最果てのパラディンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
壊滅した植民市を立て直すべく、港町ホワイトセールを目指すウィルとメネル。
その道すがら、獣に襲われていた吟遊詩人ビーと行商人トニオを助ける。
袖すり合うも他生の縁、仕事を探り合う中で聞こえてくる、懐かしい歌。
父母よ、偉大な師よ。
勲しは、今もここに…。
そんな感じの新章開幕、パーティメンバー次々登場の第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
遺跡都市から最果ての植民市、港町に北の大陸と、だんだん作品世界が広がっていく感覚がなかなかに楽しい。
初期情報は絞りつつ、キャラと世界が肌に馴染んだあたりでグンと視界が広がるの、いいペースの語り口だなと思う。
色々世界設定も語られるエピソードだが、物語の舞台が、デーモンと人間が互いの欲をぶつかり合わせるホットスポットだということが、地理と歴史から解ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
悪魔殺しの英雄を親に持ち、自身”よく生きる”ことを宿願と立てたウィルにとって、そういう場所には体重がよく乗るだろう。
人類の生存領域を増やし、活気ある商売が可能な安全を確保する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
俗欲に塗れた人々の潮と、清廉なる聖騎士が果たしたい願いが上手く重なる場所。
自分のやりたいように善を為すことが、結果として人を助け、感謝され、名声と栄誉を連れてくるようなセッティング。
邪悪なる悪魔に追い立てられ、雪辱を誓う人間勢力にはレコンキスタ時代のイベリアの香りもあり、なるほど聖騎士の物語である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
人間の生臭い所をコスる、商業と政治が冒険の真ん中にある話なので、こういう感じで世界の分解能が上がるのはありがたい。
ウィルのぽややーっとした部分を、道連れとなったメネルがしっかり補い、鷹の目で周囲の状況、行き合った人のニンを睨みつけているのも、いいコンビだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
一見朗らかに壁なく対応しているように見えて、ビーとトニオがどういう人間で、何を望んでいるかを慎重に探る。
生き馬の目を抜くフロンティアで生き延びてきたメネルの生き方…遺跡の外のスタンダードが、良く見える回でもあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
こうやって世界がよく見えればこそ、『これしかない』と思いつめて野盗に落ちかけ、ウィルの甘っちょろい人道に引っ張り上げられたのだなぁ…奇縁よね。
さて、そんな二人が巨大ゴリラから助けた凸凹コンビ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
野猿がデカいつづらを引っ張る横で、合法ロリがわーわーうるせぇ絵面、ノンキですげぇ良かった。
ドラミングはパームでやるもんだが、ゴリラに似てるジャイアントエイプは、僕らの知る大猩々とは違う生態を持っているのだろう…(ゴリラガチ勢)
ウィルは朴訥でメネルは怜悧と、メイン二人がダンマリがちなので、ビーがとにかくうるせぇ(そして可愛い)のはバランスとしてとても良いと思おう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
何かと若いパーティーなので、後ろでどっしり控え、なんとなれば年長者の知恵を出してくれそうなトニオさんのキャラ付も、しっくり馴染む。
何しろウィルが万夫不当の超久英雄なので、バトルよりそれ以外の部分に長所があったほうが、お互いを引き立てるだろうしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
キャラは出来ることと出来ないことの複合体だが、冒頭のVSゴリラで”出来ないこと”を、後のお商売と英雄し、麦畑の問いかけで”出来ること”を見せる今回、良い新キャラ紹介だ。
ビーは客引きのためだけに吟遊詩人をやっているわけではなく、ともすれば忘れられる偉大なる人々の歴史に、血を通わす文化を担っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
それは英雄を墓場に押し込めるのではなく、より良く人々の中で活かす御業である。
ここら辺、ちとグレイスフィールの加護に繋がる部分もあるわな。
生前のブラッド達が、流れの英雄として苦難に喘ぐ人を助け、未来に繋がるお人好しをやってのける姿は、治療でカネを受け取らないウィルと通じるものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
運命に流れて掴んだ二度目の生を、より良いものにするべく人と触れ合う。
目の前の悪事に、迷わず身を投げる。
そういう姿勢が時を超え死を超越して、英雄の愛児を助けそうでも在る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
北の大陸で、賢者真実の名前を待つハーフエルフの老母。
ビーの英雄詩を聞き届けたことで、ウィルの成り上がり街道重大イベントが、ピコンとフラグ立てる音なってたもんな。
さぁ、海を渡ってジジイの遺産をゲットだぜッ!
