プロセカイベスト『交わる旋律 灯るぬくもり』を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
とある限定CDを巡って、一歌と奏の運命が遂に交錯する。
微かに弾けた縁の火花を、確かな灯火に変えていく人々の触れ合い。
歌が人を繋ぎ、出会いが歌を生み出すのならば、凍りついた心もまた、温もりの中に溶けていけるのか。
そんな感じの約八ヶ月ッ! 春の出会いは幻ではなかった!! 髪カプ民大歓喜の一歌&奏のコンタクトエピソード…であり、まふゆにデカい稲妻が落ちる回でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
今まで蒔いていた種が一気に発芽し、秋の終わりの収穫祭という様相であったな。今宵は目出度き日にござる…。
話としてはクラス委員繋がりで一歌とコンタクトしたまふゆが、何気ない思いやりで縁を繋ぎ、運命がどんどん膨らんでって直接の面通しまで行くという、不思議な人間関係のお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
奏お世話係であるほなちゃんとの縁もしっかり回収し、青春の明暗分かれるユニットが、ガッチリ接合された。
色々見どころのあるエピソードだったが、縁を繋いでいく当人があんま大したことやってないと、謙遜…でもなく、自分の偉さを自覚してない感じで立ち回っているのが、とても面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
まふゆは自分の中にある喜びや哀しみが、いつの間にか見えなくなっている子だ。
それが死にたい消えたい以外ない心持ちに繋がってもいたのだが、自分でもよく分からない感情がニーゴにセカイに踏み込まれて以来再生しつつあり、自身その正体を知りたがっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
そこには喜びや怒り以外に、優しさもあったんだなぁと、今回よく判る。
一歌との縁を奏に届けたのは、まふゆ(に見えてる範囲)にとっては小さなことで、しかし奏にとってはとても大きく、嬉しいこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
そうやって真心をリレーする大事さを、今回奏はちゃんと言葉にして伝えて、そのことがまふゆの氷を少し砕く。
小さな優しさがくるくる巡り、なにか大きなものを動かす予兆
ニアミスを繰り返していた一歌と奏が、自分たちが既に出会っていたこと、お互い歌を届けていたことを確認するシーンにも、そういううねりが強くあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
凄いスピードで出会いを回収していく場面には、圧倒的な運命力があって良かった。き、キテる…。
”Knock the Future”で描かれた、形式から実態にたどり着いていく一歌の音楽スタイル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
才能と経験で曲想を磨いていく奏のそれとの違いが描かれていたのも、スタイルが異なる2ユニットが接触する話として、大変良かった。
独自の音楽性を捕まえつつある存在が出会うなら、違いは当然気になるだろう。
その上でニーゴが持ってる世界観や実力を、レオニメンバーがちゃんとリスペクトできてる描写があって、とても良いなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
活動の現場、目指すべきもの、語りたいメッセージ。
それが違っていたとしても、音楽は音楽。
響き合うものには、敬意を持っていて欲しい。
ある意味異業種コミュニケーションにもなる今回、『もっといい曲を作る』貪欲さが、柔らかな出会いの喜びと同居して、混ざりあって、両方を高めている描写が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
今回一歌と語らうことで、奏は楽しかった過去を思い出す。
救うために張り詰め続けた今ではなく、友達と唯笑い合えた昨日。
かつてあったものを取り戻すたびに、奏の音楽と人格が一歩先に進むことは、例えば”カーネーション・リコレクション”で既に描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
これはまふゆにも共通で、彼女たちが未来に進む足取りには、失われ見失っていたものを取り戻す後ろ向きが、常時付きまとう。
今回ミクに背中を押され、不定形の感触に惹かれて進みだした場所でまふゆが溶かし出したのは、多分ずっと彼女の中にあったもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
同時に母から手渡された、(悲しいことに善意の)毒りんごで凍結され、殺されていたものなのだ。
そうして己を編み直す過程として、また結実した表現として。
