有頂天家族を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
二代目と赤玉先生の決戦はスッと間合いを外され、狸の平和な日常が…とはいかない。狸すら化かす島田声の妖しい男天満屋が、思う存分暴れまわる第2話。
菖蒲池画伯も含めて、なかなかに底を読み切れない不思議さと、目の前で起こる出来事の弾み方。遠近両方の物語が楽しい。
主役の矢三郎が日々を面白おかしく生きている毛玉なので、この話はあんま大きいことがいきなり出ては来ない。ダラダラと日々を過ごすうちに厄介事に巻き込まれ、気づけば京都を東奔西走する大冒険になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
地下鉄に乗ったはずがいつのまにやらジェットコースターに! みたいな物語的化かし芸。
謎の怪人・天満屋が存分に暴れまわる今回は、そういう不可思議への導線の一つなのだろうか。彼の素性はさっぱり分からないまま、化かしのプロフェッショナルたる矢三郎を手玉に取る手腕の鋭さ、絵面の面白さにグイッと引き込まれてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
熊矢三郎の朦朧とした目のトビっぷりが、マジ面白すぎた。
このお話、作り込んだ京都の背景が生み出すリアリティに、ぽんと異常なものが置いてあるデペンズマンが、『化かす』という主題と巧く噛み合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
蒼く金属的な屋上に突然そびえ立つ、ギンギラなラーメン屋。その異化作用に驚いているうちに、景色よりもさらに奇っ怪な男が出てくる。
僕らは矢三郎と一緒に、映像と話芸と演出の魔法に乗せられて、なんだかフラフラして気持ちがいい世界に引き寄せられてしまう。そういう酩酊感を楽しませるために、色んな部分が考え抜かれているところが、ありがたいし信頼もできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
本気で嘘をつく、嘘の世界を作り込む。上質なファンタジーだ。
天満屋も菖蒲池画伯も、素性はさっぱり解らんけども面白い輩で、このトンチキ人間がトンチキな掛け合いをしているだけで愉快だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
そこに加えて、素性を想像するヒントも色々出てくる。地獄絵から顔を出したという、謎の怪人。思わずいろいろ考えたくなる、良いフックだ。ほんと何者なんだろう。
未熟な矢三郎は幻術にコロリと行くが、仙人然とした菖蒲池画伯は幻術よりも厄介な天満屋のペテンには動じない。目に見える無邪気な幻より、銭金の絡んだ見えない嘘のほうが、危ういし怖い。それを見切っている画伯は、自分の描きたい絵を描きたいように描く。そういう不動心は、矢三郎には遠いものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
揺れ動く未熟な心は、同時に恋を連れてきもする。相変わらずカバンの中に身を隠している海星ちゃんだが、銃殺ピンチには駆けつけて華麗に事態を解決してくれる。なんと頼れるヒロインか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
画伯にも奥さんがいることを見ると、本当に矢三郎の完成形なんだなぁ。結婚のことも、矢三郎は完成に至らない
銃を突きつけられるシチュエーションは、鬼に化けてのリベンジでも繰り返される。無邪気な化け合戦に割り込む、冷たい鋼鉄の『死』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
そういう無粋なものを出されると、ファンタジーの住人である毛玉は困ってしまうわけだが、さて矢三郎どう返すか。助けてくれる海星は、もういないぞ。
僕はこのアニメと下鴨一家のなんとも長閑なところが好きで、命を取らない化け合戦で上下を決める遊戯性が大事にされると良いな、と思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
だから菖蒲池画伯が再訪した矢三郎の本性を、何の驚きもなく受け入れ、優しく接してくれた時、凄くホッとした。
世知辛い平成の世の中、色々波風はあろうが、家族愛とユーモアと余裕に満ちた狸ライフは価値あるものとして守られて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月16日
業突く張りが過ぎる欲界の住人・天満屋の銃口を相手に、我らが主人公はどういうトンチを返してくるのか。切れ味鋭い返答を望みたいところだ。