イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ひろがるスカイ!プリキュア:第7話『ドキドキ!転校生はヒーローガール!!』感想

 ヒーローガール学校へ行く!
 英雄候補生の新たな戦場を描く、ひろプリ第7話である。
 前回お話のテンションとペースを落とし気味にした筆は健在で、異世界人らしい……というかソラ・ハレワタール個人の世間ずれしてない真っ直ぐさが巻き起こす騒動を、等身大の健気さを交えて描いていくお話となった。
 お話が日常レイヤーで展開するなら虹ヶ丘ましろの独壇場といった風情で、自分しか頼るものがないソラちゃんがハチャメチャ暴れ倒すのをニコニコ見守りつつ、勇気を出して世界を広げる様子を手助けしていた。
 友だちが増えていく様子を嬉しがりつつ、一番”深い”絆は桜を通じてガッチリ握り込んで、唯一絶対超特別なポジションを手放さない立ち回りは、どうすれば慕う女が自分にズブズブに為っていくか、”肌”で理解ってる生粋の兵(つわもの)という感じがあり、なかなか趣深い。
 バトルとヒロイズムは百万点だが少女として三点なソラちゃんを、今後も自分の得意領域に引きずり込んでズブズブズブズブのめり込ませて行って欲しいもんだ。

 学校は結構気持ちのいい連中がいる場所で、秘密を抱え空回りするソラちゃんをあざ笑うでなし、真っ直ぐ受け入れてくれて一安心である。
 まープリキュアが生活する大事な舞台が、生っぽいザラつきで満ちたイヤ空間だと一年間付き合えないしな……そういう話も、今後話が転がっていく中で顔を出してくるかもしれないけど。
 全体的にライトでコミカルな感じで、『ひろプリの力まない回は大体こんな感じです!』と挨拶してもらった手応えがあった。
 善良で濁りがないのに人間としてのエンジンが常時フルスロットルすぎて時にから回るソラちゃんと、そこら辺の加減を上手く補助しつつ自分もその真っ直ぐさに影響されていくましろちゃんの学園生活は、賑やかながら優しくて良い感じだ。
 今後人数も増え関係も落ち着き、タガの外れたおバカをブッこんでくる余裕が出てきた時、どんな面白さが出てくるかは楽しみでもある。
 もうちょい、お行儀悪くても良いかな~~……くらいの塩梅。

 

 新生活を控えたこのタイミングで、友達作りにビクビク悩み、都合の良い自分を作って上手いことやろうとする等身大のコスさと、最初で最強のお友達にそんな不安を抱えてもらって、素の自分を出して受け入れてもらう描写が濃かったのは、児童番組が伝えるべきものとがっぷり四つに組んでる感じがあった。
 ひろプリは『お友達を作る、仲良く過ごす、かけがえない発見をする』という、子供の一大事を話のど真ん中に据えて、かなり丁寧に編もうとする姿勢が見えているのが、結構好きなポイントである。
 学校行ってる時のエルちゃんの処遇とか、描写の端っこにあるほつれを丁寧に繕って進めていく姿勢と合わせて、結構独自の手触りで少女たちの生活を掘り下げていく手付きが、だんだん形になってきてる印象。
 同時に丁寧に丁寧に編んでる分、敵役の狙いや世界観の構図を広く切り取る部分はまだおぼろげで、そこら辺を触るタイミングがいつになるかは気になる。
 現状ましろが案内できるご町内での新たな発見と、ソラが立ち向かえる脅威からの学びを描いている画角が、どのくらいのスケールで広がっていくのか。
 今回”学校”という異世界とのファーストコンタクトを描いたのは、そんな広がりを示す第一歩……かもしれない。
 ソラちゃんあらゆるパラメーターが高いので、現実での着地さえ上手く行けば居場所を手に入れ、誰かと何かを生み出していくの、全く難しくないと思うしね。
 今後学校を足場に、ソラちゃんがヒーローじゃない自分と向き合っていく歩みが積み上がっていくと、なかなか面白いと思う。

 

 ソラとましろの世界をかき回し、広げる触媒として新キャラをどう書くかは、次回キュアウィングをどう描くかが一つの試金石になるだろう。
 ”プリキュア”という、少年には向かない職業とされていたモノをメインステージで扱い直すのに、男→女へのトランスフォーメーションを、鳥→人のトランスフォーメーションで包んで、直接的な描写にややクッションをかける……のかな?
 なにしろ新しい試みになるので、実際に描かれてみないと分からない部分が多いけども、『初のメイン男性プリキュア』という看板よりも、ツバサという少年(あるいは存在)がどういう個性と思いを持っているかを、物語の中でしっかり見届けたいものだ。
 まーそう力まんでも、ひろプリなら良いもん描いてくれるかなー、という感じはする。
 人外プリキュアの新たな描き方としても、ソラとましろが新しく出会う友達としても、爽やかで横幅広い描き方がされると良いなと、大変期待しています。
 次回も楽しみですね!