機動戦士ガンダム 水星の魔女を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
学園という殻の外側で荒れ狂うテロルの只中で、血みどろの生誕を遂げる物語。
ある者は互い知らぬまま親を殺し、ある者は土壇場に追い込まれて親を守り、またある者は親に導かれて殺す。
出口なき愛憎は渦を巻いて、未来は赤い無明の中。
我ら、未だ獄に在り。
そんな感じのこれが”GUNDAM”だッ! 水星の魔女第1クール最終話、とんでもない爆弾投げつけて三ヶ月待ってねッ!! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
素晴らしい…お前らのような鬼畜を待っていた…。
いや実際、大変パワフルなクリフハンガーで、否応なく見るしかねぇ牽引力。背筋クレーン車ッ!(GUNDAMボディビルの掛け声)
まーたっぷりと死んで殺して赤まみれ、なるほどトマトが大事なフェティッシュだったのはこういう…という展開であるが、裏切られた感じはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
あったか楽しい学園生活の奥にはこういう血みどろがあって、その中心にいた水星の魔女は異質な倫理観を持つ怪物…でもあることは、たっぷり描かれてきた。
この鮮紅の臓物が剥き出しにされたからといって、ここまでスレッタ達が歩んできた”人間らしい”学園物語が嘘に消えるわけではないし、その思い出がこの惨劇をかき消してくれるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
暖かく心地よいヒューマニティと、サイボーグと企業が冷たく寸断するリアリティはいつでも隣り合っていて…
互いに否定し侵食し合いながら、世界という砂曼荼羅を儚く、残酷に描き続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
PROLOGUEで示され、それが特別な例外、あるいは嘘であって欲しいと願わされ続けてきた、本編に満ちた心地よき青春。
その覆いを引っ剥がし、キャラにも視聴者にも世界の実相を突きつけるこの最終話。
それは幼年期の終わりであると同時に、この傷(あるいは無垢なる無傷)を開始線にさらなる深みへと踏み出していく物語の、序章でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
アウトロが終わればまたイントロが流れてきて、物語はその形を変えながらとどまることを知らぬまま、奔馬の如く疾走していく。
その情け容赦ない早さが、一体何を突破していくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
ただ衝撃的なだけではなく、先にある景色を強く期待できる、いい折り返しでもあったと思う。
血の匂いがキツい? ほのぼの学園物語を返して?
その祈りが叶うかは、首まで血の池に浸かって走りきった先だわなッ! ナイスガンダム!!
というわけで、超絶クオリティの地獄戦闘が荒れ狂う中、様々な人の運命が揺れる最終回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
プラント・クエタに荒れ狂うテロルは、学園では流れなかった赤い血と銃弾を存分に吐き出し、子供たちには縁遠かったアド・ステラのリアリティを活写していく。
殺し、殺され、まだ続く。
スペーシアンの実戦において、デブリとなりうる実弾兵器がご法度な描写と、アーシアン・テロリストがそれを気に留めない描写が、あの世界に満ちた断絶を強く感じさせてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
”清潔”に殺せる新たな技術に、こだわってらんない地球人の困窮と、なりふりかまわないがゆえの意地。
そもそも条約守って綺麗に殺すなら雇われテロルなんてやらんわけで、学園を包囲してきた企業の繭が、何と擦れあって発火しているかが良くわかる描写だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
ああいう剥き出しの境目に切り裂かれながら、あるいは切り裂きながら、学園の徒弟は決闘ごっこに興じてきた。
学内ベンチャーをぶち上げ、友情を育み、境目を越えた思いで繋がっているのだと思いこんできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
自分たちは清潔で安全で、平和で安泰なのだと思い込めてきた。
そういう時代は、今回のハードコアな修学旅行実地研修で終わりだ。
一足先に”現場”にいたシャディクが、涼しい顔なのは納得。
戦火は強く燃え盛り、電源の落ちたプラントを闇が支配する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
