GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
シンガポールでの仕掛けを終え、ニースの下宿に落ち着いたエダマメ。
しかし運命は平穏を奪い、彼はふたたび詐術に戻る。
カモと侮った相手は、なんと”美術界の007”。
しっぺ返しを喰らい、メンツも情も泥まみれのエダマメに、意外な助け舟が…?
そんな感じの新章開幕、フランス春秋なグレプリ第11話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
LA、あるいはシンガポールと同じく、最初は本命以外のところから物語が始まる。舞台がスライドしていくことで生まれるリズムと国際感覚を、より強くするためのテクニックなんかねぇ…。
いろんな景色が見れて、僕は好き。
第1章がエダマメ、第2章がアビーの話だったので、第3章はシンシアの物語になりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
2章のアビーよりも(表面的には)陽気なシンシア姉さんなので、失敗しつつも妙に陽気で、リベンジの気概に燃える出だしだ。
作風としてはコンゲーム・コメディだと思うので、こんぐらい活気があったほうが好み
というわけで、やっぱり堅気に戻りたいエダマメ君、今度はフランス・ニースで再起をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
インチキ寿司屋で通じぬ言葉に苛立ちつつも、下宿は安くて飯がうまい。
じんわりとした幸せを、『当然、長く続かないんだろうな…』という見ていた。
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冒頭、シンシアとローランのやり取りは軽妙だけども、僕には怖くも感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
やっぱこー、ローランの一挙手一投足にはエダマメの人生を遠巻きに転がして、その悲喜こもごも全部ひっくるめて楽しんでる気配が漂う気がしてならない。
エダマメが軽率に売り飛ばした、世紀の名画。
その真価を、コンフィデンスマンが本当に判っていなかったのか、僕は結構訝しんでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
まぁ大物に見えて粗雑で抜けたところもあると、ローランは描写されているのでおかしくないけども。
悪魔の薬でハメたシンガポールを終えて、今度はエダマメ自身が企画した詐欺に失敗し、前のめりになるよう。
あえて手を出さずに、状況をコントロールしながら組み立てたんじゃないか、という疑念がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
主人公の師匠であり保護者であり、望む道を進ませてくれない悪魔でもあるローランは過去を描かれず、内面も見えない。
その覆いが、謎と疑念を深めてくる感じだ。
逆に言うと、ローランの過去が話しの主軸に絡み、その真意が表に出てきた時は、彼がニヤケ面の怪物から乗り越えるべき”人間”になる瞬間だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
動かないローランの周囲で、詐欺師稼業に出たり入ったりなエダマメの苦闘。そういう基本構造を崩す時にしか、ローランの内側は見えない気がする。
そんな瞬間を待ちつつ、今は導入を楽しむこととする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
エダマメは下宿の親父さんに諭され、せっかく掴んだ日常を取り戻すべく寿司屋に戻る。
人生やり直しの機運を塞いだのは、食に敬意を払わない不快な男だった。
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寿司にペリエにコーヒー、後にはティラミスにラーメンに焼き栗。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
今回は口に入れるものの描写が多く、章を通じての悪役になる(だろう)ジェームズへの悪感情と、他人に手を差し伸べるエダマメの人情を強調してくる。
やーっぱメシぞんざいに扱うやつは、根本的に好きにならねぇ。
エダマメは言葉の通じない下宿の親父さんや、寿司屋の大将と食事をともにし、手を差し伸べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
ジェームズは汚いものかのように寿司ネタをつまんで、食べもせず床に投げ捨てる。
ここら辺の芝居が、新キャラと主人公の距離を上手く印象づけている。食事に絡めた演出は、いつでも好き。
(この第一話の舞台はニースとパリだけど、章タイトルは ”Snow of London”だし、占いでもあるガチャガチャで引いたのはウィンザー朝第2代、エドワード八世だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
王冠と恋を天秤にかけて玉座を降りた彼が出るのは、色事師でもあるシンシアメインの話として、なかなか面白い象徴だ。どう使うか楽しみ)
職場も家もぶっ潰れる大ピンチに、エダマメは詐欺を企画し仲間に頼る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
ここでまっとうな手段で金を稼ぐツテも発想もないあたり、なんだかんだエダマメ、堅気にはなりきれていない。
手持ちの武器は詐術しかないし、それを使えば少しは良い事も出来る。
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そういう経験則が、エダマメの中では出来上がってしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
葛藤なく甘い悪徳に手をのばすエダマメの姿勢と、生チョコパクパクローランくんは、見た目ほど正反対、ってわけじゃねぇんだろうなぁ…。
それを本人より知ってるから、ローランも夢中か。
そっちの世界はまっぴらごめんと口では行ってても、エダマメは詐欺に手を伸ばすし、仲間に声をかけてハメ手も組み立てる
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
