ヴァニタスの手記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
寒さと毒で弱ったヴァニタスに、ジャンヌは己の体温を、その素肌で分け与える。
語られる、”処刑人”と魔女の過去。
一方ノエは拐われた魔女の居城で、狂気の影と出会う。
白銀のジェヴォーダンに埋もれた、旧き因縁と思惑。
それは静かに、雪解けの時を待っていた。
そんな感じのえっち満載! 超☆頬赤らめ祭り開催ッ! な、ヴァニタスアニメ第14話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
前回激しく動いた状況を一旦落ち着かせつつ、ジャンヌとクロエの過去を描き、魔女の現状をさらわれたノエが暴く…という感じの作り。
鎖骨見せまくり柔肌暴きまくりの、肉感満載なエロティックがいい感じだ。
開幕強火の雪山裸身抱き合いシチュエーションを叩きつけられ、『Twitterで見たッ! ”ヴァニジャンが雪山で抱き合う漫画(1/3)”ってタイトル付けられてるやつ!!』と、存在しない記憶を生み出したりもしたが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
デートの時の乙女回路を置き去りに、命がかかるとテキパキ必要なことをやれるジャンヌ。
普段とは攻守逆転する面白さもあったし、”処刑人”になりきれない人の良さが、弱ったヴァニタスを鏡に照らされた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
そういう彼女だから、姉と慕ったクロエの始末に未練を残し、この雪深い場所までやってきた、と。
ヴァニタスが手玉に取る”いつもの二人”だと、そういう部分見えにくからな…。
毒と寒気を抜いて命を繋いだあとに、己の破廉恥にガンガン思い悩む所とか、相変わらず可愛く気高い人であるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
ヴァニタスは『殺すと救うで敵同士』とか言ってたけども、ジャンヌも助けるべきを助けたい”医師”の気持ちはあって、似た者同士だと思うのよね…。
なのでひねくれ者が弱って暗いことを言うと、命の糧を口づけで与えたりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
鮮烈なキスシーンを、あえて引いてシルエットと暖炉の音で魅せる演出は、とても作品らしかった。
柔肌の触れ合い、上気する体温、触れ合う唇。
(画像は"ヴァニタスの手記"第14話より引用) pic.twitter.com/qtWH5tZVAx
二人を繋ぐものはエロティックでロマンティックだが、性愛の戯れの甘やかさよりも、もうちょい切実なモノがたどり続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
お互い傷つきながら生きていく上で、肩を貸し背中に庇うような、戦友のような恋人のような距離感。
ジャンヌが翻弄されるばかりの手弱女ではないと、よく告げる絵でもある。
可憐なジャンヌがヴァニタスの手綱を握れるのは、傷と寒さが生んだ特別なシチュエーションだけで、夜が明ければ真っ赤に身悶え、本心見せないひねくれ者に、また翻弄されるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
しかしヴァニタスも体と心に傷を追い、その裸身を見せていい相手として、ジャンヌを認めてもいる。
普段張り巡らせてる(そしてダンテに見透かされてる)防壁が、弱ったことで削れて柔らかな中身が見えた、という所か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
ノエ助けに行くにもツンデレな言い訳しなきゃいけない所に、ヴァニタスの面倒くささが溢れてて、大変良い。
ダンテもそういう柔らかさ、ナイフ付きつけられてなお、よく見てるよね…
ヴァニタスの武器が両刃のナイフなの、彼の殺意と危うさがよく現れて、好きな表現である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
生活の道具としてナイフを使うなら、安全な片刃が普通なわけで。
自分も傷つけかねない諸刃の剣を、握らないと生きていけない人なんだな、と感じた。
それを武装解除できる特権が、ジャンヌにある…のか?
