HUGっと! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
嵐の季節は終わりを告げた…二ヶ月の長きに渡り吹き荒れた、アムール&マシェリ旋風。一段落ついた所で新幹部を相手にゆる~い展開で一呼吸…
とか! ヌルいことをHUGっとはやらねぇ!
主役の暗い過去!幹部瞬殺!新たな敵がてんこ盛り!!
夏休みを前にニトロを積む回
というわけで、HUGっと得意の圧縮率の高い展開である。いやー、色んな事が起きたなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
正直『ここはスローボールでカウント整えるタイミングでしょ!』と、ヌルいこと考えていたわけだが、展開は早い死人は出る、はなの重たい過去は出るで、緩んだ腹筋を粉砕されるブロウであった。
ダイガンさん瞬殺の衝撃波でかかったが、良いショックではあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
これまで画面の端っこで口だけ番長だった人が前線に出てきて、『五分ねぇ…しばらくゆるっとすんのかな~管理職長いと現場勘蒸発するよね~』とか、半笑いを誘う流れからの急転直下、知らない土師孝也が後ろから殴りかかるという…
傷ついたダイガンさんをさあやがヒールしようとしたこと、それが追いつかず消滅しショックを受けている様子も、短いけどパワフルだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
チャラリートくんもパップルさんも助けれただけに、13歳にはショックだよな…。新幹部の登場で、戦いが別の次元に入った感じもある。
そんな幹部連で一番目立ってたのは、やっぱりジョージ大社長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
意味深に雨の降る花畑でポエム読んだり、会社の若いナオンを取っ替え引っ替え食べたり、未来ある13歳にコナかけたり。
存在感と怪しさのあるオッサンだったが、フタを開けるとかなり拗らせた邪悪だった。
楽しい時間は必ず終わる。笑顔はいつか絶対曇る。ならば、輝ける今を永遠に閉じ込めよう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
なかなかタチの悪い善意であるが、彼が展開する時間停止空間は灰色の世界だ。静止の中には、喜びも光もない。それでも、ジョージは”夢”を追いかけて世界を灰色に塗る。
13歳のはなちゃんがジョージと話して『オトナにも夢があるんだ!』とワクワクしている描写が、凄く辛かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はなちゃんにとって夢にエールを贈ること、他人の夢を見ることは、ただの憧れではない。薄暗い過去を振りちぎり、今を生き延びるための武器でもある。
誰かを守ろうとして果たせず、排斥され孤立した。なんにも出来ない、なんにもなれない自分を知ってるから、髪を切って踏み出した。そんな弱い自分を守ってくれる、ママが未来の道標だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
今回の回想シーンは、野乃はなという少女、彼女を取り巻く世界へ静かに深く切り込んでいく。
冒頭、クラスで噂になっているのは”キュアエール”であって”野々はな”ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
不思議な力で返信して、背も伸びてお化粧も出来る。なりたい自分のイメージを、全て叶えるスーパーパワー。
でもそれは、自己評価の低さ、何も出来ない惨めさを、無条件に吹き飛ばしてはくれない。
はなちゃんが物語開始時からぶん回していた空元気とか、空気読めなさとかは、一度挫折しているからこそのものなのだと判った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
ママが逃げ道を教えてくれて、自分にエールを送って立ち上がったはなは、しかし長く伸びる影から逃げれたわけじゃない。それは、自分の足元から伸びているからだ。
いじめられていた子を背中にかばう姿は、確かに小さなヒーローだった。でも、”キュアエール”と”野々はな”は違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
頑張っても頑張っても、他人はおろか自分も守れない。ヒーローになんてなれなかったから、はなちゃんははぐたんを背中にかばった。今度は勝つ、ヒーローになる、と。
そんな悲壮な決意を秘めて、はなちゃんは明るく元気に振る舞ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
自分がママからもらった決死のエールを無駄にしないよう、夢見た笑顔の世界が広がるように。
その強がりと決意は、本当に立派だと思う。実際、はなのエールで前を向けた人は沢山いる。間違えても学び直し、成長もしている。