ウィルは何かと己の英雄的出自を隠すので、余人が知るはずもないガスの真の名を、巨万の富の鍵と告げる時こそ、その奇異にして高潔なる育ちを世に問うタイミングなのかなー、と思ったりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
まぁアニメの残り時間的に、ホワイトセールの冒険を越えたあたりでひとまず幕かな、って感じはするけど
先読みはさておき、歌えないトニオさんも行商人としての職業倫理、欲の色で人間を見抜く目の良さは確かなようで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
誰かが必要とするものを見抜き、それに答えて己も利を得る。
ウィルの清廉潔白とはまた違うが、それもまた人の持つ善行、一つの形である。
殺してでも守る、メネルの生き方もね。
運命に導かれパーティーになっていく仲間の、霊の芯がそれぞれ違う色をしていて、だからこそ相補い、影響し合いながら変わっていける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
『凸凹な個性が寄り集まって何事かを為していく物語では、とても大事な部分をちゃんとやるぞ!』というメッセージが、麦畑の語らいに滲んでいたのは良かった。
相手の魂を見抜けてしまう視力は、このフロンティアでは秘すればこそ生きる切り札であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
しかしトニオさんは自分だけ相手を知ってる優位に身を隠すのではなく、『私はお前を知っている』と誠実に告げた上で、単に観察しただけでは見えないものを直接、ウィルから聞き届けようとする。
その行いは彼が、その赤心に嘘をつけない率直な人物だと告げている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
聖騎士を主役とするのお話、かなり倫理的に進んでいくお話なので、仲間の魂が(それぞれの色合いで)清いのは大事だと思うんよね。
そういう部分においても、旅路の風景に証を立てるエピソードであろう。
とにかく喧しく楽しく、歌に思いを乗せて元気に進むビーも、魂に濁りはなさそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
俺は気持ちのいい奴らが困難を共にし、魂の地金を輝かせながら事を成し遂げていく話が好きなので、『そういう奴らだぜ…』とこの出会いのエピソードが教えてくれたのは、なかなかありがたい。
トニオさんの真摯な問いを受けて、ウィルもまた願いがないからこそ人とのふれあいの中、願いを見つけたい願いを語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
人里離れた伝説の廃墟で育った彼は、仲間が取り囲まれてる世知辛い現実より、詩に綴られる100年前の功しのほうが馴染みがあんだよなぁ…。
祈ればパンは食えるし、ある意味フィクションの存在が三次元に飛び出しちゃったような、浮遊する頼りなさがどっかに在る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
ここに現実的な楔を打ち込み、他でもないウィリアム・マリーブラッドとしての願いを打ち立てるべく、挑むのが政治と経済…って話に、最後の語りからなりそうね。
善王が崩御し、荒れる宮廷の政治。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
英明なる王弟がギリギリ王国を支える中、長命種であるメネルは先王と縁がありそうで、そもそも危険極まるフロンティア、人間同士チャンバラしてる場合じゃない。
村の復興物資も買わなきゃいけんし、道連れの仕事は商売することだ。
欲目と信念が渦を巻き、握手したもう片方で財布と命を狙うような場所で、生来のお人好し共は信念を貫けるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
生まれていく出会いを善縁に繋ぎ、自分大事の我欲ではなく誰かへの祈りを、より大きなものへと繋ぎうるのか。
死の床で『よく生きた』と、満足するための歩みは続く。
場が荒れてたほうが、英傑が名を挙げ世に出る説得力はあるもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
白帆に吹き付ける騒乱の予兆は、果たして追い風向かい風。
愉快な仲間を道中に加え、ウィルの英雄詩はさらなる盛り上がりを見せそうです。
次回も楽しみですね。
あ、鍛錬するウィルの槍を、一目でドワーフ造りの業物と見抜くシーン、トニオさんが”行商人”判定に成功してキャラ立てた感じがあって、凄く良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月4日
武器も握れぬ非力な男だが、見抜く目は鋭く、しかし優しさ甘さ故にそれが鈍るときもある。
そう描写の連なりで判るのは、凄く良かった。