イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/18

パンチライン:第2話『生類憐みのレース』
色々沢山盛りだった第1話に比べると、スッと落ち着いたチルアウトな二話目。
爆発も派手なアクションもなしで、なめくじアパートの愉快な住人たちが、ドンチキドンチキ大騒ぎだ。
スピードが落ちた分フォーカスの細かさは上がっていて、アパートの住人がどういう奴かはだいたい見えた。
全員トンチキないい奴らであり、俺はトンチキないい奴らの話が好きだ。

ぶっちゃけ第1話で見せた気になるポイントは全然進んでいない気もするが、なんか埋め込んでる気配もあって、良い意味で気が置けない。
ループものなので事件発生のタイムラインとか書きだしたほうがいいのかもしれないが、鳩ダンスやら唐突なクマショックやら、こっちのIQを削ってくる頭弱い展開が正気を下げてくる。
頭の弱さとしては中程であり、一部女児アニくらいのキチっぷりを魅せつけてくれても構わんよ? という気分にもなる。
気の抜ける展開は、多分後半のネタばらしの火力を上げる仕込みでもあるんだろうなぁ……。

腑抜けた事件が頻発しつつも、住人たちはお互い助けあう気の良い輩の集まりなのは、安心して見れて良い。
悪の秘密結社に世界破滅と、起こってる事自体はシリアスなので、此処も落差を狙う所なのだろうか。
カッチリした部分が透けて見えるので、結構構えて見てしまっている自分に書きながら気付き、いいことなのか悪いことなのか判別がつかねぇ。
カチッとした部分とユルッとした部分をどう噛み合わせていくかが面白さに繋がると思うので、次の回し方が気になりますな。

 

・プリパラ:第41話『のろわれたソロライブぷり!』
あろまとげどんのいじわる道中記、今回のターゲットは委員長だよ、という回。
キチガイアクセル全壊で踏みつつも、案外気が弱いみれぃの内面であるとか、アロマゲドンの役割分担であるとか、キャラの粒が見える仕上がりは流石。
濃厚ならぁみれ分を補充できて、お肌もツヤツヤであります。
いや、お話の導入部分からして狂ってたけどさ……校長とリナちゃんの絆は、もう常人には理解できないレベルにまで来てるな……。

キチりつつも素直にいい話をねじ込むのがプリパラ式であり、小学五年生が好き過ぎな委員長が感情を暴走させる展開は、微笑ましくて良かった。
精密機械キャラは、やっぱ気持ちが迸るシーンのギャップが映えるやね。
それにしたってらぁら好き過ぎであり、プレゼント貰った時のはしゃぎ様を見ると、『あんま友達出来なかったんだなぁ……』としみじみ感じ入る。
好きだからこそ言い出せないもどかしさとか、しっかり踏み込んで描いてて良かったです。

委員長を支える脇キャラの描写も結構(二重の意味で)キレてて、相変わらずの直感性を見せるそふぃとか、頼りになりすぎるシオンさんとか、やっぱこの六人の関係好きだなぁと思うことし切り。
なんでアイドルが前座芸するのかとか、何でもクラゲで例えるそふぃさんの狂気とか、カエルちゃん死なね? とか、拾わないギャグの速度も健在。
無理のあるお話を豪腕で解決しつつ、それ自体を笑いに変えてしまうのはコメディとして強いと、常々思っております。

アロマゲドンは結構洒落にならない意地悪をしているわけだが、溜まったヘイトを1話の叙情性でひっくり返す手腕もこのアニメにはあるので、今は嫌われ時なのかなぁ、などと考える。
天使は思いの外いい子なので、その内内乱エピソードとかもあるんだろう。
飯ばっか食ってるけどさ、みかんさん……あとあろまが双眼鏡使ってる距離で、裸眼でらぁらを確認してたのは何なの……超人なの……天使なの……。

『らぁら回に外れなし』の法則に基づき、キッチリ担当キャラの内面を掘り下げ、笑いもとったいい話でした。
来週はそふぃ回ですが、今回やったような意地悪をすると事故って死にそうなのがそふぃ。
どうなるのか、今から楽しみです。
……だからなんで朝の10時から『ブラジルから来た少年』のパロディなのよ……ホントスゲェなプリパラ。

 

シドニアの騎士  第九惑星戦役:第2話『能力』
コミュニケーションインターフェースはどう見ても男性器な、スーパーバトルヒロインつむぎちゃんのお披露目回でした。
ヒロインの資格は外見ではなく行動と、言葉ではなく魂で実感できる、素晴らしいあざとさ。
誤解を受けつつも健気に闘い、気になる男の子を見かけたらしっぽも振っちゃうと、魅力満載でしたね。
いや、どう見てもチンポだけどさアレ。

高度に発達した技術が背景にあるシドニア世界では、人間の倫理というのもかなり変質しているわけですが、ロストボーイである長道は古臭い(≒視聴者にとって馴染みが深い)倫理観を維持している。
そこが彼に好感を持つ重要なファクターであり、あのバケモノを初見で『女の子』と認識し、体張って助けに行く頼もしさこそ、彼を主人公たらしめている部分であります。
長道だけじゃなく、自分の所業を素早く反省する弦打さんとか、味方サイドが気持ちよく描かれてるのは見ていて楽だね。

安易に人間味だけを見せるのではなく、15メートルの巨人が尻尾を振ったらどういう被害が出るのか、つむぎがどれだけ人外なのかをしっかり描写しているのは、フェアな見せ方だと思います。
そういう所を乗り越えていくからこそ、長道の快進撃に胸がスカッとする部分もあるわけで。
あと、異質な存在の異質性を真っ向から描いてくれるのは、やっぱSFとしての見どころだと思います。


