最果てのパラディンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
騎士叙勲を受け、堂々とビーストウッズの開拓に勤しむウィル。
活性化する経済と、復興していく人間らしい暮らし。
しかし平穏は続かず、探索の果てにメネルが重傷を負う。
超常の力は、果たして少年を孤独に追い込むのか!?
そんな感じの最終話一個前、ガッツリ下げてく最果てのパラディン第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
アニメラスト直前がこの展開になるの、スゲー面白いな、と思って。
今回ウィルを刺した問題って、彼が『よく生き直す』ことを目指す転生者であり、超級英雄に育てられたチート主人公だからこそ、生まれる刃だ。
ウィルは特別な両親に育てられ、伝説級の特別な力を手に入れて、人間社会に漕ぎ出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
生き馬の目を抜く辺境を丸く収めたのも、ワイバーン殺しの英名も、土台には圧倒的な力がある。
それはこれまでウィルに都合のいい成功を与えてきたが、今回の敗走でその負の側面に打ちのめされることになる。
これは『最強チートで超絶無双』つう、””付きの”なろう”なお話にカウンターを当てる形(に、ジャンルに詳しくない自分としては思える)だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
卓越しすぎた力は、人の和の中で人としていきたい願いを持つ青年には、時に枷ともなりうる。
その危うさを知った上で、『よく生きる』ためにどう使うか。
一人駆け出したウィルに仲間たちは、その方策を教えなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
どれだけクソチートでもたった一人では成し遂げ得ないことを、足りない部分もある人間だからこそ伝えなければいけない。
絆と連帯。
これは非常にベーシックな、『よく生きる』上での最上課題だ。
次週どういう展開になるかは読みきれないけど、卓越した暴力だけでは成し遂げ得ない事を目指してる主役に、一番大事な力が授けられるのは、多分間違いがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
そういうエピソードが最後に来ること…そのための助走をしっかり今回付けたのは、凄く良かったと思う。
前半はトントン拍子に状況が転がり、ホワイトセイル実力者の助けもあって、開拓地には人の営みが満ちていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
安全、交流、円滑な経済と適切な治療。
殺し奪う以外の道がこの辺境に生まれるように、ウィルも仲間も健気に頑張る。
バトルなしの内政パート、見てるの面白いなぁやっぱ。
ここが円滑に進むよう、経済担当のトニオさんと広報担当のビィがPTメンバーなの、作品の視野を物語ってる感じで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
ウィルは怪物殺しの勇名だけでなく、問題を公平に調停するという評判、その側に行けば安全と安心を分配されるという信頼によって、行動の足場を固めていく。
それには富を適切に流通させ、人間が人間らしく生きられる余裕を拡大していく生活基盤が必要だし、”評判”という不定形の力を制御するメディアが必要になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
怪物を直接殺すには役に立たないが、ウィルの願いには必要不可欠な、社会的クラスの達人二人。
何度見ても面白い配役だ。
彼ら二人が戦場に関わらない日常担当というわけではなく、一大事が起これば嵐を越えて直接顔を見に来るフィジカルを有しているのも、PTの絆を感じさせて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
武器をとって闘うことだけが、戦士の絆ではない。
無論それも、人の絆を育むわけだが。
そんな感じでいい塩梅…と思ってたら、メネルとウィルが急にイチャ♡イチャしだして、特大の死亡フラグがおっ立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
やべーぞ! って思ってたら魔獣の奇襲にメコメコにされて、忌み嫌っていた邪剣をぶん回し、劇場に駆られた獣として場を切り抜けることに。
メネル負傷に動揺して、雷撃の呪文をシクる所が、ウィルの人間的な未熟、暴力の危うさを語っていて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
剣をより良く振るうために必要なのは、死地においても揺るがぬ心と、それが突き刺さる先を見据える冷静さ。
ブラッドの魂に宿ったものが、彼の息子にはまだ足りなかった。
しかしなりふり構わず大暴れし、仲間を助けたウィルの奮戦は讃えられても、なじられるべきではないはずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
ウィルは『上手くいかなかった、どこかに穴がある…』と考えるが、それは人生二度目の離人感…どこか”今”を他人事で捉えてしまう、転生者特有の思考なのではないか。
ここら辺、レイストフさんと荒くれ仲間達と面白い対比で、彼らは寡黙に為すべきことを為し、死ぬべき場所で死ぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
命を投げ捨てた本物の冒険者として、死ぬも生きるも賽の目次第。
笑って仲間に最後の酒を振る舞うその在り方には、カラッと心地よい風を感じる。
生きる上で理不尽は常に襲いかかり、跳ね除けられない障害はいつでも襲ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
それを完璧に跳ね除けられるという傲慢を、たった一度の生を駆け抜けている辺境の冒険者たちは、けして持ち得ないのだろう。
目の前に広がるのは、凶暴な自然と悪魔の領域。勝ち切るのは難しい。
それでも一瞬一瞬、悔いのないように命を燃やし、為すべきこと、やりたいと思えたことに身を投げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
そういう心地よい捨身の思いが、ウィルには遠い。
一つには、神なる存在に誓いを立て、その責務に背中を押されて突き進む立場もあろう。
いつでも”やるべきこと”が、ウィルには付きまとうのだ。
同時にチート主人公としての圧倒的な実績、常人にはこなせない難事を余裕で超えれる実感が、世間並みの生き方を遠ざけるのも大きいだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
自身悲しく思い返していたように、超越的な力は周囲を巻き込み、過大な目標に対峙させる。
俺つえーし、高レベルミッションも余裕だろ!!