まふゆの詩はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
一歌の真っ直ぐな表現力に憧れを抱き、『何も言っていない』と、オートマティックな評価を下す自分の言葉。
しかしそれは、ニーゴの歌を聞いた一歌と穂波の心を動かしている。
表現者が何を表現しているかは、その源泉たる作者の側ではなく。
それを投げつけられて、自分の心のキャンバスに広げた視聴者の側にこそ、あるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
そんな風に反射されたものでようやく、自分の内側に何があるのか、不鮮明なものが見えてくるってことも、またあるだろう。
そうしたいから、まふゆは詩を作り、発表し続けているのかも知れない。
奏と一歌が”表現”という行為に持ってる温度差みたいなのも、結構面白くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
一歌が恥じらうルーズリーフを、奏は堂々と見て、敬意を持って正当に評価する。
自分たちが歌を作り、世に問うていることを隠しもしない。それは、恥ずかしいことではけしてないのだ。
レオニもプロを目指す姿勢を、ちょっと等身大にはにかみながらも、隠すことはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
やりたいことが見えたなら、それを隠さなくても良いよ。
このアプリに展開されている”セカイ”は、ずっとそう告げている。
そういう、広い場所に何かを語ることへの野心が、この作品の好きな所である。
社会との接点をなかなか持ちにくい奏が、自分の特性を理解してほなちゃんに補助を頼みつつ、変化の可能性に向けて積極的に外に出ている姿も、また印象的だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
セカイで、あるいはナイトコードで、仲間と出会いぶつかる日々の中、奏の生き方もまた変化している。あるいは、何かを再生させている。
僕はニーゴの子たちが”普通の”生き方なんかする必要は欠片もないと思うし、過剰に肥大化した”普通”にまふゆが押し潰され殺されかけた以上、それを切開し突破する役割を、あの子達がある程度以上背負っているとも思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
同時に、”普通”に近づくことでより自由に、自分らしくなれるなら…
そうすればいいと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
だから、今回奏が凄く積極的に縁を引っ掴んで自分の側に引き寄せ、ここから更に続いていく出会いに飛び込んだのは、とても良いなぁ、と思った。
自分の弱さとか至らなさとか、自覚した上で頼れる他人がいてくれるの、在り方としてつええと思う。ほなちゃん、功徳やで…
一歌も『ミクトモ欲しい~~~~』つう願望をむき出しに、音楽を通じて刺激をもらえる新しい友達に、積極的に手を伸ばしていて眩しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
ユニスト時の引っ込み思案な自己防衛を思うと、幼馴染との時間を動かし直したの、ホントデカかったんだな…。
青春の水面に意を決して運命を投げ込み、生まれた波紋が響き合って自分を、セカイを変えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
そういう物語を数多編んでいるプロセカが、また一つ大きな波を生み出した。
そんなエピソードでした。
開始(はじま)っちまうな…黒と白の英雄詩(エロイカ)が…。
セカイ住人の出番は少なめでしたが、”誰もいないセカイ”に一人始まったミクが、大事な友だちが進み出す背中を優しく押してる小さな描写が、強く胸に迫りもしました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
セカイの主が変化しているように、その住人もどんどん変わって、その再生が混ざりあって、お互いをミライに進めていくのだ。
あと”ニーゴのまふゆ”と”学校の朝比奈先輩”の間に堅牢な線が引かれつつ、ニーゴの存在が知られたことで殻の奥のものをニーゴ以外にも解ってもらえる布石が、しっかり打たれてたのも気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
母に押し付けられた、窮屈な仮面を引っ剥がす律動は、己の内側から、繋がった外側から生まれつつある。
この運命の出会い、寒い季節に炸裂する火花も印象的でしたが、こっから何が動き出しちまうのかがもっと気になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月30日
そんな、とても良いハジメテノオトでした。
一まふの線が一気に太くなったので、こっからガッてクるのかどうかも、大変気になりますね。