しかしそれでも、心に伸びる影は消えない。だからこそ、空元気を振り回して、『一回しかない13歳の夏を、精一杯楽しむんだ!』と、仲間にエールを送る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
そんな彼女が、ジョージの止まった世界に入門できるのは必然であろう。足を止めるに充分な痛みがあっても、はなは止まらないのだ。
はぐたんの悲痛な叫びに火を付けられ、母との思い出に勇気づけられ、エールは野獣の叫びを上げ、拳を振るう。自分の理想を押し付けて、弱いものを泣かせる悪に、必死に立ち向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
負けて、逃げて、情けなくて。でももう一度戦うキミは、とても強い。正しくて美しい。
はな自身はそんなに頭が良くないので、自分の抱えている”善”を自覚はしていない。ただただ、自分の道理で動く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
過去の傷が痛むから。
自分を守ってくれた人に報いたいから。
可愛い話が子を守りたいから。
目の前のクズが許せないから
そこに嘘はない。胸の奥から湧き出る炎は、いつだって身勝手だ。
ジョージの時間停止は、幸福な時間だけを留めるわけじゃない。善を貫けなかった過去、勝てなかった失敗もまた、ジョージの世界は固定してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はなははぐたんという弱い存在を代弁して殴りかかるけども、同時に負けた過去を精算し未来に飛び込みたい彼女は、ジョージに踏まれる当事者でもある。
お前のキレイな理想で、灰色の夢で、何者でもない惨めさから脱却できるチャンスを潰されちゃ、たまったもんじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
渾身の右フックは、ジョージの巨大な正義からはみ出してしまう大多数の人間、その代表選手の正当性が込められている。
ほまれの”ジャンプ”でも届かない、宙に浮いたジョージ。そこに飛び上がって殴りかかるパワーが、冒頭複雑な表情で睨みつけていた”プリキュア”の力だというのは、とても面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
ジョージを押しのけた怒りは、紛れもなく野々はなのものだ。それを届かせる拳は、キュアエールのものだ。
いつか胸を張って、『私がキュアエールなんだ』と言える日が来たら。なりたい自分と、なれない自分を一緒に見つめることが出来たら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
才能あふれる仲間に取り囲まれ、自分を見定められないはなの戦いは、今回新しく始まった。そしてそれが勝利に終わるヒントは、しっかり出ている。
主人公として唯一、悪の陰謀に挑戦できたはな。ジョージはその熱量を、嬉しそうに向かい入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
巨大な希望を絶望に変化させ、己の望みを叶える夢に酔っているのか。
はなもまた”みんなの笑顔”を求める強敵(とも)だと、共感と断絶を感じているのか。
ここら辺は今後掘り下げる部分だろう。
『30過ぎたら仲間はいない、夢も見ない』とうそぶくドクター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はなが瞳を輝かせた夢を、世界を静止させる絶望に変質させたジョージ。
腕の中の幼子を、必死に守って逃げ道を示したすみれ。
元々『大人の夢』を視野に入れてるシリーズだが、今回は特に明暗様々な”夢”が、大人たちの中にあった。
はなは自分の胸に残った、母のぬくもりで動き出す。かつてママが守ってくれたように、自分もはぐたんを守るんだ。悪い夢を押し付けてくる人から、誰かを守れる自分になるんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
すみれがはなを抱きしめて、必死に伝えたエールは、そうやって”プリキュア”の力になる。
はぐたんの泣き声(これも一種のエールだろう)が、はなに火を付けたように。前髪を切り、転校したはなが笑顔を取り戻してくれたことは、多分すみれにとってこれ以上ない救いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
抱きしめて、逃げ道を示すしか出来ない惨めな自分を、腕の中で震えていたはなが前に進むことで、救ってくれる。
守るものと守られるもの。母と子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
”みんなの笑顔”という夢を共有する、ジョージとエールが対立したように。ヒーローの立場や戦場も、様々に移り変わり、しかし共有するものがある。
愛、勇気、正義。神話の時代から何度も繰り返されてきた、陳腐で大事なキーワード。
