イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/15

・ハロー! きんいろモザイク:第2話『プレゼント・フォー・ユー』
新入り久世橋先生のキャラに迫りつつ、キチったり可愛かったりした第2話。
ただ可愛いだけではなく、色んな部分で特殊な扱いをしているヘンテコなアニメで、こりゃ面白いわ。
ツッコむネタとスルーするネタのセンスが独特で、個性のある間合いでコメディ出来てるのは強みだ。

女の子がいっぱい出てきてキャイキャイする作品には、『あとは誰も誘わないね五人寄ればゴキゲン』感といいますか、主人公周りのサークルで閉じてグツグツ煮こまれた過剰な仲良し感が絶対必要であり、このアニメでもそれはしっかり熟成されております。
しかし同時に、これを過剰に演出するとどんどん世界と隔絶されている感じが強くなって、都合の良さを維持するために都合の良さを追加していくトートロジーから逃げられなくなり、作品世界が疲労していきます。
閉じつつどっかで風穴を開けておく矛盾を、仲良し作品では何らかの形で解決しておかなければいけないわけです。

この作品で矛盾の解決役はカレンで、彼女の小学生レベルのバカ……あけすけさが上手く機能して、久世橋先生やお菓子作ってくれる子といった、サークルの外側との交流が生まれています。
カレンはよく喋るし派手なので、実質カレンしか外部と交流がなくとも、まるでサークル全体が外側とコンタクトしているような錯覚が生まれ得る。
キャラクターの上手い使い方だと思います。


外側への風通しだけではなく、サークルの内側の操作もまた独特で、まず毒が強い。
ハートのクッキーをぶっ壊したヨーコのサイコっぽさとかは、笑いになるかならないかのギリギリラインだと思います。
あれはあややの心をヒトリジメしたいという、クマめいた欲望が迸った可能性が……?(ヨーコをDOLCE系女子にしたくて仕方がないマン)

キチったネタに対するツッコミが、激しく鋭いのも特徴。
この当りの強さがギャグをギャグとして成り立たせて、フラットな日常がただ流れていくだけではなく、起伏のある展開を生んでいます。
コメディとしての切れ味の鋭さが、キャイキャイシーンの甘さを引き立ててる感じもあって、メリハリって大事だね、という。
ガガンボ系レズことあややの弱芸が、個人的には一番好きなネタ。

その上で、サラッと流される女の子同士の身体接触シーンの扱いとかも、独特で面白い。
いやだって、触り過ぎでしょみんな。
何の脈絡も必要性もなくヨーコのサイズ計測をこなすあややとか、淀みなくシノのエプロン付けるアリスとか、触ればギャグに発展しそうな交流をあえて流す姿勢は、視聴者たちがジャンルに望む要素である、過剰な親密性をドライブさせていて、結構大事な所だと思います。
強調する時はすんだけどね、アリスをハグするヨーコとかね。
あとサラッと花嫁衣装作るシノな……あの子アリスのこと愛してるのか弄んでるのか、時々判んなくなるわ……。

久世橋先生の扱いもこの奇っ怪な、しかし合理的な諸操作の中にあって、会話窓口をカレンに絞ってサークルの外側に置きつつ、柔らかい交流をてんこ盛りにしてほっこり気分という、上手く重心を維持した描写になってました。
誤解されやすいキャラなので、烏丸先生というケア役を置いてあるのが巧い。
誤解やすれ違いは笑いを生むので、コメディでもあるこの作品では重要なんですが、理解されないままだと見てる側の心が痛いわけで。
カレンと烏丸が『本当の久世橋先生』を理解していること、それが主人公サークルにも伝播する様子がしっかり描かれることで、笑いと安心が両立していたと感じました。

一話ではまだまだ、『面白いけど、フツーの萌え四コマっしょ』とナメてた部分があったのですが、テクニカルな部分が見えつつ可愛く作りつつな、非常に技アリな今回のエピソードを見て、結構認識が変わりました。
こりゃー話題になるわ。(今更マンZERO爆誕)
面白いし可愛いし、いいアニメですねこれ。

 