それを確認するには、もうちょい話が転がる必要がありそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
今まで攻められっぱなしだった恋のゲームに、なかなかいい感じに逆転キメたこの小休止。
面白い転換点になってくれると良いなー、という感じ。
擦れてるくせに純情なのが、このお話の恋模様の好きな所だ。
ジャンヌにとってヴァニタスの存在は闇の中のかすかな光であり、それを思わず追い求めてしまうものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
一方魔女の城に囚われたノエは、ジャンヌが身を置く小屋よりも暗い場所から漏れる光に誘われ、異形に出会う。
(画像は"ヴァニタスの手記"第14話より引用) pic.twitter.com/9067HVuL4P
吹雪の二人のように人間味のあるラブ・コメディを演じていたクロエが、見た目そのままの姫君ではなく、狂気と通じる魔女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
そんな事を、古き友人と同じシチュエーションを生かすことで対比し、強調する巧い演出である。
ジャンヌもノエも、闇を切り裂く光に惹かれ、思わず覗き込む。
しかしその先にあるのは真逆の希望と危機…に見えるものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
シャルラタンの黒い影、ネーニアと親しく語らう、異形頭を率いる魔女。
ノエの血を淫蕩に求めた彼女が、今見えている形の通りなのか?
そこら辺、城に囚われた褐色のヒロインが、今後探る所か。
開示されている情報はクロエが”獣”であり、事件の中心にある呪われた魔女だと告げている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
ただジェヴォーダンの事件は始まったばかりであり、その真相を追う探偵小説的プロットがエピソードを支える以上、この段階で見えるものは幻影…あるいは疑似餌だと考えたくもなる。
今回ジャンヌの過去語りで、彼女がルスヴン卿を超える永生者であり、人間世界に秘されて生きていたことが解った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
彼女が貴種足り得るのは”家”があるからだが、忠誠を捧げるジャン・ジャックと、シャルラタンの黒い影以外、魔女の城にはいない。
さて、ダブシェ侯爵家に何が起こったのか?
そこら辺が次に追うべきミステリであり、クロエとネーニアの関係を探るヒントになるかなぁ…という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
”獣”=クロエはあまりにあからさまに強調されすぎているので、おそらくミスリードで別人…おそらくジャン・ジャックが”獣”なんだとは思うが。
そうなると、従僕の人柄も、主との絆も知りたいね。
という感じの、動き出した状況を掘り下げ、新たなヒントと謎を描くエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
新事実もどんどんでてくるので、全体像を掴むにはまだまだ…って感じではあるが、色んなものが見えてきて面白かった。
雪山に暴かれるジャンヌの意外な強さとか、ヴァニタスの彼女への(分かりにくい)親愛とかね。
あんだけズタズタにされた人間なので、どんだけ弱っていてもなかなか、他人に自分を見せず預けない性格だと思うのよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
それが肌を合わせ傷を見せ、うわ言に過去を聞かれるのを許すってのは、まー相当ジャンヌ好きでしょ、ヴァニタスくん。
荒れ果てた復讐者の顔が濃いので、そういう潤い感じると嬉しい
こういう湿り気はノエとも共有する所なんだが、ジャンヌとの繋がりは色恋の熱量が赤く宿ってて、また違う味がする。旨い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
色々複雑な過去を抱え、人格がネジ曲がった傷追い人達が織りなす関係性の網目を、楽しみに見てる作品でもあるわな。
さて、白銀のジェヴォーダンに未だ、謎は踊る。次回も楽しみ
追記 正常位じゃイケない世紀末的倒錯が、文化表象の根っこにあるからこそ、吸血鬼はいつでも古典的でありながら現代的、永生者であり続けるのだ。
しっかしオーソドックスに裸身を重ねるときは、『セックスなんぞしてる場合じゃねぇ!』と救命行為の色が濃くて、着衣を残した吸血行為にこそ欲望と情念が宿るの、正しくヴァンパイア的倒錯って感じで素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月21日
こういう形に捻れたリビドーを、メインエンジンに動くのが正統な吸血鬼物語だと思うね