Sonny Boy 第7話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
流れ着いた異界は出口なし、僕らはコピーで故郷は遠い。
強制的に突きつけられた”卒業”を前に、それでも少年たちは顔を上げて旅立っていく。
一方さかしまのバベルに落ちた長良も、繰り返す労役の中で己の責務を、道を探していく。
この絶望が、僕らのスタートになるなら…。
そんな感じの異界漂流新章開幕、さらば友よッ! な第7話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
いや…凄かった。
前回明かされた衝撃の真実を前に、話がどう転がるか期待あり不安ありであったが、過酷な絶望を風に変えて未来に踏み出していく少年少女の血潮が、異様に爽やかで力強い後半開幕となった。
学園に限定されていた視界は、長良達の決意が一つの真実へとたどり着いたことで、否応なく開かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
コピーで、終わってて、帰る場所もないと逃げ場もなく叩きつけられたことが、むしろ若人の血をたぎらせ、新たな旅立ちへといざなう。
それは、主役だけに許された特権ではない。
エースの決意、明星の旅立ち、はやととのお別れが、バベルに囚われた長良のいない場所で進んでいくのが、凄く自由に感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
可能性を観測し世界を作り出してしまう、特別な主人公抜きでも彼らは自分だけの道を探し、意を決して過酷な旅に漕ぎ出していく。
その権利は、最果てに流れ着いた皆にあるのだ
長良もバベルで、自分の似姿のような二つ星と出会い、手のひらを擦り切れさせる労働の日々を実感し、自分に優しくしてくれた存在の死を受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
下に降りていく流れを反転させ、世界の中心へと一人駆け上がって、”無限に下降する穴”という真実へとたどり着いていく。
アリンコに許された、偽物の夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
嘘っぱちの天国が二つ星に与えていた希望も、それを食わなきゃ生きていけない所に彼らを閉じ込めている自分の責任も、真っ直ぐに見つめて歩き出す。
何も出来ないと、だから俺について来いと誘う朝風の言葉を、力強く跳ね除ける。
なんでもないものを、本気で信じられる力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
二つ星が”それだけだ”と語るものを確かに胸に宿して、主人公は旅立ちの決意を固める。
過酷な真実を越えて、それでも広すぎる世界を自分の目で見て、自分の道を定める歩みへと、友達と巣立つ。
そんな決意は、方舟に載った皆に、旅立つラジダニにもある。
閉ざされ、神様が与えてくれる”どこか”、不安を押し付けられる”だれか”を探して6話迷っていた子供たちが、絶望の真実に出逢えばこそ、それぞれ別の道へ旅立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
それは別れでありながら、今までで一番強く繋がった瞬間だった。
このスタイリッシュでアバンギャルドなアニメに感じていた、骨の太い青春
それがそれぞれの人生という物語を、唯一観測し固定しうる主人公として巣立っていく中学3年生の背中に、燦然と輝いて眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
この旅立ちの決意の先に、どんな道が待つのか。
もうコンパスはない。
どこまでも自由な度が、ここからはじまるのだ。
凄いことになってきたよマジ…。
先週確認した真実は、子供たちに見えているより遥かに広い世界で、もっとたくさんの人々が彷徨っていることを教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
主人公・長良の観察能力により、永遠の檻に閉じ込められた者たちは断罪を望む。
貴様が悪いのだ、と。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/8c1LuqYKye
それを見定めるべく派遣されたコウモリ先輩が、幼年期の出会いに巨大感情を抱える超絶善人だった結果、魔女狩りよりもっと前向きで複雑な結論へ、”ビートニク”は動いていくのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
巨大権力の尖兵として、罪を見定める人が本当に正義の在り処を探し、罪人こそ被害者だと見れる展開始めてみた…。
広がっていく世界の前で、子供たちもそれぞれ、自分たちの道を勝手に定めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
永遠のサマーキャンプへと突き進んでいく、あき先生のバスから朝風は降りて、”やり残したこと”を掴みに行く。
流されるよりも、もっと大事なものがあるんじゃないか。
