・最初に
(最初に謝罪から。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
これからからくりサーカス第30話の感想を書いていきます。
なんか作品との歯車がずれて二ヶ月ほど放置してしまいましたが、7月に入るまでには見切って、感想も書きたいと思います。長らく置きっぱなしにしてしまって申し訳ありませんでした)
・本題
からくりサーカス 第30話”Pieta”を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
人生は舞台、人は役者。それぞれに役割があり、それを果たした時に退場していく。
ギイ・クリストフ・レッシュ。母に焦がれ、愛を見守ってきた男の命が尽きる。人類の命運を背負う列車を見送って、一世一代の舞が始まる。
そこに伊達男は、何を見るか。
というわけで最終決戦開始! バタバタたたまれる風呂敷! ドミノのようにぶっ倒れていく敵味方! その第一章!! というエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
マージでこっから沢山死ぬ。広げた風呂敷を畳みまくる、大河ドラマの醍醐味と言えようか。いや、やっぱ死なないほうが良いんだけどさぁ…。
アニメに再構築するにあたって、特に”サーカス”部分の描写がかなりすっ飛ばされて、風呂敷のサイズがちっちゃくなっちゃってるキャラもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
ギィは結構丁寧に風呂敷を広げれたキャラだけども、やっぱ日常の蓄積がないのはちと寂しい。ほのぼのギャグもからくりの味なんだが、結構な量削ってるからね
とまれ、お話は列車の出立とギィの退場に向けて、色々整っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
自分の気持を鳴海に伝えきれないミンシア姐さんと、しっかり向き合って義弟の器量を確認するギィの対比が、なんとも残酷。
リーゼといい、自分のヒロイン死刑執行書に自分でサインするキャラ多いよなぁ、からくり…。
フェイスレスが本性表してからこっち、鳴海は不和の中心、ギクシャク人間関係のエンジンとなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
『まーた身内で殴り合いか…』と思いきや、ギィお兄ちゃんは存外物分り良く、その真意を見定めて背中を向ける。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン pic.twitter.com/afZ4rYRjNJ
不和に傾いだ対立の構図から、一線を踏み越えて相手の目を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
鳴海自身すら忘却している灯火を見抜いて、構えを問いて画面は真っ直ぐになる。
一線の奥に引いたギィは、鳴海のためエレオノールのため、最後の舞台に上がる覚悟を決める。足元のラインは、生死の境なわけだ。
ルシールもジョージもそうだが、しろがねは譲れない業と共に『人形殺しの人形』となり、人間に戻ることで砕け散る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
ママンから引き継いだ”妹”を託せる男に出会った時点で、ギィのカルマは払われていた。鳴海に出会ったことで変われたのは、エレオノールだけではないのだ。
そんな自分の成し遂げた偉業を、鳴海は知らない。ギィが後詰を最後の役目と任じて死んでいくことも知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
道化師はFoolとも綴る。ディーマンの仮面をかぶり、己を殺戮の道化にするべく記憶を捧げた男は、やはり愚者なのだ。その愚かさを、ギィはまるごと愛した。
最後の別れにもウィットを込めて、あくまで華麗に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
ギィらしい”Bon Voyage”を受けて、列車は漕ぎ出す。
押し寄せる三千の悪意。ギィとオランピア、最後の奮戦である。
綺麗に闘い続けたギィが、最後に血まみれ銀まみれで泥臭く戦うのが、結構好きである。クールガイがなりふり構わなくなる瞬間好き。
そしてその男伊達を、勝だけが見るのも良い。鳴海が”愚者”のアルカナを持つなら、勝は全てを見て受け継ぎ、完成させる”世界”のアルカナを持つ感じか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
からくりサーカスは、壮大なタロット占いと言えるのかもしれない。(アルカナはあまりに偉大な魔術書なので、大概の物語はこれで読めるけども)
ギィの死を、鳴海がかつて助けた人の真心を背負って、勝は列車へと追いすがる。定まった運命へ駆け抜けていく流れを、少年だけが変えうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
三人はあの夜以来、もう出会うことはなかった。
これがからくりサーカスを貫く宿命なんだけども、追いつかないからこそ全力で追いすがる速さも生み出している。
そして最後にギィが思うのは、愛する”妹”のこと。ママンに捨てられ、ママンと出会い、ママンを守りきれず死に場所を探していた男は、人間的な幸福を遠くから見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
夢の中でしか、家族の幸福を味わうことは出来ない。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン pic.twitter.com/SiSYcuEG2b
過去の思い出では門の前で立ちすくむしかなかった『幸福な結婚』に、夢の中では踏み込める。しかしそれは死を前にした儚い夢で、ギィが人として、家族としての幸福を掴むことはなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
アンジェリーナと正二、エレオノールと鳴海。しろがねの運命に寄り添う伴侶に出会えた女を、見守る役目。
ギィ自身には、ロマンスを受け取る相手はいない。いないからこそ、主人公三人全ての”兄”として、時に厳しく時に優しく道を教える仕事が出来た、ともいえようか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
家族の幸福は、しろがねには遠い。ルシールとアンジェリーナにも通じる、一つの摂理だろうか。しかし、その夢も死に際に叶う。
未来をその目で見ずとも、信頼し微笑んで死んでいける。そう云う境地に立つことが、しろがねの長い生を終える条件なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
とすれば、最も歪んだ”しろがね”たるフェイスレスを打倒するには、その因業も解消してやらなきゃならんわけだが。マージめんどくせぇあの童貞魔王…。
かくして男の祈りを込めて、列車は漕ぎ出す。不和と致死の運命を込めて、レールが軋む。一番最初に旅立ったものの後を、幾人かの魂が追うだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月28日
その時、払われる業は何か。夢見られるものは何か。生き延びるものが、その血から受け取るものは。
終章開幕からくりサーカス、次回も楽しみですね。