ギヴンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
燃えカスのような俺の魂に、あの時火が入った。
凍りついた僕の心が、あの音で動き出した。
少年たちは天使の階段の上で、音楽のように出会う。それが恋なのか、己を突き動かすものすら知らないままに。
兎にも角にも、バンドは生まれちまった。なら、もう弾くしかないのさ。
そんな感じのノイタミナ初BL! ど真ん中ピュアラブ音楽青春群像劇、怒涛の開幕である。原作未読なのでアニメを見たフィーリングだけで言ってるが、多分間違いない。アニオタ歴は長いんだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
全然”初”って感じしねぇけど”BL誌原作では”初、ってことだろうな。
しかし滑り出しとしてはあまり恋のにおいはせず、非常に清廉にそして熱く、青春が動き出す物語であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
美しい光が差し込む階段の踊り場は、運命の聖域。そこで鳴り響いた音が、少年たちの運命を変えていく。
そういうど真ん中のパワーで凄まじい乱撃(ラッシュ)を仕掛けてきて、顔面ボコボコなった
24分見終わる頃には、溢れる甘酸っぱさと熱量、残響する音楽でフラフラんなっちまって『…やるじゃん…』としか言えねぇ機械になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
『今期のノイタミナは”やる”』と断言しても良い、とても良い第一話でした。透明で綺麗な部分と、熱量満載の部分、非常にクレバーな部分が混ざりあっていた。
お話は非常にストレートな青春音楽群像劇の出だしで、心を封じ込めた天使少年と、いつかの思いを燻らせたツンツン少年が運命のように出会っちまうところから開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
淡い色彩と見事なライティングが、作品世界に透明感と滑らかさを与え、とても綺麗だ。
このパット見の綺麗さに、”音”へのこだわりが噛み合って『すごく綺麗なものを書く。ぶつかって不協和音も生まれるが、それでも綺麗なものを』という気概が、強く感じられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
真冬くんが”音”に出会ってしまう瞬間、響いた特別なハーモニー。それをしっかり叩きつける演出力、非常に良かった。
まず主役たちのキャラが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
真冬くんは未だエンジンかかっていなくて、主観は立夏くんにあるわけだが、彼がツンツンを偽装した超善人でぜってぇ好きになっちまう。
いや、フツー不完全燃焼の燃えカス人間は、ヤベーオーラ漂わせた天使ちゃん拾わねぇから。イライラしても弦変えねぇから。
立夏くんは凄く面倒見がよくジェントルな青年で、つっけんどんな態度の奥にミエミエの優しさ、燃え盛りたい情熱を隠している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
それがよーく分かる、主人公を好きになれる第一話だったのが、話の続きを見たくなる一番大きな理由かもしれない。優しいボーイが好き…。
ウゼーだりー言いつつ、危険が迫ったら引き寄せて、ちゃんと守ってアゲる。ふわふわ危なっかしい真冬くんに惹かれて、見過ごせない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
そういう立夏くんの心情を見せると同時に、真冬くんが背負う輝きは立夏くんとの出会いが特別であることを、ひっそり知らせる
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音楽との出会い、恋との出会いが、闇の中の光であること。青く鮮烈な街灯が、静かに未来の運命を暗示している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
光の使い方はあらゆるシーンで鮮烈で、自分で突き放したのに天使に会えなくなるとその羽根を探すところとか、とても綺麗だ。
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あらゆる時間帯で、手放したはずの出会いを探し求めてしまう。自分が恋に落ちていると自覚できないまま、動き出した心を持て余す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
立夏くんが全く自己分析、自己掌握できていない大暴走っぷりがとても良かった。青春も恋も、簡単に手綱はつかないものなのだ。可愛い。
立夏くんが一旦真冬くんと距離を置いたのも、冷たくしたわけではなく自分以外の可能性を知ってほしかったから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
わざわざ相手のことを思いやるけど、それを素直に言葉に出来ない不器用さは、ピザ焼くのを待っててくれたお姉さんと同じである。こういう細やかな優しさと繋がりの描写が好き。
真冬くんは謎めいた天然天使のように見えるけども、凄く貪欲なものを秘めた子で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
音楽と出会った瞬間、彼は獣のように六花くんの喉笛に食らいつき、教えを求める。それぐらい強く、心が動いたのだ。そして心が動くと、天使は獣になる。
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この絵は凄く良くて、錆びついたギブスンを修理すること、真冬くんと出会うことが立夏くんを燃え上がらせ、引っ張り上げる出会いなのだとよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
弱々しく教えられる側の真冬くんが、力強く引っ張り上げる側、才能を持つ側に実はいるのだと、第一話の段階でしっかり示している…ように思う。
何しろ原作未読なので、的外れな当て推量を繰り返している感じだけども、かなり演出のメッセージが明確で、あんま外れないかな、という予感もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
野良犬の秘めた優しさ。天使が隠した情熱。キャラの二面性を発電機に変えて、物語を推進させていく力を生み出す計算高さ。
それが一シーン一シーン、絵画のように美麗な絵力と、気合の入った音楽にしっかり支えられ、十分な体温を宿して駆動していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