その意識はエースたちにもあって、終わっただ何だボヤく周囲に鋭い視線を向けて、”卒業”しちまった自分をまず見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
本来いるべきではない場所に押し流され、しかもそこにしかコピーの自分たちがいるべき場所はない。
しがみつく上海の腕が、たおやかに熱い。
叩きつけられた真実は疑いようもなく絶望的で、しかしどうやっても動かない事実を半ば強制的に腹に落とすことで、子供たちは幻想を捨てていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
帰れる、戻れる、どこかに行ける。
それは夢でしかなかった。なら、目を覚まして進むときだ。
複製品のモラトリアムが終わり、たった一つの人生が始まる。
憑き物が落ちたように、学校での地位…それを獲得するための不正に怯えていたポニーも、瑞穂との最後の日常を語らう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
子供たちを叩きのめした絶望は、彼らを縛る鎖をぶっ壊して、やけくそ気味な爽やかさと活力を与えている。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/YrKev6IftG
前回生まれた大きな物語的うねりを受けて、イヤな奴らが凄くいい方向に脱皮してくカタルシスが、随所に見られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
閉塞して出口がない思春期の手触りを丁寧に積んだからこそ、そこをそれぞれ”卒業”して歩き出す今回が、風通し良く感じるんだろうなぁ…。
ラジダニが”観測”する、どん詰まりでの同士討ち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
悪しき超越者に落ちかけたラジダニから、長良くんは蟻たちを攫って開放する。
傷ついた鳥を助けたい気持ちを、素直に形にできなかった少年は、今回狭い場所で何も知らぬまま死ぬ命を、両手に抱えて走り出す。
バベルでの体験が長良くんを変えたようにも見える今回だが、変化の兆しはこの、悪しき超越者への反抗、どん詰まりの運命を開放していく行動に、既に現れていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
彼は神様の興味で、誰かが死ぬのは嫌なのだ。
ずっと嫌だったのだ。
ようやく、嫌だと駆け出せるのだ。
『そうなりなよ!』と、瞬きをしない瞳でずっと見据えていた希はしかし、視線を伏せて迷いに沈んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
何かが奪われてしまった絶望、自分に未来がないと思い知らされる苦痛が、”コンパス”を真っ直ぐ見据えていた少女から確信を奪う。
迷う役/導く役が、長良くんと反転してる感じはあるな。
そんな親友の浮かない表情を、瑞穂がちゃんと見てる所に思わず微笑んでしまうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
長良くんは死すべき運命の蟻を救い出し、奇妙な鉄棒に思わず逆上りする。
かつて、『そんなの意味がない』と言っていた行為を、ただ楽しそうだからやってみる。
ここにも、後にバベルで痛感し踏み出していく決断への萌芽がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
自分の手で世界を編集し、たどり着いた真実…辿り着こうとあがいた経験がなければ、長良くんはまーたなんか理由つけて逆上がりをしなかったと思う。
しかし彼は、既に何かに踏み出した。
判るのは出口のなさ、自分たちの不確かな起源だけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
前向きな希望なんてどこにも見えない結末が、しかし確かに少年を変えた。
コウモリ先輩が観測者を観測するために用意した、バベルでの経験はあくまで、既にあるものを芽生えさせるだけだ。
だがその働きかけがなければ、兆しは確信へと変わらない。だからこそ、出会いと偶然は大事なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
ここら辺、学園に閉じ込められて後ろ向きだった長良くんに希がしたことにも、通じる部分だと思う。
彼女が”コンパス”を見据えて、長良くんを信じ続けてくれたことは、けして無意味ではないのだ。
さてさかしまに落ちて、長良くんは一度そこに取り込まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
理由もわからず石を運び、永遠に完成されない塔を作り続ける世界。
働きアリの一人として、ただただ流されるだけの日々にも手の皮は剥け、それを労う人もいる。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/8Di9KCB5hg