はなの陰り、ジョージの善を掘り下げる今回は、主役が如何にして傷つき、そこから立ち上がり、何を求めて拳を突き上げるのか、鮮明に描くエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
ヒーローへの条件は、様々な困難に満ち溢れている。13歳の女の子は、とっても繊細で傷だらけだ。痛ましい過去と空っぽの未来が、主役を待つ。
それでも。野々はなは母と愛子のエールを受けて、身勝手な正義を怒りで跳ね除ける。堂々と悪に挑戦し、当たり前の日常を謳歌すると宣言する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
そんなボロボロで弱々しい、でも何よりも力強い勇姿が、僕は本当に凄いなと思った。野々はなの戦いは、持たざる者が未来を掴むまでの物語になるのだ。
そういう構図を鮮明にするべく、ジョージが持つ共通点と差異点を、巧く描けてたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
停止する時間と、動き出す光。上に立つものと、ともに手を取るもの。理想を押し付けるものと、エールを送るもの。持つものと、持たざるもの。奪うものと、与えるもの。
しっかり作られた悪役は善の光を強調し、共通する陰りを掘り下げ深みを出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はじめて女の子っぽく扱われて、ジョージを憎からず思っている描写もある。宿敵も”夢”をもってしまってと知ればを、簡単には切り捨てられないだろう。それでも、お前のやり方は許せない。
ちょっといいなと思えたオジサンが、実は赤ん坊を略奪し世界を静止させる大悪人だとしって、はなちゃんショックデカいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
でも、仲間を前にそういう表情は出さない。フレフレみんな、フレフレわたしと空砲を撃って、両足で必死に立つ。
偉い。文句なく勝って欲しい。
はなの影が書かれると、ルールーを全面許容したり、新しいお友達に家族が深く関わったり、野乃家のこれまでの描写にもうなずける部分が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はなが二度負けないため気合を入れているように、野乃家も娘を二度壊されたいために、必死に振る舞う。敵を拒絶するのではなく、味方を受け入れる方向で。
そういう意味では、はなのシェルターになった野乃家と、ダイガンさんをモノのように切り捨てたクライアス社も対比なんだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
はなはクライアス社の冷たいロジックだと、真っ先に孤立し切り捨てられる側に立つ。だから、はなの怒りは私憤であり、同時に公憤でもあるのだ。面白い主人公だな。
大きく渦を巻くヒーローと宿敵、運命のバトル。そこから溢れる力を前に、ハリーは立ちすくんでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
いい大人として子供を守り、導いているハリーも、世界を救えなかった傷を抱え、それを誰にも言えないでいる。彼もまた、はなと同じように傷ついた戦士なのだ。
一人でいるときは小さく体を折り、ほまれの目があると立ち上がってデカい身の丈を見せる芝居が、ハリーの現状を巧く示していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
惨めさと痛みは、今でも彼をさいなんでいる。でも、それに沈んでばかりじゃ周りが困る。惨めさを振り払うためにも、胸を張ってエールを送り、誇れる自分にキャラチェンジ
そんな強がりを、あのハリネズミは持っている。その危うさを、メンバーで一番大人っぽいほまれが気づき、気にかけているのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
クライアス社との関係次第では、ハリほま相当な悲恋になりそうだな…ハリーも二度目の戦いには、しっかり勝ちそうなキャラではあるが。
というわけで、色んなものが一気に動く新章開幕でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
無邪気にすらみえていたはなのエール、野乃家の優しさが、実は深い傷を受けたからこそのものだと見えたのは、とても良かった。
みんなそういう場所から這い上がって、何とかヒーローであろうともがき、へし折れては仲間に支えられて日々を生きる
そういう普遍的な弱さと強さの物語を、野乃はなとキュアエールは背負うのだと、力強く宣言していました。それを受けるジョージの”夢”も、鋭い描画であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月8日
強キャラオーラムンムンな封印幹部も気になるし、HUGっとの夏は熱くなる!
え…来週は水着回?チャラリートくん再登場?やべーな超楽しみ