラブでコメな雰囲気が醸し出されるのは良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
クリスマスっていう特別感も、この高揚に一役買っとるかな。上手いタイミングで、上手い話を差し込んだな、って印象。構成が良いのか。
ヘテロな恋愛にカメラを寄せすぎると、アナログゲームを媒介に少女たちが前に進むジュブナイルがぼやけてくるわけで、この話恋はあくまで添え物である。翔太くんと龍二くんには悪いが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
しかしちゃんと『見落としていないよ』と、特別な日に要素を拾い上げ一話作る目配せがあったのは、とても良かった
ボーイズの思い込み空回り加減もまた可愛らしく、ぜんっぜん気づかないまま恋の発熱を煽るガールズもチャーミングで、非常にほっこり微笑ましいお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
美術の”冬感”もよく出ていて、変化の兆しを孕んだ日常スケッチとして、上品かつ魅力的な仕上がり。こういう筆はやっぱり、いっとう巧いね。
アナログゲームを隣において、少女たちの季節は転がっていく。春夏秋をくぐり抜けてきた物語も、気づけば冬であります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月4日
次回はひよっこデザイナー、決意の一戦。
翠ちゃんの臆病な自尊心は、一体どこに届くのか。仲間たちは、どんな友情アシストをぶっ込むのか。
来週も楽しみですね。