プロセカイベスト”ふたり、月うさぎ”を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
頃合いは秋、月見の季節に志歩は幼い思い出を蘇らせ…というお話。
大変に良かった。
日野森姉妹イベはずっと読みたくて、その”読みたかった所”を全部すく上げてくれる、季節の詩情を生かしたお話であった。
読みたかったポイントその1。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
妹べったりの雫はどんだけ真実、志歩を思っているのか。
正解は”3億%真心”であり、大変ありがたかった。
お互いを思って寂しさをこらえる幼い姉妹の、それでも年長者として妹を抱きしめる優しき気位が、確かな体温を伴って読んでいる側に届いた。
泣きたくて、でも堪えている時に自分が崩れ落ちないよう、抱きとめて泣かせてくれる存在ほどにありがたく、また尊い人はいないと思うけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
雫は志歩のそういう存在であろうとしたし、実際そういう存在として己を立てていて、大変に立派だと思った。
あそこで志歩も、姉のことを思って涙をこらえ、寂しさを抑えているのが良いのですよね。賢い子供だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
そして賢い子供に、弱くて脆い存在でいても良いのだよと、形だけの言葉でなく己の実存をまるごと投げかけて、体重を受け止める覚悟、気合が幼い雫にはあったのだ。
この”積極的な受け身”ともいうべきスタンスが、事務所とファンの求める完璧を演じようとし、演じきれず崩れてしまった過去にも通じているのだとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
紆余曲折あって、モモジャンの仲間と出会い、今の雫は自分が壊れない形で誰かの願いを背負えるようになった。
そこに至る道程にはモモジャン(特に愛莉)が密接に寄り添って、志歩は『難しい年頃となり、姉と間合いを作った妹』として、直接助けることはなかったが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
しかし悩みつつ誇り高く進む志歩の背中を見守りながら、愛と勇気を間近に嗅げたからこそ、志歩は限界状況でも折れず、新たな夢に進めた。
志歩もまた青春迷路の中、かつての仲間、周囲の環境とどう向き合えばいいか分からなくなっていたが、姉以外の力を借り、また自分をより善く変えていくことで、そこから抜け出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
レオニの一員として、友情に手を引かれて頑なな棘を抜くことで、柔らかな魂を手に入れた。
…というか、”思い出した”のだということが、家族として長い時間を共有する姉とのエピソードを通じて見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
幼い志歩は、うさぎさんになってお団子を作る特別なイベントに、屈託なく微笑む子供だった。
姉の寂しさを間近に感じ取り、それに想いを寄せられる人だった。
他人と同じお団子を、どうしても作れないセンスと情熱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
彼女を後に”ロック”に導くことになる個性は、幼稚園を出て身の丈が伸びるほどに、彼女を孤立させた。
顔のない無邪気な嘲りから自分を守るべく、頑なに固めた心の鎧。
それが、かつての親友たちを遠ざけもした。
しかしアオハルど真ん中、孤独になろうとする自分をぶっ壊さなきゃ踏み込めない領域に、マブダチと突っ込んでいくユニストを経て、志歩は鎧を外して生きれる場所を見つけた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
棘を外してみると、世界の形も変わって見えるし、自分の居場所も良く判る。
仲間をプロを目指すと決めて初めて、姉の凄さが身にしみた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
ベッタリとウザいだけだった姉の愛情が、何を支えようとしていたのかも解った。
自分が子供だと自覚したときに、幼年期は終わる。
志歩はレオニの仲間に支えられ、背伸びしなければ溺れてしまう淵から出ることで…
率直で聡明で優しい、幼稚園時代の自分を取り戻して、だからこそ一つ、大人になれたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
そんな志歩の”今”が、もう一つの見たかったポイントである。
迷って、苦しんで、支えられて。
ユニストの青春のたくりがあったからこそ、お姉ちゃんの本当、自分の本当を素直に見つめれる志歩がいる。
思春期の只中にいる少女の、複雑でシンプルな連続性が感じ取れたのが、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
幼さを自覚するだけで終わらず、ミクさんのアドバイスを受け取って、お互い様優しさと勇気を差し出し合っていた”姉妹”に目が行くところも、あまりにいい話すぎて刺さる。
自覚ってのは凄く大事で、『自分で見つけたんだ』って当事者性がないと、理解は真実身にはならないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
だから志歩がお月見を通じて、姉に支えられてきた自分、プロになりきれていない自分を痛感するのは大事なことだ。
その欠乏を埋めるべく、彼女はこれからドンドン進む。足りないものを掴む。
でもそこには欠落だけじゃなくて、当人が気づいていないまま差し出していた大事なものが、たくさんあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
姉の愛をありがたく思う心を取り戻せた志歩が、そんな大事なものを自分も作り出せていたのだと思い返せるのは、ミクさんの言葉あってのことだ。
自意識の死角になってる良さや危うさを、見つけ届けてくれる鏡としての他者。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
バチャシンは同じ色として混ざりあえない他者が、そこにいてくれることの最良を、いつも形にして教えてくれる。
電脳精霊であり、けして”ヒト”になりえない彼らにこういう役割を与えたの、俺は凄く好きなのね…。
『他人がいてくれるありがたさ』ってのは、例えば桃井のさりげないアシストとかにも出てて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
