イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

”Garden of Remembrance”感想ツイートまとめ

 凄く良いアニメでした。
 喪失と、失われないものについて凄く真っ直ぐ、アニメらしい表現で取っ組み合いした作品でした。

 アネモネアドニスの血から咲いた花ですが、ただその思い出だけを詰め込んで開いているわけではないし、絵の中で枯れずに咲き続けることも、生きて枯れることも出来る花です。
 セリフで説明をしない山田尚子イズムの極限みたいな作りなんですが、だからこそ長くはない尺に何が刻まれているのか、観るものが考えて決めれる呼応の豊かさがあります。

 僕は京都アニメーションの作品で山田尚子と出逢ったので、やはり事件以来の思いを重ねてみてしまうし、それは必ずしも誤謬ではないと思う。
 ユーフォ最終話で北宇治悲願の全国金を、仮想の観客席で誰に見届けさせたのと合わせて、否応なく失われていくものに対して虚構の紡ぎ手たちが何をして、何が出来るのかを、受け取るタイミングなんだと勝手に思っています。
 それらは僕にとって、咲かないアネモネを溢れさせる得難い兆しです。

 喪失の気配がない、優しき啓示と恩寵に満ちた”きみの色”と同時公開タイミングになったことで、あの映画に微かに欠けていた影を、溢れんばかりの花色で補ったような、文脈の面白さもあると思います。
 極めてシンプルに映像として面白く、簡勁に力強い作品なので、視聴を強く進めさせてもらいます

 

追記 僕は本当は寂しいけれど 君がくれた言葉は消えずに光の中で
 既存のアニメで似た作品を探すと、”ID:INVADED”第10話の”Memories of Love”流れる場面と、”Sonny boy”第11話の”Lightship”流れる場面が、楽曲あってこその映像という造りのシンクロ感含めて、自分の中では波長が重なります。
こういうモノを描ける/奏でるから、アニメは良いなと思う。。