そこに明滅する光は、分断されてきた親子が命がけで繋がり直す現場にも、仲間を守るため裏切りを顕にする一瞬にも、生々しく息づく。
ミオリネはスレッタと引き離され、父と彷徨う
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第12話から引用) pic.twitter.com/r8dg2xX2hA
その周りは闇で覆われているが、自分をかばった父が、気にもかけていないはずの母の名を呼ぶ中で、微かに思いが明滅する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
確かに、そこに光はある。
しかしそれは弱々しく、点いたり消えたり不確かなものだ。
その明滅は、父との間に愛があって欲しいと願えばこそ反発していた、ミオリネの心を顕す。
彼女の同志たる”株式会社ガンダム”の面々も、生きるか死ぬかの地獄絵図に叩き込まれ、平時ではあんなに頼りがいがあったリリッケも、ストレスゆえの過呼吸に陥る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
そんな土壇場を乗り切るべく、ミカは薄汚いスパイの符牒を必死で送信し、自分と仲間の生存を買う。
その瞬きも敵と味方、裏切りと信頼の間で不確かに揺れていて、”光るもの全て金なり”とはいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
しかしこれらの明滅は、いま急に生えてきたわけではない。
差別も衝突も多いけど、確かに実りある青春を描く裏側で、丁寧に積み上げられてきた夢と現実、祈りと呪い。
それらがテロルの激しい圧力によって表にでてきて、次に続く挨拶をしているに過ぎない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
あるいはこういう、のっぴきならない真実を暴くためにこそ、炸裂する暴力の嵐が必要だ…って話なのかもしれない。
お前らが浸り、満たされてきた父への怒り、甘い夢。
その奥にあるものは、こんなにも生臭かった
企業宮廷に君臨するデリングは、揺るがぬ鋼鉄の玉体から赤い血を流し、娘と妻を愛する一人間としての顔を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それは確かにそこにあり続けて、打ち捨てられたと悲しむ娘には届かず、あるいはヴァナディースの虐殺で、企業間の怜悧な闘争で、剥き出しにすれば貫かれていた急所。
血を分けてきた娘だからこそ、その脆さや弱さをこそ共にしたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
ミオリネの願いにそういう、どす赤い願いがあるのだとしたら、彼女は温室で育んできた赤い果実の真なる滋味を、この地獄の中で食んでいることになる。
もっとフツーでマトモな、家族劇を演じたかっただろうけど…まぁガンダムだしねッ!
何もかもがむき出しになる嵐は別の家族でも吹き荒れていて、ジェターク家はパパンが凄腕パイロットだったと解ったり、頭潰された程度では終わらない実戦のなかグエルくんが泣きじゃくったり、死んだり殺したり、もードッタンバッタン大騒ぎ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第12話から引用) pic.twitter.com/aiTRul0YYv
スレッタへの初恋に突き動かされ、父から継承したマチズモの殻、”家”の糸を引きちぎって自立してきたグエルへの通過儀礼が、お互い窮地を脱しようとあがいた挙げ句の親殺しなのは、まースンゴイね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
誰が敵で、何を目的とし、どういう戦いをするか。
学園の中での決闘は戦場の霧を遠くに逃し、制御されたシュミレーションとして機能していた。家と学校から離れて生身の人間として飛び込んだ場所で、グエルは”生”の戦場がどれだけ恐ろしく、何も見えない無明の闇か思い知る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
眼の前にいる相手が敵ではなく、すれ違ってなお解り合いたい身内だと…
それを奪い取れば、もはや戻れぬ罪の印が心に刻まれるのだと、厳しすぎる課外授業はしっかり教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
シャディクの横槍で矛先が歪んだが、もともとこのテロルはヴィムの計画であり、そこに愛息が巻き込まれると全く予想もしないまま、父は己で編んだ悪徳に噛み殺された。
一見被害者のようにみえるけど、ジェタークCEOは爆裂する野心で現状ひっくり返そうと幾度も企んだクソ悪人で、同時に彼なり息子を思っていた優しき父で、その苛烈な成功体験を我が子に押し付け人生を歪ませる、親という重力源でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