お月見放送の時、すげーサラッと『言えよ! お前の大事な妹の話しろよ!』と背中を押さなければ、携帯の画面を通じて雫の思い、ミクさんの言葉の裏打ちは、志歩に届かなかったわけじゃない。
そういう事をめっちゃナチュラルに、”アイドルの仕事”として、親友への最高のアシストとしてやれちゃう所が、桃井愛莉って人の凄さなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
これを気張らず自然にやってくれる所に、雫もズブズブなんだと納得した。
そらーハマるよ、足音聞き分けるよ…やっぱこえーなこの女。
ツッパるのをやめ、今の自分と世界を率直に見る強さを手に入れ直した志歩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
彼女から見ると姉は”敵わないなぁ”なんだけども、『自分より子供っぽい』と見てたヌケてて未熟な部分も、また日野森雫ではあって。
天使なんかじゃない彼女が、だからこそ出来なかったことに挑む。
雫主体の企画が、色々ボロも出しつつしっかり完走される話としても、今回すごく良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
ロジカルに仕事を組み上げて、段取りを積み上げてやりきる賢さってのは、雫の領分ではなかった。遥や愛莉に”やってもらう”部分だった。
でもそればっかりじゃいけないと、企画立案を買って出て、大ボケカマしつつも出来る勢のサポートで無事、お月見企画を形にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
セカイでの打ち合わせ風景と合わせて、モモジャンお仕事物語としてもディテールが彫り込まれてて、見たかったシーンが押し寄せてきたね。
志歩は忘れかけていた過去を思い出して、雫は自分になかった未来を掴み取って、それぞれちょっと前に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
それは小さくて、偉大な一歩だ。
姉妹相互の小さな成長、敬意と愛が形を変えつつも息をしていると、よく教えてくれるエピソードになってました。
レオニ×モモジャンエピとして考えると、ユニットべったりでお月見するのではなく、家族と過ごす日に”決める”のがまず良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
運命に選ばれた特別なユニットは当然大事なんだけども、そこだけに縛られたら必ず腐る。
片手を離して、もう一方の手を強く握りしめながら進んでいく、健全な青春。
雫も志歩に粘着するんじゃなくて、妹を強く思いつつも”アイドル”として時を過ごし、家族思いの尊さがまた”アイドル”を輝かせる物語として、ファンに流動していった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
今回の企画でシスコンキャラを公然化したことで、雫はまた一つ、自分を偽らないまま”アイドル”出来る足場を整えた。
一度ぶっ壊れた公的イメージを、ノマド的アイドル・More More Jump!として自分の手で作り直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
自分が見据え、他者に共有される”私らしさ”の形を探り、実際に共有し、豊かに膨らませていく。
そういう物語としても、モモジャンを読んでる自分としては、今回の一歩は印象的だった。
同時にファンに見せる”公”の仮面を外した領域で、志歩がモモジャンと面通しを済ませ、今後の関係構築に大きな一歩を進めたのも、抜かりのない話運びである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
やっぱコネクションが結ばれてって、バラバラだったメンバーに認識の網が広がっていくお話、リアルタイムで読んでる醍醐味だなー、と感じるね
そういう意味では、物語のトリガーを引きつつ、ニーゴに見せてる凍りついた”私”を一切共有させなかったまふゆの立ち回りは、独特で面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
つーか第1話の完璧優等生、あまりに上手く人間の皮をかぶりすぎててビビっちゃった。
でも、あれがほぼ全ての人が知る”朝比奈まふゆ”なんだよなぁ…。
ニーゴにいると虚無人間の本質を一切隠さない(隠さなくていい)ので、うっかり見落としがちだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
学校という”公”の場では、朝比奈さんは朗らかで賢くて社交的で、みんなに愛され望まれる社交的人間なのよね。
それは虚像、求められ作り上げた”アイドル”かもしれねぇ。
その仮面に窒息させられかけて、死にかけたまふゆはしかし、そんなアダプターを捏造したからこそ生きてもいられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
”明るく元気な朝比奈さん”が、キッカケを作ったものが今回のように、誰かの幸せに必ず繋がる瞬間もある。
だとしたら、それは”嘘”なのだろうか?
まふゆが話の本筋に絡まないこと、ニーゴで見せてる”本当”を晒さないことで、逆に彼女の抱える複雑さ、自覚せず成し遂げている善徳を見ることも出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
笑顔の仮面を貼り付けている自分も、いつか自分の顔の一つだと間近に引き寄せてくれたら、見守ってる側としては嬉しい。
自分が歩いてきた道は、立ち止まって振り返っても結構死角があって、そこで作り上げ手渡してきたものを、自分以外の誰かこそが教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
志歩のお姉ちゃん(に愛されていた自分)再発見物語は、そんな在り方を強く刻む。
そしてそれは、まふゆの今後にも伸びる視線じゃないかと、僕は思う。
とまれ、”姉”たる雫と”妹”たる志歩が、どんな歩調でともに歩き、離れ、今再びお互いに出会い直すのか、よく語ってくれるイベストでした。大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
マージで幼年期の雫が立派な子供…いやさ”人間”すぎて震えが来た。
寂しさをこらえる魂を抱きとめる尊さに、背丈は関係ねぇやな…。
ここで思ってたより子供だった自分、思ってたより色んなものを受け取り差し出していた自分を観測し直したことで、志歩の歩みはより確かになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月31日
私は愛されていて、愛して、今ここにいる。
その確信は暗夜の月光のように、彼女の未来を真っ直ぐに照らす。次の物語が、とても楽しみだ。