ありきたりな出会いがありきたりに感じる、しっかり地面にグリップしてトルクを生み出しているのは、細やかな配慮と大胆な筆致が噛み合っているからであろう。
うざってぇばかりの出会いは、真冬くんにとっても立夏くんにとっても特別で、薄暗い陰りの中から自分を引っ張り上げてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
ギブスンの弦が錆びついていたのは、謎めいた天使だけじゃない。与え、与えられる中で二人はより強くお互いを求め、輝いていく。
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そういう予感がしっかりある、良い踊り場の聖域描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
出会ってからは基本、手すりが生み出す影の中に二人は座らない。鳴り響いた和音と恋は、抱え込んだ影から自分を出してくれるものだから。
立夏の影は、初期衝動がいつの間にか錆びついていた寂しさだ。それは彼の一人称で進む今回良く見える
では錆びついたギブソンを構え、どこにもいけないまま踊り場に流れ着いた真冬くんは何を隠しているのか。何を求めているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
知らないからこそ知りたくなる。危なっかしくて魅力的な横顔と合わせて、思わず踏み込み求めてしまう立夏くんの心境と、物語の進行、視聴者の目線がかさなっていく。
同時にこの話は”バンド”の話でもあり、同い年青春ど真ん中の二人で完結せず、年かさのリズム隊も主役である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
立夏くんが真冬くんを連れてきたときの対応一つで、彼らが気さくで年下の仲間をよく見ている、優しい青年であることがよく判る。軽いようで見えて、重厚な優しさがしっかりあった。
彼らもまた、彼らなりの重たさと陰りを抱えているのだろうけど、しかしそれは年下のバンドメンバーの前では表には出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
誰かを守るための強がりを、多分彼らも抱えているのだろう。それが自分の弱い自意識なのか、手の届かない脆い他人なのかは、今後のお楽しみとなるか。
ノリで初心者にプレイ見せたようで、立夏くんの中のくすぶり、特別な予感をしっかり見据えて動いている所が、なかなか信頼できる男たちである。優しいメンズが好き…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
踊り場で出会った単和音ではなく、3ピースが噛み合って流れていく”音楽”。孤独な一人が、バンドになって生まれるもの。
高校生二人の関係が特別であることをグイグイ押し込みつつ、”バンド”であること、年も立場も違う誰かと繋がることが新たな音楽を生むことを、無視しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
天使を見失った立夏くんより先に、中山さんが真冬くんを捕まえてるのが好きなの。
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『ああ、彼らはバンドになって、ぶつかり合いながら音楽を作って、それを聞きながら人生を加速させていくんだな』って感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
二人の話ではなくて、四人の話なんだなと、二人の出会いに注力したこの第一話でちゃんと伝わるのは凄く良いと思う。
加えて、絆創膏の努力を見落とさない立夏くんの目線
ホントねー、クスブリ系省エネやれやれボーイを装ってるつもりかもしれないけど、そういう人間は他人が努力して掴み取った”音”を聞き逃して、もっと冷たくしちゃうわけよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
『このボーイ…かなりの善人…』って感じだよ、NARUTO語で喋ると。
作中演奏を担当するセンチミリメンタルのサウンドも素晴らしく、『天使と出会って久々にノリノリ』なギターがしっかり伝わってきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
真冬くんのリクエスト通り、カットの効いた”かっこいい”ギターなのが、アニメの中の”演技”として非常に良かった。惹かれる心に納得がいく。
演奏シーンはロストコで立ち上げてるみたいですが、バンドメンバーが目配せや音それ自体でコミュニケーションを取り、お互いのやりたいことを引き受けながら演奏している感じが、ハッピーでよかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
言葉がうまく見つけられない真冬くんが、ようやく出会えた無言言語。それが”バンド”なのだろう
出会ってしまった四人がどういう音楽を奏で、どういう感情と関係に飛び込んでいくか。それが社会とどう関わっていくかは、今後の話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
だがこの鮮明で綺麗な出会いは、物語をどこまでもお仕上げていくパワーを持つ。そう確信出来る、良い出だしでした。このアニメ面白いぞッ!!
真冬くんの儚さと危うさ、似つかわしくない秘めたるパワー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
立夏くんのクスブリと優しさ、出会ってしまった特別に気づけない不器用。
話の軸になる二人を一瞬で好きになれる、彼らの顔、作品の顔が良く見える挨拶でした。こういうパキッとした第一話が好き。明瞭明朗であるな。
何故踊り場の聖域で、天使を待ってしまうのか。己の中でうねるものに気づかない立夏くんと、己の中の獣を押さえ込み、言葉を失っている真冬くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
二人がどんな音楽を奏で、混じり合っていくのか。年長組の地獄はどんな塩梅か。来週が待てねぇぜ…超面白いぞこのアニメ! みんな見て!!!
追記 姉がわざわざ待って作ってくれたピザは、モグっと食べてる所がポイントかな
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年7月11日
真冬くんが差し出した焼きそばパンを、まだ立夏くんは食べない。しかしバンドは動き出し、音楽が混ざりあう瞬間は近づいている。見の養いを口に入れることは、心を許すことだ。
二人がいつ、どんなメシを一緒に食べるかは、個人的注目ポイント。
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