絵も人も見る目が甘く、仕掛けには隙も多いけど、彼の思考ルーチンは詐欺師のままだ。これが抜けきらないと、まっとうな暮らしなんて遠いよね…。
今回はそういう、半煮えのエダマメをスケッチする回でもあんのかなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
彼の半端な善良さが、シンガポールの空に踊って掴んだもの。イメチェンしたアビーちゃんは棘が抜けて、なんか可愛い。
…爆撃前は、こっちが”素”だったんだろうな。
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アビーはシンガポールで分厚い仮面を引っ剥がされ、自分を守るためのやけっぱちな鎧も脱いだ。エダマメが走り回って脱がせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
その”後”の彼女がどんな人間か、パリを舞台にした食い倒れツアーは上手く見せてくれる。ここはしっとりとした空気感と変化の蓄積が見えて、とても良かった。
10話以上このお話を見てて、僕は詐欺師達の丁々発止以上に、ビジネスを通じて彼ら個人が、そしてそのつながりがどう変化するかという、ヒューマン・ドラマの部分に重きを置き始めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
シンガポールでアビーが苦しみ、エダマメが飛んだ”後”のフランス。
そこで彼らが、奇妙に気の抜けた距離感でほっつき歩き、家族についての突っ込んだ会話をサラッとやって、温かい栗を一つの器から食べている姿は、第2章あってこその描写だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
そういうジンワリが巧いのが、このアニメの好きなところなのよね。
ここらへんはここからのビズが示すように、エダマメが善人と詐欺師、プロと素人の間に立つ半人前だからこその味だとも思うし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
完璧にスタイルを手に入れたプロのお話ではないけど、このじんわり煮込み加減がなんだかんだ、僕は好きなのだなぁ、と思った。
さてエダマメが仕掛けた、利益5000ユーロのしょっぱい絵画詐欺。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
それは瓢箪から二千万ユーロの超名画と、いけ好かない態度の超絶鑑定師が飛び出す、とんでもない方向にねじ曲がっていく。ノータイムで仕掛けたワリに、裏取りが甘いなぁ…。
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ジェームズとの過去に眼鏡を曇らせ硬直したシンシアに、アビーが気遣いを見せる所とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
ただのスノッブと思っていたジェームズが、本物の名画を前にして息がかからぬよう、ハンカチを使う所とか。
失敗に終わるビズに、細かいキャラ描写が光る。
クズでも、審美眼は本物なのだなぁ…。
アビーもシンガポール以前なら、シンシアのこわばりを気にかけなかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
エダマメが自分の呪いを解いて、笑えるようにしてくれたからこそ、捨てられない過去に繋がった”仲間”の不調をカバーする余裕も出てきたのだろう。
第2章のエダマメの立場に、第3章のアビーもなってくかなー?
そこら辺は先の話として、まーエダマメくんの”慈善事業”は大失敗。1000倍の利益をドブに投げ捨てる、詐欺師の面目丸つぶれである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
鑑定士という”眼”が命の強敵相手に、因縁が生まれる今回。エダマメの”眼”のなさが際立つのは面白い構成。
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相手を侮り、ビジネスをナメる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
詐欺はまっぴらごめんと嫌った仕草を見せて、しかし善を引き寄せるためには騙しに頼ってしまう性根が抜けないエダマメの、悪人としての半端さ。
それが、フランスでの仕事では浮き上がってくる。第2章では善人としての強みが出たのと、面白い対照だ。
未だ明かされぬ過去を背負って、シンシアは一見成功、その実大失敗なビジネスに浮かれる一行から、ちょっと距離を開けて立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
その視線に何が見えてるかは、第1章のエダマメ、第2章のアビーと同じく、未だ不鮮明だ。しかし構図としては、やっぱ同じなんだな。エピソードの主役は過去に向き合う、と。
あんだけブーブー言ってたローランに、いざとなったら『どうしたらいいべぇ…』と頼っちゃう。そらオキニだわな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
窓の外で寒風に耐えるエダマメくんに、手を差し伸べたのはシンシア姉さん。やる気十分すぎてなんかこえーよ!
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最高の鑑定士で、いけ好かないクズでペテン師。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
そんな男と色事師、何が二人を繋ぐやら。
一杯食わされた痛みも込めて、舞台はロンドン、狙いは世紀の名画”ロンドンの雪”ッ! という所で、次回に続く。
導入としてテンポが良く、敵役の見せ方、因縁の作り方も軽妙でした。
このお話”らしい”と僕が感じている、軽妙なスタイリッシュとジンワリした人情の同居。それが生活感がおしゃれに薫るフランスの景色に、上手く滲んでいたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月21日
さて詐欺師一行は、007をローストビーフに出来るのか。
ロンドンでどんな物語が展開し、どんな過去が見れるか、楽しみですね。