二つ星と長良くんがどっか同じ匂いを漂わせて、静かな共感と優しさで繋がっていく様子が、なんかいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
世界の形なんて知らず、希望の未来も判らない。
でも目の前の日々を一歩ずつ進んで、誰かに確かに優しく出来る事は、とても大事なことだ。
奇妙に捻じくれた因果に閉じ込められ、普通の答えなんて遠くにあるコピーされた囚人だったとしても、皆が生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
バベルの奇妙な食事も、繰り返す労働も、優しく接してくれる二つ星の言葉も、学校に閉じ込められた…自分を閉じ込めてきた時代とは、違った温もりで長良くんに染みていく。
自分を理解ってくれない世界と、世界に自分を理解させる術のなさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
食って寝て働き、当たり前に優しくされるバベルでの生活は、長良くんを生の実感から遠ざけていたものを、静かに壊していく。
それは何も生み出さない、虚しい仕事だ。それでも、確かに自分も二つ星も生きている。
逆しまに建造され続ける永遠の牢獄のホストとして、超越者ッ面をしてたスス頭さんが、その実世界の一番低い場所で、囚われ人が絶望に食われないように虚しき救いを演じているのが、結構好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
優しいんだよなぁ、この奇人…基本この話、優しい奇人しか出てこねぇ。
愚かに日々をただ繰り返すように見える二つ星も、それが嘘だと気づきながら、不確かで虚しいものに己を投げかけている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
蟻には蟻の賢さと矜持が、確かにある。
そのことが肩に置かれた優しい手から伝わり、奇妙な食事を長柄くんは飲み込んでいく。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/iN3vEDfT4y
長良くんはコウモリ先輩の試しによって、蟻と観察者、両方の立場に置かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
虫を食べて美味しいと感じる味覚と、美味しくあってはいけないと感じるメタ認知が、二つ星から手渡された糧を腹に入れる長良くんには共存している。
上から犠牲のスペクタクルを見下ろす、神様の視点。
きらびやかな地獄に食われる一つの命に、目を見開く人間の視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その両方が、長良くんには共存している。
バベルは極小のケージでありながら、沢山の人…自分なり考え飯を食い、流されつつも幸福を求め活きる存在の蠢く、一つの宇宙でもある。
その重さを、流星に惑わされ死ぬ二つ星が教える。
自分は確かに主人公として選ばれ、数多の可能性を観測し、実体化した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その力を与えたのは、この状況を観測する神様であって、ヤマビコが優しく告げるように、長良くんは悪くないのかもしれない。
でもマメだらけの手のひらが、口に入れた蜘蛛の味が、目の前でバラバラになる命が。
観てしまうもの、世界を生み出してしまうものの責務を、重たく主人公に教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
彼はもう、そこから逃げない。
真実は絶望に値するものだった。
帰るべき場所はなかった。
それでも、自分は確かにここにいる。
沢山の人、沢山の世界と望まず繋がり、その中心に唯一立っている。
バベル世界の外側で、消えた長良を探してくれる友人たち。相変わらず最高にあざといな、瑞希…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その声が届かない場所で、長良くんは新たな出会い、新たな衝撃によって自分で決めて、流れに逆らう。それは真実へと向かう足取りだ。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/viVFE8wSOp
重力が下向きに働くというルールは、バベルでは逆転して運用されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
人々が天上に輝く絶望へ辿り着けないように、コウモリ先輩とスス頭は世界の理を反転させていた。
長良くんはその思惑を知らないまま、上へと登る。それは外側から観測すれば、下方にある真実へと突き進む歩みだ。
この逆さまの世界では落下することは上昇することであり、上向きに落ちていくことで世界の真実へとたどり着く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
前向きに答えを示してくれる希も、賢いラジダニも、ツンツンぶつかって発破をかけてくれる瑞希もいない場所で、長良くんは真実に近い方角へと、自分の意志で自由に、覚悟を定めて進む。