…というゲーム脳は、ウィルくんにはないんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
しかしその後悔には、死ぬと解って戦列に加わった者たち、危険に怯まず隣に並んだ勇者への敬意が、どうにも欠けているように思う。
これは傷ついてほしくない優しさと裏腹なので、一概に責められないけど。
ある意味勝手に、あるいは自分なりの願いを込めて、今回死に、傷を追った者たちは過酷な戦いに身を投げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
それはウィルが始めたことかも知れないが、巻き込まれただけの立場と断じるのは、彼らの意思を蔑ろにしすぎだろう。
死地に赴いて、特に感慨なし。
そのくらいの腹は、先発隊にも決まっていた
偉大なる死者に育まれ、神話的闘いをその冒険の始まりに刻んだウィルは、人間が人間であるがゆえの魂の力、不完全だからこそ相手を認め頼る連帯の意味が、身にしみていない感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
たった一人、全てを救おうとする過大の裏には、生き直してなお生ききれない遠さが、寂しく匂う。
そこに全力でビンタぶち込んで『俺だってお前の隣りにいるだろうよッ!』と教えてやるのは、仲間の仕事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
父母が伝説のパーティーとして育んだ、憧れの絆。
それに負けない…でも同じではない”今”を、他でもない自分こそが掴み取っている実感。
それを総身に満たさないと、今回の”失敗”からウィルは立ち直れないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
ある意味今の彼は、その名前に祈られた”意思”を捻じ曲げ、よくない決意に固まりかけている状態だ。
ときに上手くいかない運命も、各々の弱さ至らなさも、全て抱きしめて前に進む不屈の闘志。
それは戦闘だけではなく、信仰や経済、楽しく笑って真っ直ぐ進む日々の中でこそ、磨き上げられる刃だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
そんな意思の剣を研ぎ澄ます砥石は、既にウィルの隣りにある。
その事を、果たして聖騎士は思い出せるのか。
いい塩梅に、転生チート主人公をぶっ叩く土台が整った。
僕はこのお話の古臭い部分…内省的で視野が広い所が好きなので、そこに立ち返り踏み込んで終わるのは凄く良いな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
与えられた特別な立場と力を、どう世界に活かすのか。
自分はどんな存在でありたいのか。
そんなオールドスクールな問題を、常にとい続ける英雄物語。
それがひとまずの落着に向けて、どんなお話を紡いでいくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
次回最終回、大変楽しみです。
大打撃を与えたキマイラが逃げおおせているので、バトルの盛り上がりも期待できそうなのが、良い整え方よね。
やっぱ最後は、友情とチートの合体秘技でフィニッシュだッ!!
あ、衝突前の睨み合いにバフ山盛りして戦闘に挑むの、ファンタジーTRPGの美味しい前菜たっぷり食べれる描写で凄く良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月26日
やっぱマジカルドーピングされたフルスペックの戦士たちが、バッコンバッコン生きる死ぬかする場面は最高に滾る。
あスンマセン、レジストミスったんでヒールください。
追記 銭ゲバ戦で勝てない超感動作に、そこまで高値がつかないのが女児アニ。
プリマジ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
今回…ていうか第1クール全体、ガチガチの商業主義で縛られた”戦場”たる女児アニのオーダーにしっかり応えて、”ウリ”のコーデ絶対欲しくなるよう最高のピークを作った上で完璧なドラマを仕上げたの、作劇技術の大伽藍って感じするな…。
いや絶対欲しいでしょ、あの流れでのレアコーデ。
”作品”って必ず同時に”商品”にもなるので、このギャップをどう越えるか、繋ぎ目を消すか異物感を堂々盛り込むかてのは、作品ごと製作者ごと答えのあるもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
どんな時でも悩みの種であり、だからこそ腕のふるいどころなんだろうなー、ということを、復活ステージの異様なアガりかたを見ながら思った