人には様々な顔があり、普通はゆっくりその一つ一つと対話する
しかし子供たちを捉える過酷な運命と、そういう余裕を刈り取って効率最重要視に世界を再構築した企業中心社会は、一番厳しい形で”現実”ってのを少年に教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
過剰な父権主義も、燃え盛る野心も、それで他人を踏んでいる思いやりのなさとも、向き合う土台があれば何かを通じ合わせれただろう。
決闘場には在り得なかった無明の闇と、流れて戻らぬ赤い血。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それでも生きたいと、スレッタ・マーキュリーに向き合える自分でいたいと、涙ながら吠えたその思いは、どこに迷っていくのか。
ハッピーバースデー、グエル・ジェターク。
ガンッガンに荷物が増えて、二期に向けて良い船出だなッ!(ヤケ)
そしてもう一組、血みどろの再誕を果たす親子がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
おぞましき光明を背負い、我が子を光の方へと導いていく優しき母。
蛇の仮面の奥、その眼差しが何を見つめ、何を呪うかは未だ、定かではない。
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第12話から引用) pic.twitter.com/cXd6v89ulx
『進めば二つ、逃げれば一つ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
キラキラ前向きなキャッチコピーとして、作品とスレッタの青春を駆動させてきたキーワードが、ここに来て邪悪な反転…あるいは回帰を見せる。
プロスペラを焼き尽くし復讐の魔女に落としたあの虐殺を、再演するかのようなプラント襲撃。
守るためには、殺さねばならない
そんなリアリティを前にして、スレッタの瞳孔は光を喪って暗く迷う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それは死にゆく父を必死に繋ぎ止め、闇の中彷徨っているミオリネと同じ立ち位置なはずで、しかしスレッタは母なる光を疑わず、それに飲み込まれていく。
今までと、全く同じように。
ミオリネが怜悧な父の背中に反発し、地球へと逃げることを心の支えに進んできたのに対し、スレッタは母と心を通じ合わせ、その思いに背中を押されて学園へとやってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
その歩みが確かに交わり、お互いの魂を抱きしめあったと前回描いて…それは万能の解決策にはなり得ない。
おそらくは仕組まれた子供として、地球圏から遠く離れた水星で、母以外の世界を知らぬまま育ったスレッタ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
その無垢なるキャンバスには常に、果たすべきロールモデルとしてプロスペラの姿があった。
お母さんは絶対、お母さんは正しい、お母さんお母さんお母さん…。
その絶対的信頼は、オヤジへの反発で捻くれながら自分なりの人道を切り開いてきたミオリネと真逆だったと、この最終回は描いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
このハンガーにはミオリネを包囲し、グエルを飲み込んだ無明の闇はなく、そこで迷って苦しんで考えて、それでも自分だけの答えを掴んでいく自由の重さはない。
白々しく明るい場所、血塗られた未来から差し出される母の手と言葉を、スレッタは(これまで通り)疑わずに受け取って、闇の中から一歩を踏み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それが救済でも正解でもないことは、見ていれば解るだろう。
だが、確かに光でもある。
そして光は必ずしも、善なるものを意味しない。
GUNDという福音を暴力的に否定され、爆炎の洗礼を受けて生まれた魔女は、楽園を追放された堕天使でもあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
プロスペラは自分の言葉を、おそらく疑わない。
殺して守れるもの、突き進めるもののほうが、それで切り離され永遠に取り戻せなくなっていくものよりも、大きいのだと強く信じる。
それは彼女自身、あのPROLOGUEでその身に刻み込まれ、機械の体になることでしか現世にしがみつけなかった、残酷な真理でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
致命傷を受けて”弱く正しいもの”に見えるデリングこそが、それを主導した呪いの根源だって構図が、まー因業だし皮肉だよ。
罪から逃げられる人間なんぞ何処にもいねーッ!
