ルパン三世 PART6を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
ルパンを見たリリィは封じられた記憶に苦しめられ、ホームズは愛する者のために10年ぶり、ステッキを手に取る。
ロンドンに踊る陰謀、血みどろの面影。
謎を深めつつ、怪盗と探偵は廃墟で再会する。
その男、怪傑(ヒーロー)か悪党(ヴィラン)か?
そんな感じのPART6、序章後編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
BPM早めでド派手にロンドンぶっ飛ばした第1話に比べると、ホームズの奮起と一味との対峙、謎を深めつつの水入りと、やや落ち着いた印象がある。
同時にシリーズを引っ張るであろう疑問点が複数提示され、噛みごたえの在るエピソードに仕上がった。
ルパンが己を語らず、名探偵(とその可愛い助手)による観察で客観視される、このスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
怪盗紳士に匹敵する諮問探偵…の名を継ぐものをメインに据えたのも、外側から見て考えるしか無い"謎(ミステリー)"として、ルパン三世を捕らえていく姿勢の現れなのだと思う。
ルパンは謎めいた男で…PART5でその大きな謎が一つ、覆面を剥がされたとしても…、そのキャラクターは矛盾に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
夢を見ない男は何を考え、何を譲れぬ矜持とするのか。
時に卑劣漢、時に英雄。
無限の可能性を秘めた、無貌の怪物。
それを、今幾度目か問い直す。
そのためにPART6はミステリ押しで、一人称にクローズアップした構成ではなく、ホームズという外部を用いてその内側に切り込んでいく構造になっているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
今回のお話は、視聴者の視線を引き連れ"ルパン"という謎に挑んでいく探偵が、どんな人間かを僕らに見せる回…なのだろう。
当代ホームズは思いの外熱い男で、かつて喪った相棒の忘れ形見が傷つくと、怒りで壁を凹ませる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
『わ、腕力強くないっすか…?』というツッコミは、後の大活劇の伏線だったりする。ロンドン、全体的に物理がつえーな!
(画像は"ルパン三世 PART6"第2話より引用) pic.twitter.com/12Ud2besdZ
美しい夕日に照らされた、スコットランド・ヤードの惨状。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
封じられたリリィの記憶が、ルパンとの炎の再会で緩んでいることを確認し、ホームズは10年ぶりにステッキとパイプを取る。
時代を超えて継承された、名探偵のレガリア。
これを取ることで、彼はスイッチを切り替える。
”10年前の事件”は、悪党か善人か読みきれないルパンと同じく、大きな謎だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
そこでワトソンは死に、リリィが傷つき、ホームズは”ホームズ”であることを辞めた。
古馴染みの探偵と怪盗はそこで出逢っているようだが、物語はその輪郭を魅力的になぞって、まだ踏み込みはしない。
今の段階で判るのは、ホームズを”ホームズ”にするのはロンドンを揺るがす大陰謀ではなく、ベッドで眠るリリィの涙だ、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
パイプを片手に推理を重ね、街の人の気さくな声を無視して、現場へと突き進む。
その冷えた知性の目覚めが、喪われた相棒、託されたものによって着火している。
このクールで熱い感じは、今回のルパンが内面を見せない冷酷な印象を強くしているのと、面白い対比だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
レイヴンの秘宝を狙うモチベーション、祖の裏に隠してる秘策。
今回のルパンは、色んなものを隠している。
怪盗だから当たり前だが、ちと他人行儀だ。
隠されたものを暴く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
あるいは解っているつもりだったものの奥に、未知の真実が在ることに気づく。
その面白さを今後追うために、ルパンは謎めいて遠く、それを追う男は熱を秘めている…と言ったところか。
当代ホームズが情を知る男なのは、個人的好みとしても、”ホームズ”の変奏としても面白い。
ゴエちゃんが聞き役になって、”レイヴン”の基本設定が開示された所で、ホームズが謎を解いて隠れ家にやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
武力、知力、セクシーさ。
『コイツはルパンに伍するに足りる、強力なライバルだぞ!』と、初手から見せてくれるのはありがたい。
(画像は"ルパン三世 PART6"第2話より引用) pic.twitter.com/hszccGMuok
前回のMI6製皆殺しマシーンもそうだが、時折モダンで大胆な構図がワッと飛び出し、絵としての強さで殴ってくるのは、”今”のルパンとしてとても大事だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
五右衛門と対峙するシーンは、いい具合に歪んだ構図が気持ちよく連発され、見ていて気持ちよかった。こういう見栄がキマると、やっぱ良いよね
剣戟に銃撃戦、チェイスに恋の戦い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
ホームズは一味を一人で向こうにして、相手の得意分野で一切遅れを取らない。
今後”ルパン”という謎を追い、長い物語を牽引するヒーローには、それくらいの実力も必要だろう。
超人的な強さの裏に、リリィを思う心の強さが在ることも、既に見せてるし。
それにしたって不二子がチョロすぎて笑ってしまったが、まぁ不二子だがな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
”峰不二子という女”以来、伝説化したシンボルにどう血を通わせ、今萌えるキャラとして書き直す手腕に毎回注目しているのだが、PART6の不二子も大変チャーミングで、非常に嬉しい。
千変万化故に、常に古びず脱皮していく。
ルパンのかっこよさと同じく、不二子の魅力も常時、アップデート対応である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
これはボーッと定形流して”ルパン”してりゃ良いわけではなく、時代に即した描写を織り上げ、しっかり刺さるデザインを作り上げ、汗だくで努力した結果生まれている工夫だ。
不二子が今も可愛いのは、とても偉い。
かくして三人を退けた名探偵は、廃墟で怪盗と対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
10年ぶりの再会。
犯罪の現場で老いを知らず燃え続けた男と、血と哀しみに日常へと退いた男。
訳あり二人の核心をあえて外した対話は、煮えてていい。
(画像は"ルパン三世 PART6"第2話より引用) pic.twitter.com/06nTuKFFEv
五右衛門に隙を作った目眩ましを逆手に取り、ルパンは探偵を出し抜く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
探偵と怪盗が同クラスの抜け目なさを持っている、ライバルとして同等であると見せるシーンであるが、表向き敵対する二人が思いの外、共通する部分が多いと示す演出でもある…かな?
