ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOPを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
ナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオー。
三強が頂点を目指すクラシック戦線を、CygamesPicturesが手ずからアニメ化。
制作会社と全体的なテイストは変わりつつ、芯に宿る熱量はより強く燃えていた。
全4話というコンパクトな作り、どういうスタートを切ってくるかと身構えていたが、三強それぞれの負けられれない理由と、勝利を祈る人達の姿が手際よく、印象的に描かれていて、全体的な見取り図を早速受け取ることが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
誰が勝ってもおかしくなく、誰が負けても哀しみがつきまとう。
三人それぞれに苦しみと強さがあり、それぞれ主役なのだとこの第1話でしっかり告げられたことは、どうやっても敗者が生まれる物語の暗い部分へ…その奥で確かに脈動する光へと、深く切り込む助けになりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
主役を明瞭に定めていたTVシリーズと比べると、群像劇的色合いがより強い…かなぁ。
魅力的なトボケを控えめに、ウマ娘がそのきれいな顔を歪めて駆ける勝負の瞬間と、それを取り巻く日常の陰影に注力した作りは、どっしりとした食べごたえで見るものを満足させてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
やっぱ異能の力を宿した特別な生物が、総力を振り絞って駆ける迫力が元気なのは、見てて嬉しい。
やはり雨中の皐月賞圧巻の作画が、ウマ娘が走る動物である事実を強く焼き付けて、大変印象に残った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
荒い息、挫ける心、勝敗の残酷。
色んな物を刻んで、少女たちの顔は獣のように歪み、全てを絞り出して風が吹き抜けていく。
その速度感、湯気上がる体温。
生物としての存在感があるレース、良かった
ド迫力の大勝負に、走者が何を賭けているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
三強それぞれの理由を丁寧に彫り込み、ウマであり娘でもある彼女たちの青春が時に朗らかに、時に苛烈な暗さで描かれているのが、レースシーンを盛り上げる燃料として優れていた。
三強それぞれ、ガッツリ体重乗せた応援団がいるのが良い。
ナリタトップロードは明るい髪色、明朗な性格の委員長キャラで、後輩にもクラスメイトにもハキハキと好かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
だからこそ背負い込みすぎるものがあり、ライバルに真っ直ぐ思いを伝えれる明るさの奥に、渦を巻く影がある。
明から暗へ、そして栄光へと駆け抜けていくドラマツルギー。
アドマイヤベガはクールに押し殺した陰りを、同室のカレンチャンと共有しつつ燃やす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
トプロの傷に自分から手を差し伸べる優しさと、妹への強い感情でそれを押し留める頑なさに、天然光属性がガツガツ切り込んでいる描写、大変良かった。
混じり合う光と闇…生まれる感情のビッグバン…。
なんもかんも背負い込むアドベの性分を、同じ屋根の下しっかり知っていて、しかし止めることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
過酷な深夜の鍛錬に進みだして一人、ようやく曇った表情をするカレンチャンの純真が、アドベを影の英雄として盛り立ててもいた。
感情と関係性の表現力が高く、展開圧縮を無理なく支えていた感じ
オペラオーは傲岸不遜な王子キャラの奥にある、けして頑丈ではない体を支える譲れぬ意地を濃い目に出して、泥臭い魅力が出ていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
それでもフラつく時はドトウが間近に支え、弱さを知る人がいるからこそカッコよく強がれる。
汗と雨に総身を濡らしながら、それでも颯爽と結果を出す描き方が良い。
他二人がルームメイトとの濃厚な関係性でもって、走る理由と資格を照らしているのに対し、トプロはもう少し広い画角で、色んな人に愛されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
この風通しの良さが、何が何でも勝ち切る狭くて鋭い強さとどう結びつき、反発し、彼女だけの未来を開いていくのか。
なかなか楽しみにもなる。
トプロの広い交友関係は、人間社会に溶け込む”走らないウマ娘”の姿を画面に捉えてもいて、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
観客席で先輩を応援するウマ娘。
あふれる才能と爽やかな志に導かれて、自分の道を進んでいくウマ娘。
彼女たちに名前はなく、しかし確かにこの世界で、人に混じって生きている。
ウマ娘が当たり前に存在している異世界の、情景を食むSFとしての面白さもあるこのシリーズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
アプリが大きく支持され、物語や世界観が積み上がったからこそ描けるものが、アニメを舞台に戻ってきた感じもあった。
レースシーンもそうだが、異種としてのウマ娘を感じれると、俺は嬉しい。
