1000回の放送を越え、この夏プリキュアと現実がかつて無いシンクロを見せる……。
ただただ耐え難いほどにクッッッッッッッソ暑いという、黙ってらんない灼熱を前に、わんだふるな連中がカオスにボケたりタメになること言ってくれたり、大変わんぷりらしい第26話である。
大変良かったです。
やっぱ犬こむぎがメインで出てくると、彼女がとにかくみんなと仲良く楽しく過ごしたい気持ち、その純粋で真っ直ぐなエネルギーが全力で駆け抜けていって、見ていてとても幸せな気持ちになる。
そんなこむぎがこむぎらしくいられるよう、いろはちゃんがメチャクチャ自然に気を配って、優しく導いてくれている様子もたっぷりと味わえた。
うだるような暑さに負けず、皆幸せであって欲しいと心から願う……（幾度目かの祈り）
つーわけで今回は『クッソ暑い』一本で24分やり切る、かなりチャレンジブルな回。
もっとグダグダになんのかな～、と思っていたが、何しろモニタの向こう側で好き勝手絶頂暴れまわってる身近な問題なので、色々タメになる示唆が多く、アニマルタウンきっての英才・悟くんのクレバーな応対もあって、バランスの良い回だった。
不思議なニコガーデンのちからでなんもかんも解決して良さそうなところを、あくまで現実に足をつけて工夫して、いろはちゃんとこむぎが二人でお散歩できるようになるオチは、前向きで爽やかな読後感で素晴らしかった。
動物知識もそうだけど、わんぷりは教導的な色合いが濃くあるけど、キャラへの好感と飾らない語り口でもって、巧く上からの押し付けになってない感じがある。
急に砂漠を放浪したり、熱さのあまりぶっ壊れたり、熱暑ギャグが良い上品さでしっかり笑えるのもあって、凄く自然に伝えるべきを伝えれている印象だ。
コメディテイスト濃いめにぶん回し、肩の力が抜けた今回は一番油断しているみんなの顔が見れた感じがあって、その朗らかな気配がとても嬉しかった。
デロデロに溶けそうな猛暑に頭のネジがぶっ飛び、だからこそ悟くんの助け舟に安心しきって、動物たちはワーワー仲良く騒ぎ、人間たちはそれを微笑ましく見守る。
そういう一日一日を積み重ねて、凄く大きな幸せを作り上げている実感がわんぷりの良いところだと思っているから、今回の飾らない味わいは大変良かった。
コメディ回でも笑い一本で押し切るのではなく、どっかしみじみ良い感じの味わいが随所に滲んで、見てて幸せな気持ちになれるのはつくづく、ありがたいことだ。
デベソ剥き出しのサマールックでオチをつけるところまで含めて、メエメエがかなり美味しい回でもあったな。
特に用事もないのに悟くんとおしゃべりしたくてメールしてくるところとか、犬飼家の人々と気のおけない関係を気づいていたりとか、結構サブキャラの解像度が高まるエピソードでもあったと思う。
悟くんの私室が見れて、『やっぱアニマルタウン随一、才気に溢れた中学生だな……』と解ったりね。
あと昭和の精神論をブン回して意気揚々と炎天下に飛び出し、心ひとつでどうにもならない狂った熱気に溶かされたメエメエは、『イヤでダメな大人』の戯画を立派に果たしていたと思う。
ラクダガルガルとのバトルも、熱さデバフがいいスパイスになってなかなか見どころがあったが、ガルガル出現の報を受けてのファーストリアクションが『熱中症になっちゃうかも！』なのが、あまりにいい子たちで泣けた。
やっぱわんぷりの、ガルガルとの戦いを絶対『保護・治療』として描き続ける姿勢は、好きだし信頼が置ける。
謎の金属片を撒き散らしてくる攻撃方法は、胃液を吹きかけて威嚇してくるラクダの習性を取り込んだものだと思うんだが、下品で面白いから元ネタまんまの表現からちょっとズラした感じもあったな。
メイン視聴者層が、めっちゃ真似しそうだもんなラクダの唾吐き……。
というわけで、カオスと教育とコメディとほのぼののバランスが大変良い、真夏の愉快なエピソードでした。
やっぱみんなが仲良く楽しく、幸せに笑い合ってる姿をたっぷりと見れると、凄く良い気分になるなぁ……ありがたい。
自室に気になる子を招き入れて吹き上がる、悟くんの甘酸っぱい初恋仕草なんかも抜け目なく盛り込んできて、平易な表現ながら緩むことなくしっかり構築された、わんぷりらしい語り口を感じられました。
何描いて何伝えるか、例年以上に考え抜かれたプリキュアって感じがするわ、わんぷりは。
来週は今回とはまた違ったまったり展開になりそうで、それもそれで作品の善さがジックリ煮出されそうです。
アニマルタウンにおいてUMAはどのような扱いを受けるのか、世界観を知る意味でも楽しみです！
……どーも猫屋敷ユキがぶっ壊れそうなんだよなぁ、次回予告見てると。
そこも楽しみ！！（面の良いクール気取りがぶっ壊れるのは最高なので）