血みどろの人権闘争を経て、根拠なき当然となってる、自由やら平等やら博愛やら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それが剥奪された世界がどんだけロクでもないかを、キラキラおめめに戻っちゃったスレッタの一歩は良く語ってくれる。
それは高度に暴走した資本主義社会が、行き着く、企業謀略もう一つの顔だ。
中身のない綺麗事を全部投げ捨てて、効率と結果だけを追い求め殺しも当然。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
そんな場所に行き着いた世界の臓物がこの最終回であり、先人たちが必死こいて追い求めてきた”フツー”が剥奪された状況…その申し子がどんな顔をしているかを、この最終回は良く教えてくれる。
学園ドラマの中では微笑ましい成長の種だった、スレッタの純粋無垢な世間とのギャップ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それは母の狂気を疑わず、光に満ちた導きなのだと無批判に受け入れてしまう危うさと、確かに繋がっている。
そういう風に育てられれば、そういう風に育つ。
幼体とは、つくづくそういう存在である。
かくして踏み出した先にあるものがどんな色か、Cパートはイヤってほど濃厚に刻み込んで物語は、一旦幕を下ろす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
モノトーンの世界の中、ただただ眩しい赤。
それは誰かを守る正しいことなのだから、お母さんがそう言ってたから。
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第12話から引用) pic.twitter.com/kUAmuOUxHJ
少女は微笑みながら血みどろの手を差し出し、花嫁は絶望の表情で真実を告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
人殺し。
全くその通りで、そのシンプルな答えが何を内包しているのか、闇の中答えは見えない。
確かにここで殺さなきゃ、義父も配偶者も喪っていた。
進んで二つ、良い結末じゃあないか。
そんなお為ごかしで消臭できないほどに、叩き潰された人体はおぞましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
機械であり凶器でもあるエアリアルとのリンクが常人離れして高いスレッタの手のひらが、彼女のガンダムと同じ色合いに塗られているのは、正しくサイボーグの表現だなぁ、と思う。
無生物との強いリンク、赤く燃える非人間性。
そのおぞましさは、膝を折って未来を約束するエアリアルで引いた第一話からずっと継続して描かれてきたもので、多分ミオリネが見て見ぬふりを続けてきた影だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
今、それは否応なく暴かれている。
僕らにも、彼女にも。
そうして優しい繭を引っ剥がした世界で、物語は何処へいくのか。
手を差し出してもらうこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
光の中に踏み出すこと。
アニメにおいては一般的な記号操作で、このアニメでも幾度か印象的に使われていた表現が、ここまでおぞましい呪い…そして”現実”なるものの暴露として機能するのは、とても心地よい異化作用だ。
光に見えるものが、全て光ではない。
ならば闇に思えるものが、なにもかも闇というわけではないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
生きるか死ぬかの瀬戸際が、テロルという抗いがたい圧力が、レンブラント親子を固く縛ってきた鎖を外し、お互いの思いを暴き立てたように。
テロリストの銃口を前に、ミオリネは父をかばう。父が、我が子にそうしたように。
そんな”人間らしさ”を打ち砕こうとするテロリストにも故郷があり、それはデリングが玉座に座るスペーシアン・キャピタリズムが踏み荒らした場所なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
赤い絵の具となった凶漢も、誰か愛する人がいるのだろう。
決死の覚悟は、そこから燃えているのかもしれない。
そんな風に愛は殺意となり、祈りは呪いへと紡がれて、物語は終わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
この鮮烈な明暗の先にこそ、まだまだ人生は続いていってしまう。
企業トップが数多く倒れたこのテロルから、不公平で歪な世界はどう揺れていくのか。
親を殺し、あるいは殺戮と裏切りの素顔を知った子どもたちの未来は。
学園の外、確かに息をしていた獣達の荒野へと、どうやら第2クールは加速していきそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
『存在が示されながら未解決だった要素に、全力で頭っから突っ込んでいくぞ!』という決意表明だった今回、個人的には衝撃よりも高揚のほうが大きい。
俺がこのお話に見ていたのは、嘘ではなかった。そんな実感
それとは別に、子どもらも大人達も巻き込んで唸る残酷なミキサーはあまりに残酷で、もーちょいなんとかならんかったか…と思わんでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