一方ドロドロした陰謀を担当するのが落合と小林であり、落合の方は禁断の兵器を手に入れて復権の足がかりに。
その落合の補助脳から知識を吸い出し、砂風呂ゼーレの方々が用無しになった瞬間、武力クーデーターを敢行する小林艦長のスパルタンっぷりは、常在戦場のシドニア世界だと冷酷というより頼もしい。
今週もたくさん死んでたしね……甘ちゃんじゃ渡れない戦争だよね、やっぱ。

僕の好きなイザナ君は、イマイチ美味しそうに見えないオニギリでポイント稼いだり、触手プレイでひーひー言ったり、今週も可愛かった。
つむぎちゃんが星白声とあざとい仕草を武器に、猛ダッシュを仕掛けてきてるが、頑張れ負けるな。
……チンポと中性体と永生者アマゾネスのヒロインレースって、ホントスゲェなシドニア。

 


放課後のプレアデス:第2話『星めぐりの歌
佐伯監督がお送りする、女の子と甘酸っぱい出会いとすれ違いと宮沢賢治と青空とインメルマンターンと宇宙人と魔法の箒と双子の星と、とにかく素敵なものを目一杯詰め込んだ、綺麗なおもちゃ箱のようなアニメーションの第二話。
色々ぶっ込まれてはいるものの、全体を貫くトーンとセンスが一定なので、安定感があるのが見やすい理由か。
『俺はこういうのが好きなんだ!』というのが全ての瞬間から感じ取れ、フェティシズムとエロティシズムと情熱が、ビリっと肌を打つ。
当然なんだけど尺が増えると、マニアックなこだわりも強く感じ取れて、パイロット版の良いところがブーストされるなぁ。

一話で手早く見せたお話の形を、すばるとあおいに焦点を絞って描写し、より強く感じさせるお話でした。
黄色が天才児だったり、黒が怪力だったり、ちょっとした描写でキャラが太るのが好感。
あと、一話で感じていた宮沢賢治リスペクトをド直球でぶん投げてきて、『波長が合うなぁ……』としみじみ感じたりした。
……『手紙 四』まで考えると、すばるかあおいどっちかが死に、生き残ったほうがかえるを潰すハメになるわけだが、そうはならないと信じたいところだ……。

お話としては運命線のすれ違いでギクシャクしてるすばる&あおいが、空を飛んだりいちご牛乳を分け与えたりしつつ、髪の毛や上履きをネトネトと混ぜあわせつつ仲直りする展開。
色んな隠喩が隙あらばナイフのように飛び出してきて、オジサンの乙女ハートをえぐるので油断ならん。
多世界時間軸とか宇宙船とか、設定語りしたければいくらでもベラベラ行けそうな所を省略し、多感な少女の内面をブーストする装置と割りきって見せているのは面白い。
設定面の魅力も、十分伝わってくるけどね。

女の子×2のキャイキャイだけではなく、意地悪ボーイみなと君との心の軌跡がちゃんと描かれていて、そっち方面でもトキメクなぁ。
桑島さんの少年ボイスが値千金なのは当然として、登場するたびに不思議温室を発生させるのが、意地悪&ミステリアスボーイとしてポイント高いぜみなと君。
自分も角生えるから、すばるの癖っ毛を褒めてる所とか、甘酸っぱすぎて死にそう。


この話マルチバースとか恒星間宇宙船とかのSFガジェット出ては来るんですが、根本的には妖精譚だと思うのですね。
プレアデス星人という不可視の妖精に出会って、出会う筈のない小さな魔女たちが一堂に会し、素敵なものしか存在しない世界の中を駆け抜けていく。
分割されたエンジンはあくまで、綺麗な世界と素敵な少女たち(と少年)を活かすためのツールであり、製作者の趣味だけで満たされた世界の空気と、魔法のエンジンシャフトで空を駆け抜けていく青春を見守るというのが、今のところ僕個人が理解している、このアニメの楽しみ方です。
この作品自体がみなと君の温室のようなもので、モニタのスイッチを入れ、24分間異世界に遊び、妖精と戯れる女の子を見つめるという一種隠微な視座が、このアニメには埋め込まれているように思うわけですね。
ある種の離人性というか、いい意味での他人ごと感というか。

その上で今回の話を見ることで、すばる達の豊かな心の襞、飛行シーンの心地よさに代表される世界の気持ち良さは巧く描かれていて、素敵な箱庭を覗き見するより一歩前に踏み込んだ見方、すばるの青春に感情移入して、小さな変化を喜べる足場みたいのは、ちゃんとあるなぁと感じました。
ここら辺は、Web版から増えた尺を活かして、キャラの交流が増えた影響だと思います。
インパクトの大事な有るシーンだけではなく、何でもないような言葉の積み重ねで、彼女たちの幼年期が埋まっていく感じといいますか、骨格に物語の肉が太っていく感覚がある。
それは、やっぱ見ていて気持ちのよいものです。

お話との間合いを少し掴めたような感じを覚える、上品ながら噛みごたえ十分なエピソードでした。
この作品の良い意味での掴み所の無さというか、幻惑性は個人的なアンテナにビリビリ来まして、有り体に言えば好みであります。
丁寧に魔法の国を維持してくれる作品は、稀有だし有り難いなぁと思いました。