・SHOW BY ROCK!!:第2話『俺たちは深紅色の心眼で(以下略』
ギャグとバンドでラッシュする、ソシャゲアニメの歴史に新たな1ページを刻んでるアニメーション第二話。
男の子パート担当のプラズマジカに続き、乙女と心のなかに乙女を飼ってる男の子とおじさんたちがワーキャーするための主人公、シンガンクリムゾンのお目見え回でした。
新入りにかかりきりではなくて、吉野声で世界観のチュートリアルをしたり、シンガンの活躍を見てシアンがバンドの良さを再発見する流れにしたり、『キチの中にマジ、シリアスを際立たせるためにギャグ』というドアサ文法は健在。
やってるのは夜の10時だけどさ。

ニューカマーたるシンガンクリムゾンは、色んなタイプの中二病バカをロムにーさんがまとめ上げるという、話の落とし所が解りやすいチーム。
とりあえずガキどもが諍い漫才をやって、ロムにーさんが鉄拳と社会人ネタで落として、カッコイイ演奏で盛り上げてエンドという勝ちパターンがあるのは、なかなか強いと思います。
バカネタばっかりではなく、クロウの少年っぽさと頼れるロムにーさんの対比とか、キャラの見せ方でも引きつけてる所が、このアニメのいいところですね。

実際、GRANRODEOで培った歌唱力と、SDなのに人間形態よりかっこ良くなってるケモデザイン、正統派ヴィジュアルロックを意識した舞台演出と、シンガンのステージは凄くカッコ良かった。
散々バカ漫才をさせ変顔をさせた上で、一番の勝負どころでは一切手を抜かず真正面から仕掛けてくるバランスの良さは、このアニメの強みだなぁ。
今回の『Money,Money,Money(ABBA)』とか、前回の『Windowlicker(Aphex Twin)』といい、細かく音楽の文脈に触ってくのも好きよ。

シンガンとマジカの関係性が結構好きで、お互いジャンルや性別は違えど、音楽の道を真剣に歩む仲間としての、肩肘張らないリスペクト描写が良かったです。
音楽を軸に据えた以上、味付けがケモノだろうとバカだろうとキチガイだろうと、『音楽は良い』という所はブレて欲しくない。
貪欲に色んなジャンルの音楽やもっととんでもない所に手を伸ばしつつ、真ん中を外していないことが、このアニメを安心して楽しめる理由だと思っております。


主役サイドは内気っ子シアンちゃんが、バンド活動とバケモノ退治に前向きになるのがメイン。
レトリーが期待通りのクソレズっぷりを発揮したり、その癖距離感という意味ではチュチュに後れを取ってたり、羊型宇宙人だったり、他のメンバーの描写も充実だ。
服を譲ってくれるレトリー一見良いやつだが、くれる服が趣味っていうか性的嗜好満開すぎて……なんだよあのうさちゃんパジャマ……。
キチ力全開のお話の中に、すんごく正統派で気恥かしくすらある少女成長物語を組み込んでるのは、安定性が出ていいなぁ。

ギターが世界観を説明してましたが、『闇の音楽エネルギー』『闇の音楽に触れることでモンスターになっちまうんだ』辺りの頭の弱さは、最高にステキ。
『世界には12のメガコンプレックスがあって、それぞれテーマがある。この街は音楽』という部分含めて、無茶苦茶トワイライトガンスモークっぽかった。
……SB69世界はあと七年で滅ぶ?(好きな世界観即座に直結系男子)

女の子サイドの主人公たちも魅力的で、ライバル担当っぽい子も顔見せして、お話が更に広がる余地を見せた第2話となりました。
2D/3Dの作画も安定しているし、とにかくポップで可愛い美術もひっくるめて、安心しつつ新規なものを求められる、いいアニメだ。
JCバンドはどんなキチ要素が詰め込まれてるのかなぁ……来週楽しみだなぁ……。

 

血界戦線:第2話『幻のゴーストワゴンを追え!!』
素敵にクレイジーな魔界都市で、トンチキパワーに溢れた超人たちが魔神相手に苦労したり頑張ったりするアニメ、第二話。
怒涛の第1話で世界と登場人物を強引に飲み込ませた結果、余裕ができたので超人たちの生臭い日常やらステキな人格やら、洒落た関係性やらがとても良く見える素晴らしい第二弾になりました。
いやー、すっげー面白いなこのアニメ!

