その着せ替え人形は恋をする を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
二週間。
洋裁初心者の新菜に突きつけられた制作リミットは、あまりに厳しいものだった。
祖父の事故対応、試験勉強、工房見学…。
人形師見習いの精神は、崖っぷちに追い込まれていく。
果たして海夢ちゃん憧れの一着は、無事完成するのか!?
そんな感じのコスプレ初挑戦、待ち構えるデスマーチな着せ恋第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
何かと一人で背負い込みすぎる五条くんと、行動力に溢れつつ大雑把な海夢ちゃんそれぞれの気性が、最悪のバッティングをして生まれた地獄絵図…なんだが、ふたりともお互いを責めることはしない。優しい子だよ…。
今回の顛末はお互いをよく知らないがゆえの事故というか、こうして問題点が炸裂したことで、お互いを気づかえるようになる切っ掛けというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
五条くんが抱え込んだ荷物の重さが全部わかるほど完璧ではないが、それを一人背負わせてしまったことには涙ながらに謝る。
海夢ちゃんは、そういう少女である
そして五条くんは積み上がるタスクにベコベコに追い込まれつつも、じいちゃんとの思い出、自分の中の”好き”を支えに、一人でやりきってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
陰気で軟弱に見えて、芯が強く腕のある少年なのだ。
そんな二人の肖像が、より解像度を上げて見えてくる回と言える。
”ワンダーエッグプライオリティ”でも冴えた仕事してた小室裕一郎のコンテ・演出で送る今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
五条くんを取り巻く状況は周囲のラインティングに反射し、メンタルのヤバさが光を通じてよく分かる。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第4話から引用) pic.twitter.com/e9vYJgMpxB
運命共同体の二人が追い込まれた、明るい学園生活の中の影。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
ここから夕日の赤信号が灯り、真っ黒悩みに一人涙し、しかし微かな明かりを頼りに歯を食いしばって、衣装を仕上げていく。
迷いあり涙ありな五条くんの職人根性、青年としての気持ちが、よく伝わる画作りである。
今回は実際に手を動かしての衣装製作で、彼がどれだけ職人として優れているかを、絵で見せるエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
作品の強みである繊細な表現力はそこでも元気で、ハサミを扱う指先のクローズアップ、布地が衣装になっていく過程の細やかな描画が、五条くんの踏ん張りに説得力を与えていた。
現実そのままをリアルに切り取るよりも、もう少しフォトジェニックに画面映えを盛った画作りは、『こんな男女どこにもいねぇ~でもどっかにいて欲しい~~』と思いたくなる、ファンタジックな青春物語にしっかり噛み合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
同時にキャラがそこで頑張ってる手触りは、クッキリと伝わる。いい塩梅
過去のトラウマと家庭環境が合わさって、五条くんは誰かに頼ることが極端に下手な青年である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
だからこそ頼られたのが嬉しくて、ちゃんと確認することもなしに二週間のデスマーチに突っ込む。
無茶なスケジュールに、さらに工房見学もねじ込んでしまう。
それもこれも、誰かの笑顔が好きだから。
純情すぎて損な性格であるが、そういう一本気を逆手には取らない海夢ちゃんと出会えて、本当に良かったな…と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
五条くんをガンガンに追い込みつつ、異常事態にそれとなく気づく目の良さとか、牛丼持って様子見に来る優しさとか、海夢ちゃんの点数下げない配慮が良いよね。
そんな彼女の笑顔に光を見たから、五条くんは心がへし折れそうな暗闇の中でも、投げ出さずに頑張れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
先週も強調されていたが、やっぱ海夢ちゃんとの出会いは”光”として表現されるわけだ。
このイルミナティズム、青春の輝きをヴィジュアルで明瞭にしてて、かなり好きな直球勝負だな…。
海夢ちゃんは五条くんが自分の”好き”のために背負ってくれたものの重さを、ちゃんと理解る事ができる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
だから申し訳無さに泣き、仕上がった夢に瞳を輝かす。
夢に向かって一直線のイノシシ娘だが、誰かの思いを足蹴にする事はしないのだ。
二人の思いが形になった衣装は、お互いを見つめる瞳をより強く開かせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
とても尊敬できる戦友だと、ずっと思ってる。
でも今日はその笑顔が、夢を叶えた輝きが、いつもより眩しく見える。
…やっぱ、誰かが運命に出会い直す瞬間は好きだね。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第4話から引用) pic.twitter.com/52NJXwa406
特別な瞬間、特別な笑顔が大きく開けた瞳を通じて心に突き刺さり、運命の導火線に火がつく瞬間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
”出会い、変わる”物語においてはベタな見せ場と言えるが、そこをしっかり強い絵で持って描ききる背筋力の確かさは、やはりこのアニメの強みである。
描くべきものを、しっかり一個ずつ描く。
五条くんに負けず劣らず、このアニメを作る人々も職人気質なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
作品の設計図に忠実に、狙った情動が生まれるようシーンに間尺をキッチリ合わせて作り上げていく精妙さは、Clover Studioのいいところ出てるなー、って印象。
強い絵を強く使いきる演出プランが、さらに強いんだろうけど。
二週間のデスマーチを乗り越え、成果物をしっかり仕上げて笑顔を作ったことで、五条くんはじいちゃんの言葉を自分に引き寄せ、かけがえのない体験として咀嚼できた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
戦友に報いる仕事が出来て、友情が深まり恋が動き出す。
そんな普通の青年としての喜びに、職人としての大事な一歩が噛み合う。
そういうエピソードだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
やらんでいい頑張りを愚痴るよりも、爽やかに微笑んで夢を手渡してくれる五条くんの良さも、海夢ちゃんと僕らにしっかり届いた。
『そらー、好きになっちゃうよ…』と、ラブコメ展開に強く納得できる話運び、ありがたい限りよ…。
このアニメ、何かと自信がない五条くんが、海夢ちゃんと二人三脚”コスプレ”やっていく中で、自分が自分である柱をおっ立てていく成長物語でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
職人として笑顔の意味を知り、一つ手仕事を成し遂げた実感は、彼の背中を力強く支えてくれるでしょう。
それが一番良かったかな。俺は五条くんが好き
あと”コスプレ”の細かい所をしっかり取材して、『へーそうなんだ!』と納得する楽しさも、毎回元気で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
今回はメイクの細かいテクニックをしっかり入れ込むことで、”コスプレ”が色んな工程のある、難しくて面白い趣味だと伝わってきた。
知らないことに切り込む面白さも、このアニメの大事な要素よね。
採寸から素材の買い込み、裁縫に化粧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
運命の出会いから一つ一つ苦労を重ねて、ついに形になった夢は、真心を宿して眩しい。
二人の初コスプレ、次回はついに撮影本番であります。
こうして第1章の終りが見えてくると、かなりどっしり時間使って話紡いでんだな、とわかる。
衣装着て写真撮ってもらう晴れ舞台だけでなく、その前段階の準備も大変で、また楽しくもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月30日
そういう事もちゃんと伝わるよう、的確に積み上げた物語のフィナーレを、次回どうまとめ上げるか。
大変楽しみです。
自分たちの強みを的確にぶん回してるアニメは、やっぱ見てて楽しいなぁ…。