同時に彼女たちはウマ”娘”でもあって、真っ直ぐな心意気を共に背負い、高みへと導いてくれる沖田トレーナーとの信頼関係も、物語のエンジンとして力強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
沢山の人の祈りを受け取り、眩く広く照らしていけるトプロの気質に、しかし重たく敗北の事実はのしかかっていく。
ピカピカな主役気質が強調されるほど、それが陰ってねじ曲がり、不屈の闘志で越えていく物語への不安と期待は高まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
みんないい子なんで幸せになって欲しいが、走る以上、生きてる以上は勝ち負けがつく。
期待に応えられない情けなさ、思い通りにならない辛さが、いつでも付きまとう。
そういう暗さを嘘なく書けばこそ、重く苦しいものを振りちぎって駆け抜ける走りも、眩さを強めるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
そういう真っ向勝負を四話、全力でやりきる気概が既に満ちていて、大変良かった。
かなり重たく硬い質感になりそうだが、むしろ望んでいた…その手触りを…。
というわけで、大変面白い第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
まずはテイエムオペラオーが、汗まみれ傷だらけで作り上げた不遜の冠に、勝利の輝きを加えた。
負けられない理由を抱えたライバルたちは、この結果を受けてどうねじ曲がり、それでも前を向くのか。
濃厚な心理と関係性の描写に、期待は高まる。
一つ結果が出たからこそ、転がしていけるドラマってのが必ずあると思うので、それを各キャラ個別の切れ味でもって、どう切り取ってくれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月18日
細かい仕草で内心や距離感を示す表現が、メチャクチャな威力でブン回る叙情派の演出、どこまで突き進んでくれるのか。
次回も大変に楽しみです。
・追記 バキバキにヒロイン力高めている語り口に自覚的で、それを生かして別の描写の火力を上げに来る計算高さ、見ててかなりビリビリ来る。
ウマ娘RTTP追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
99年三強戦線を背景とし、しかし競走馬のドキュメンタリーではなくウマ娘のドラマとして、独自の牽引力をキャラに発生させなければいけない第1話。
バックボーンを知るものの深掘りに耐えつつ、初見を引き付ける強度も宿すためには、かなりの工夫がいる。話数も多くはないし。
ウマが娘な利点を活かし、『めちゃくちゃ可愛くてめちゃくちゃ健気なヒロインが、めちゃくちゃ慕っている”ので”、三強は伝説の勝負を挑む資格がある』という描き方をオペラオーとアドベでぶん回し、ペア描写で加速付けたのは凄いと感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
超体重預けれる子が、超信じているので、俺も主人公を信じる
作品がしいたレールにガッツリハメられて、レースを前のめりに見れる体勢を作らせてくれたのは、大変ありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
カレンチャンの可憐さ、ドトウとの特別な絆。
特別な誰かとの特別な愛に支えられて、戦士たちは決戦のターフへと進み出ていく。
愛の描画が、物語が最高速にツッコむ滑走路だ。
二人を支える狭くて強い間柄が、とにかく陽性(に現状思える)トプロにはやや薄くて、広く健全な絆を重視して描かれていたのも、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
唯一、異性で年齢も離れウマ娘でもない沖田トレーナーとの関係性を、足場にドラマに進みだしている手触りは、画面の中心にいながら結構異質だ。
この開けて明るい手触りを今後、どう活かしてくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
一回影に沈めるのは確定と思える、精妙な予感づくりもしっかり成されていて、4話をどう使い切るのか、相当犯行計画が練られている手応えがある。
全シーン要所しかない、異様に身が詰まった食べごたえを感じる。
そういうロジカルな積み重ねが、レースでは凄くフィジカルの強い作画で乱れて、とにかくウマが走っている事実、そこからだけ生まれる熱気が野蛮に荒れ狂うのが、メリハリ効いてていいなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
これはレース前の整った表情と、走ってる時の獣めいた表情の対比含む。
心身を全速駆動させ理性を置き去りにしているように見えて、彼女たちを走らせるのは確かに、ここに至るまでに紡いだ絆だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日
誰かが見守り祈るから、ウマ娘は走る。
その祈りが届かぬほどの、原始的な速さで。
この野蛮と祈りの同居が、見てて一番気持ちよかったところかもしれない。止揚がある。
今後祈りが祈り足り得ない厳しさが、長く尾を引いて場が乱れることもあると思うが、そういう波風ひっくるめてウマ娘で、そういう複雑さも全部飲み込んで走ってしまうのだと、走るアニメとしての強さをギュギュッと凝縮して届けてくれたら、これはとても面白く、ありがたいと感じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月19日