第1話が駆け足気味に『この世界がどんな感じで』『その世界の中でどういう人物たちがいて』『そいつらは何をしているのか』を見せる話だとすると、第2話は世界と人物と物語の細部に分け入っていく話になってます。
小粋な掛け合いや魅力的なキャラ、不思議な街と暴れまわる悪漢、そして苦戦しつつもチームワークと超常の技量でそいつらをぶっ飛ばす秘密のヒーロー。
枠組みだけでも面白い話なんですけど、肉の付け方がとても上手くて、やっぱ重要なのは中身だなぁ、などという当たり前の感想をヨダレだらだら垂らしながら抱く。

第1話に比べると書き文字やナレーション等を駆使した、解りやすい説明が多用されていたわけですが、んじゃあなんで最初からこれ使わなかったの? ということを考えると、やっぱ一発目は混乱して欲しかったんだと思います。
とにかく世界とキャラをまるごと叩き付けて、ワケわからないながらもその魅力故に噛み付いてしまうという体験は、第一接触でしか与えられないわけで。
あの意味分かんなくて密度の濃い第1話があるからこそ、オーソドックスで『普通に解りやすい』今回が映えているのだと、僕は思います。
……完全に松本監督の手のひらの上だな、最高だな。


第1話では気のいい兄貴分かと思ってた銀髪が思いの外クズ人間だったり、その癖決める時はバッチリ決めるガッツヒーローだったり、主人公レオくんのワッショイっぷりが非常に気持ちよかったり、視覚に特化しつつもトリッキーに超人だったり、一話だと見えきれなかった部分が掘り下げられていて、非常にグッド。
集団としてのライブラも、宮本充声の渋いにーちゃんや、銀河万丈声の執事ドライバーが出てきて、賑やかになってきました。
キャラが増えただけではなく、各々の得意分野をフルに活かした連携と、世界を守るプロフェッショナルとしての維持が良く見えたのが、組織モノとして最高に気持ちいい所。

巻き込まれ型サポート主人公に見えるレオくんが、サポートなりに状況を解決する一端をしっかり握っているのが、満足度高い理由の一つだなぁ。
あと、超人なのにちゃんと負けるザップ先輩の人間味。
そこら辺の隙の作り方やら、『お前は世界で唯一最高の存在だ! ガンガンいい気になれ!!』とばかりに他PCを持ち上げるトス上げの上手さなどは、TRPGゲーマーとして即座に導入したいポイントであります。

気安い関係になったおかげで、自然体のライブラメンバーの姿が見えてきたのも、面白くなった理由の一つでしょう。
特にザップ先輩はゴミクズとイイヤツの二面性が良い配合で効いていて、凄く魅力あふれるキャラだと思います。
旦那のクソ真面目っぷりとかも見れたし、やっぱキャラが好きになってくると色んな姿が見たくなってきて、いろんなエピソードを正座して見るようになる好循環が生まれるなぁ……。

もう一つ良かったのは、レオくんの魔眼を通して見える異界の異常性と恐怖。
フラットになっている人間や、日常の中に潜む異形のヴィークルなどなど、とにかくヴィジュアル的にフレッシュで、気持ち悪くて怖いのがとても良いです。
そういうおぞましい存在を正義の血拳でブチのめすからこそ、爽快感というのも生まれるわけで。
敵は強そうで悪そうで気持ち悪いほどいいな、やっぱ。


今後も今回のように、小気味いいエピソードの中にキャラと世界の魅力を埋め込み、ザックザックと進んでくれるといいな、と思うわけですが、同時に一本背骨が欲しくなる所。
それを担保するのが、毎回意味ありげに出てくる釘宮声なのかなぁ、とか思っております。
彼女をマイルストーンにすることで、毎回やりたい事だけを詰め込んだ故に魅力的で、統一感の薄いエピソードに連続性が生まれるというか。
アニメオリジナルキャラらしいので、ここら辺は松本監督の仕掛けじゃなかろうかと、勝手に思っております。

あとOPとEDが生活感とスタイリッシュさを両立させた、非常にチャーミングな曲と映像に為っていて、ほんと素晴らしいです。
凄くハッピーな気分になれる仕上がりなので、これが毎週見れると思うと嬉しい気持ちになる。
シリーズアニメでこう云う気持ち、凄く大事ね。

『ただパワーで押し切るだけではなく、オーソドックスな分厚い組み立ても出来るんだぜ?』と言わんばかりの、見事なセカンド・ブロウでした。
イヤーおもしれぇなこのアニメ……すげぇTRPGしたくなるアニメです。
自分はTRPGゲーマーなので、『TRPGしたくなる』っていうのは最上級の快楽表現であり、まぁそういう感じのアニメなのですよ!(大興奮スマッシュブラザーズで終了)