まーこういうブッコミを最大限効かせるべく、治安最悪差別学園が遠い楽園に思えるような展開で、物語全体を折り返したんだろうけどね…。
まぁスレッタの気持ち悪さ、その根源たる人類定義を書き換えた水星式の呪いは、それこそPROLOGUEからずっと鳴り響いていたわけで、ようやく主題の一つが顔を得た…ってCパートなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
あの幼き笑顔も、血みどろの殺戮も、あり得ない例外などではない。
魔女の娘の必然だ。
んじゃあ当人がこれこそ幸福な光なのだと疑わない、笑う殺戮者としての人生を『そんなもんよね』と諦めて、お話し終わっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
ミオリネ・レンブラントの物語は、この絶望顔でフィニッシュか。
そうじゃねぇ。
そうじゃねぇから、三ヶ月後にまたこのアニメは始まるんだと、僕は思う。
信じている、でもいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
非常に衝撃的なクリフハンガーになったけども、これまで物語を描いた筆先、子どもたちとこの作品世界を睨む視線を思い出すと、ただの悪趣味なヒキでは終わらない手応えを、僕は感じている。
明滅する黒と白、愛憎入り交じる生臭い赤。
それが確かに”ここ”にあるのだと、示さねば先には進めない物語的必然があるからこそ、このタイミングで真実が弾けたのだと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
そしてこの爆心地から確かに何かが繋がり、変わり果て、あるいは終わっていくのだと、信じたくなる強さと魅力が、このアニメはあるのだと、僕は思う。
高度資本主義社会、あるいは人間定義を書き換えてしまう技術発展。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
僕らを取り巻く”今”の、ほんの少し先にある可能性をポップに楽しく、しかし真摯に物語に編み込んで作られたお話は、明るく楽しい青春物語では終わらない。
確かにそこに在るのだと、ずっと語られてきた残酷と無明。
その手触りを鮮烈に叩きつけて、しかしそれで終わりではないことに、ある種の安堵と興奮を覚えています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
この結節点から物語は否応なく表情を変えて、子どもたちは繭の外に渦を巻く”現実”に侵されながら、苦しみ戦っていくことになると思います。
でもそれは、今までの全部が嘘になるわけじゃない。
少女たちのふれあいも、決闘に軋んだそれぞれの願いも、バカらしくも楽しい学園生活も、確かにそこにあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
それを嘘にしないためには、今回剥き出しにされた闇と血の先にあるものへ、白く折れ曲がった花嫁と、赤く無垢な花婿は突き進んでいくしかない。
さて、どんなお話が待っているのか。
とっても楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
かなり堅実な足取りで走ってる感じと、”今”作品に息吹を与えるために必要なスキャンダルの炸裂が同時に来て、相変わらずつえーな…と思い知らされてるわ。
こんぐらい火力あるネタブッ込んでおかないと、コンテンツ飽和時代に勢い維持するのは大変だしなぁ…。
そういう職人…あるいは商売人的計算高さが、しっかり物語の総体と噛み合って浮かび上がらず、むしろ作品に強いトルクを伝えて加速させてる様子も、俺はこのアニメを好きになって信じられる足場なんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
だからこの第1クール最終回で良かったんだと、僕は思っています。
まーもちろんこの感慨は、後半この勢いと意気込みを失速させず、極めて残酷で醜悪な世界になお主役たちが何かを打ち立てられるのだと、走りきってくれた時本当になるのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
そんな期待を込めて、三ヶ月後の再会を楽しみにしています。
良いアニメでした、お疲れ様、ありがとう!!
追記 清潔で不自由な繭から、汚濁に満ち全てが曝け出されている現実へ。残酷で鮮烈な羽化の物語は続く。
水星の魔女追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
学園に保護されてる地球寮の面々ではなく、地獄にそれでもしがみつかざるをえない魔女が表舞台に立ったことで、”環境破壊”ってネタも話の真ん中に盛り込めるようになったの、つくづく”今”を狙ってるアニメだなーと感じる。
リーチさせなきゃいけない場所考えれば、触んないほうが嘘よね
薬莢一個でギャーギャー騒げる汚染加害者を侮蔑的に睨み、荒れ果てた地球で生きる”生徒”もまたあの時代を生きてる当事者で、しかしその実情は学園にカメラを据えていると見えにくい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年1月8日
血と爆裂が否応なく、そういう実相を暴いた後の二期、どういう手付きでナウいネタいじってくるかは楽しみ。