その裏で、神様の声を跳ね除けた明星が、正しく皆のリーダーとして舵輪を握って、方舟を旅立たせていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その爽やかな笑顔が、思いの外いいやつだった彼が絶望と真実故に自分を取り戻せたことを語っていて、異様に泣ける。
良かったね、というべきなのか。
大変だね、と同情すべきか。
よく分かんねぇんだけども、方舟で仲間と旅立つことを選んだガキ共が、皆力強くいい顔してて、仲間を信じているのは判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
だから彼らの旅が、どっか納得できる場所にちゃんとたどり着いて欲しいなぁと、強く思う。
この出口ない世界では、旅を続けることこそ、その終着点なのかもしれないが。
もう戻ることのない永遠の別れを口にしつつ、『手遅れだよ』と告げながら、明星も希も爽やかに前を向いてるのが、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
時は戻らない。
自分たちに、帰るべき場所も出口もない。
それなのに…あるいはだからこそ、絶望の必要はない。
決断と自由と友情が、方舟を導くだろう。
六話物語の舞台となった”学校”から皆がお別れしていって、話が壊れていくエピソードなのに…あるいはだからこそ、すごく前向きなパワーがあんのよね今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
けして触れることがなかった現実の”卒業”より、もっと真に迫ったものをこのコピー人間たちは、掴もうととあがいている。力強く、最高である。
闇の中釣り竿を手かがりに、瑞穂の友情は長良くんが消えた場所…バベルの入り口を確かに掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
それに呼応するように、逆立ちの変人をヤクタタズと罵っていた時代に決別して、長良くんも虚空に踏み出す。
落下は上昇で、絶望が希望へのスタートだ。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/fYAO3ERwZK
見て見ぬ振りを続けていたものへ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
自分を破滅に導くと、畏れて遠ざけていたものへ。
長良くんは瞳を開けて、ゆっくり踏み込んでいく。
それは周りの評価を引き受けて、挑むものをないがしろにしていた過去への決別でもある。
つーかコウモリ先輩、間違いなく”デカ”い…長良への情動がッ!
バベルの住人を絶望から遠ざけるべく、世界のルールを反転させてたスス頭に、長良くんが微笑んでるのもまた良いのよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
『二つ星によろしく』
それを長良くんが、自分で告げることはない。
行くべき場所は世界のルールを超えた場所、正しい重力が導く場所にこそある。
上が下で、希望は絶望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
バベルの歩みは『視点を変える』という事を、猛烈にヴィジュアライズしてえぐり出す。
コレまでも幾度か鮮烈に、内側が外側へと裏返り、新たな世界が広がる体験をアニメーションしてきた物語。
それが先に進むヒントは、常に視点の変化、認識の変化にこそある。
世界が出口なく変わらなくとも、その事実を真正面から叩きつけられても、だからこそ新たな世界へ瞳を旅立たせて、道を開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その時重要になるのは主人公たる当人の認識であり、それこそが全てを変えていく契機になるのだ。
そしてその観測と変化は、否応なく世界を巻き込む。
自分が認識しなくとも、その中心に立つのであれば生まれてしまう責任へ、長良くんはバベルのてっぺんから身を投げたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
ガラス窓を開けて虚空に踏み出した時、彼は選択し観測し行動する主体として、自分を引き受けたのだ。
己の意志で、”主人公”になったのだ。
それは新しく出逢った大事な誰かに教えられ、孤独に彼が決めた行動だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
でもそこに、隣り合ってくれる人はいる。
長良くんが選んだこと、苦しんだこと、だからこそ選び取れた行動の意味を、正しく判別してくれる人はいるのだ。
コウモリ先輩…あんたが智慧者で、本当に良かったよ。
コウモリ先輩がバベルの審判を終えて、長良くんを『キミは自由だ』と送り出したのは、その足が責任の上に立っているからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
神に選ばれて手に入れた、望まぬ超越的特権。
それが生み出してしまうものを、引き受け進む決意。
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/FdSyZ7n4PQ
