イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第112話『恋恋ジュルル』感想

季節も巡って秋! 相変わらず平和でのどかでキチガイなプリパラ、今週は愛と成長の旅立ち(未遂)。
久々に基底現実に舞台を移して、色々やっている割に緩い、ふでやすプリパラ独特のテイストで進むお話でした。
男の子が基本プリパラに来られない以上、『恋』をテーマにするとこっちが舞台にならざるをえないんだな……まぁ基本、恋成就してないけどな。

今回のお話は複数の目標との追いかけっこで進んでいまして、『ジュルルのあんよ』『カップルの恋物語』『メイキングドラマ制作』を同時並列で追いかけていく形。
このワチャワチャっとした感じが人数の多さとあいまって、なんとも言えない楽しいドタバタ感を盛り上げていたと思うのですが、終わってみると目標完遂出来たのは『メイキングドラマ制作』だけなんですよね。
ラブちゃんも高橋くんも秋子ちゃんも雨宮くんも、恋の相手とはことごとくすれ違うし、ジュルルは結局歩けないし、みれぃの育児方針はいつもの様にグダグダだし。

努力があさっての方向に飛びやすいプリパラでも、最終的には何らかの成果を手に入れて満足感を持たせて終わることが多いことを考えると、結構特殊な終わり方だったと思います。
『失敗』といえば『失敗』なんだけども、ラストシーンでらぁらが言っていたように、『失敗』も引っくるめてじっくり育つことが許されていることが、プリパラの子どもたちでして。
舞台を普段と変えたことも含めて、『成功/失敗』に至るまでのワチャワチャした『過程』それ自体に焦点を当てつつ、『失敗』と思われているものもそこまで悪くはない、というメッセージを出す回……だったのかなぁ。
いや、長くてゆる~いシリーズではあるんで、特に理由もなくキャラを多数放り込んで、動くに任せた結果こういうオチになった、てのは十全にありえるけどね。

しかしまぁ、普段は顔を見せにくいキャラクターが目立っていたのもあって、『とにかく色んな奴がいて、みんな元気』というプリパラの根源的な楽しさが、随所に見られる話でした。
アイドルメインで進んでいく以上、どうしても学園サイドは話数少なくなっちゃうんだけど、こっちはこっちでどっかのどかな感じが漂っていて、好きな世界なんですよね。
今週は小学生が小学生しているシーンも特に多くて、ゆるい故の穏やかな楽しさを堪能できた気がします。


キャラの話で言いますと、まさかの雨宮女体化クローン二人目、しかも声が丹下桜
雨宮はストーカーネタを尖らせすぎた結果、生々しく気持ち悪いキャラとして作中世界でも描くしか無くなって、『ツラは良いのに安易に画面に出せない』というトンチキな立ち位置になってきてる気がします。
今回ぱらかっぱに押し込められてたのは、秋子→雨宮→委員長というすれ違いシチュエーションを実現するためもあるけど、極力雨宮を画面に出さないためでもあったのでは? とか邪推しちゃうね。
その割には雨宮の顔をしたキャラはドシドシ出てくるし、わざわざゲストキャラ用意してまで内面を掘り下げられんだから、複雑な扱いされてるキャラだな……メイン・ターゲットからはどう思われてるんだろうか。

アイドルの出番を極端に削った構成の中でも、ソラミの三人は仲良くママしてました。
この三人がゆったり掛け合いするシーンもここ最近少なかったので、ゆるい構成の恩恵を受けて、公園でキャイキャイする見せ場をジックリ見れたのは、非常に良かったですね。
ジュルルを媒介にすることで、ジュルルにダダあまならぁらと、相変わらずズレてるみれぃと、とにかく我が道を行くそふぃという塩梅で、それぞれ個性が見えたのも面白かったです。
『自分がやりたいこと』が『ジュルルが楽しいこと』に直結するひびきと比べて、凡人たるみれぃは考えに考えた『自分がやるべきこと』が『ジュルルが楽しいこと』『ジュルルにとって良いこと』に繋がらないんだなと、今回の暴走を見ていて思いました。
まぁ延々まったりと子育てしてても、見てる俺が幸せなだけだからな……あのメンバーだと、みれぃが暴走して話の起伏を作るしかないわな……。

ドタバタ走り回るメインの端っこで、のんちゃんは地道に今後の展開のための足場ならしをしていました。
蝶ネタを先に使われることでじゅのんの再起用を潰し、ハシビロコウの再登場でペッパーちゃんへの伏線を張り、トンチキ&ドタバタ&ゆるゆるに展開させつつも、最低限のラインは埋めておく仕事が好き。
こういう細かい描写を積み上げることで、『あー、なんかのんちゃん、チーム作り苦労してんなぁ』という認識が視聴者の脳みそに滑り込み、のんちゃんのメインクエストが指導した時に違和感が少なくなるということですね。
大胆に話を進めるためには、こういう細かい仕事で足場を組んでおくのが大事なんだろうなぁ。


そんなわけで、あまり出番が無いメンバー大集結! ゆったりと秋を楽しみ走り回るエピソードでした。
秋子ちゃんは物分り良く留学していったけども、何しろ声が丹下桜だからな……ワンチャン3Dモデルで再登場アリ……か?
『失敗』や『不変』を肯定的に書いたのは、『みんなトモダチ』という世界律に素直に頷けない、『失敗』していると受け取られがちなひびきの今後に繋がる描き方な気もして、この何気ない話しをどう使ってくるか、ちいと気になる感じでした。

ほいでもって来週は、地味な仕込みが生きるタイミングがついにやってきて、のんちゃんのチームメンバー集め回その1。
実に23話ぶりとなるちりちゃんの登場ですが、第90話で見せた小動物っぷりから、かなりの変化を見せる話になりそう。
まぁ先行公開されてるヴィジュアルからしてゴージャス&タフだからな……はわわとか言わなそうな眼力してるからな……。
魑魅魍魎有象無象が蠢くプリパラで埋没しない、いい具合のキャラを見せられるのか。(そしてあじみのように、濃口のキャラ付けすぎて制御不能にならないか)
ちりちゃんのリ・デビュー、そしてのんちゃんとどう繋がっていくのか、来週も見逃せません。