イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

帝一の國 5

古屋兎丸集英社。うっかり買いそびれて幾ヶ月、ひょいと入手した学園立志伝ギャグの五巻目。楽勝ムード漂ってた氷室先輩の足元がガラガラと崩れ落ち、弾くんと美々子はいい雰囲気になり、帝一は相変わらずギャグキャラだった。まさかたった一巻で氷室先輩の票読みが逆転するとは、前回終了時の余裕が嘘のようです。が、一応この漫画政治闘争漫画でもあるので、こういう寝技裏切り大事だと思う。転落劇って「あっという間」感がキモだと思うし。
唐突にポップアップしたロミオとジュリエット的状況(男×男)は、帝一が森園先輩サイドに付くためには必要だし、展開的にも盛り上がるわけですが、お前氷室先輩とBLってたっけ? むしろ駒先輩のほうが氷室先輩とはBL力高くなかったけ? という疑念が付いてはなれない。まぁ兎丸先生がヤリタカッタダケー、と言われればそれまでだが。窓ガラスを叩き割りながら氷室ーランドの幻影を見る先輩は、中々耽美でよろしかった。
迷いのない切腹(正しい作法)とか、榊原家の長男が何の説明もなくオネエだったり、お風呂場の毘沙門天様再登場だったり、20の時にパパンが毘沙門天様を掘っていたことが判明したり、合間合間のギャグも相変わらずキレッキレ。「とりあえず、美少年が短刀で自死しようとしてる絵描きたい」という欲望剥き出しな表紙とかな。ほんま兎丸先生はジャンプブランドでもやりたい放題やで……。
本編の方は大逆転が起こって一大転換点! という感じですが、外伝もイイ切れ味だった。今まで謎だった、弾くん名門高校入学の秘密が明らかになったり。つーか、官僚だの大手企業支社長だのをバックにチャンチャンバラバラ政治ごっこしてる奴らの横で、総理大臣をパトロンにしてる弾くんマジ規格外。前回の駒×氷室といい、本編の隙間をうまく埋める話がこの漫画の外伝は巧くて、此処らへんもベテランのパワーを感じますな。