ステッキを握り直す理由を既に示しているホームズに対し、ルパンは己の真実をひた隠す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
騙しもすれば、殺しもする悪党。
そううそぶくスタイルの奥に、様々な”ルパン”が眠っているのを僕らは、既に知っている。
そこには、アウトローであるがゆえに世界の真実を知る、怪盗探偵の顔もある。
PART5で”探偵ルパン”を書いた大倉崇裕が、今回のシリーズ構成なのは、とても面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
探られるべき怪盗は、影から真実の刃を突き刺す探偵となりうることは、既に示されている。
お天道様に顔向けできない悪党なのに、ルパンは光を使って相手を出し抜き、探偵よりも高い場所、光の中にいる。
法と正義、喪われた思い出を振り回して悪党を打倒できる立場の探偵は、低くて暗い場所で怪盗の言葉を浴びている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
彼が未だ語らないもの、秘密のままにしておきたいものの中に、重要な真実が隠されているのではないか。
廃墟の対峙を描く筆は、そんなことを示唆もしてくる。
ホームズガルパンを暴く…ルパンが多く謎を秘めてる基本構図を提示しつつ、その実探偵役こそ秘密が多い逆転。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
秘密の闇の中にいるのは、実は真実の光で秘密を暴くべき探偵である。
それが第2話の段階で示唆されているのは、なかなか面白い手際だな、と思う。
謎の中核は秘められし10年前にあり、全てはそこで複雑に絡み合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
ひとまず水入り、ド派手な爆破解体を目眩ましにロンドンを去る怪盗を、探偵は見送る。
封じられた記憶から漏れた、一筋の悪夢。
(画像は"ルパン三世 PART6"第2話より引用) pic.twitter.com/xLhMZSzMBl
リリィの見るルパンはニヤついた道化の笑みも、トリックスターの颯爽も浮かべず、ひどく冷たい顔をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
詐欺師、殺人者、職業犯罪者。
父ワトソンの死体の隣で、そういう表情を浮かべる男の真実は、一体どこにあるのか。
それを、今後探っていくことになる。
そういう構図を、病床でも抜け目なく睨みつけるアルベールを写して、PART6最初の挨拶は一旦幕、である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
出し抜かれてハイおしまい、じゃ噛ませ犬扱いがすぎるので、ただじゃあ終わらないふてぶてしさを見せてくれたのは、彼のファンとして嬉しい。
最高のタイミングで、横合いから殴り付けて欲しいね
今後話が転がる中で、掘り下げるべき謎、牽引する探偵役の顔を、相棒の忘れ形見を思う当代ホームズの熱量で炙りながら見せる回となりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
己を語らず、どこかニヒルに強敵を見据えているルパンが、謎めいた味わいで大変良い。
まールパンならどんな味でも好きなんだが、この”遠さ”は良いね…。
それを追うホームズが熱くて強く、そんな陽性のヒロイズムで終わらない秘密と影を抱えていることも示されて、今後がとても楽しみになります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
リリィちゃんに感情強いの良いよなー。
ルパンが虚無主義的ないろを強くしているので、対置されるホームズは赤く燃えてたほうが、バランスが良いんだろうな。
人間爆殺どんと来い、冷酷なるレイヴンの謀略もさっぱり謎のままだし、政治的立場の異なるアクターが事件にどう絡んでいくかも楽しみだし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月25日
”ミステリ”を看板に掲げたPART6、魅力的な秘密をエンジンに、なかなかトルクのある滑り出しをしてくれました。
次回からのオムニバスも含め、大変楽しみです!