おそらくコウモリ先輩も持つ人の輝きを、確かに長良くんも持っていると確信すればこそ、彼は断罪の刃から長良くんを守る傘として、立つ覚悟を決めたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
それはスケープゴートを求める漂流者を、正しい認識に戻す決断でもある。
長良を吊るせば、確かにスカッとはするだろう。
誰かが悪い、ここでないどこかに逃げたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
そういうフラストレーションは、教室にも莫大な世界にも満ちている。
でもそれに押し流されて、同じく迷い傷ついている漂流者を贄に捧げれば、皆は人でなしになってしまう。
彼は断罪者という責任ある立場から、人類全体を守る正しい決断を選び取った。
そんな決断の裏で、ラジダニもまた旅立ちを決断する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
既に方舟が、主役の迷路を置き去りに旅立った後の青い空の下で、最後の抱擁が交わされる。
希、瑞穂、長良くん。
それぞれとの離別が、それぞれにチャーミングで大変良かった。瑞穂マジでズリーな…。
偉大なるモンキーベースボールで、撲殺された主審が貫いたもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
世界がどれだけ揺れ動いたとしても、カレーで煮込まれたとしても変わることのない、自分というコンパス。
それだけが、世界に打ち勝てる。それだけが、流動する時空の中で、居場所を指し示す。
友から差し出された奇妙な毛玉を抱いて、長良くんは物語の後半を駆け抜けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
別れに間に合わなくても託されたもの、実際に顔を合わせて抱き合えたもの、これから共に進むもの。
色んな道があって、多分その全部に価値がある。
そう思える”卒業”だった。
『やり残したこと』を告げるべく寄ってきた朝風を前に、長良くんはまっすぐに前を向く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
見据えたのは、親友から託された思い。
はやとの能力ノート、マジ反則だよなぁ…ワンワン泣いちゃった。
きったねぇ手書きが、中坊等身大の熱意を焼き付けて火傷するほど熱い
(画像は"Sonny Boy"第7話より引用) pic.twitter.com/V9nZyy5o4v
『お前は絶望してるふりで、希望に他人を巻き込んでるんだよ!』と叩きつけた時、はやとは本当に憤っていたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
もっと何かが出来るはずなのに、何もしようとしない親友に苛立って、だからこそその変化を、決断と可能性を力強くノートに書き付ける。
『無能』を赤字訂正して『天地創造』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
はやとが長良くんに託したかったものが、直接ではなく主役抜きに、でも確かに託されて旅立ったのが、本当に良かった。
隣りにい続けることだけが、友情の形ではない。
思いを預けつつも、自分が行くべきだと思った道をそれぞれに、誇り高く。
方舟で旅立った仲間とは違う場所へ、長良くんは進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
観測者としてバベルを生み出し、命ある蟻達を折に閉じ込めている自分がどこに生き、どこに進むべきか、旅立って見定める。
朝風の決めつけに静かに、強く反発するその輝きが、瑞穂が灯火の方へ顔を向けるきっかけになる。
では『どうせ何も出来ねぇんだし』と決めつけられた希は、どうするのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
ずっと”コンパス”を見据え、人の為すべきこと、長良くんの可能性を当人よりも真摯に見つめ、差し出してくれた瞳は、今迷っている。
それをたどり着くべき場所に連れて行く、力強い”コンパス”に、長良くんはなれるのか。
二つ星との出逢いを、そこで見つけたものを嘘にしないためにも、長良くんはこの奇っ怪で出口のない無限の世界へ、進みだしていくしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
その腹が、ようやく主人公に決まるエピソードでした。最高だった。
ウジウジと思春期に悩み、善い人になろうとして果たせない足踏みを見てきたからこそ。
彼が手にマメ作って、蟻の命をとるにたらねぇと観測する立場ではなく、その一個一個を背負って進む決意を固めた手応えが、マジでハンパなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月1日
この力強いうねりに乗っかって、物語はもっと広い場所へ漕ぎ出していくだろう。
Sonny Boy後半戦、なかなか凄いことになりそうです。次回も楽しみ。