ハイスコアガールⅡを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
出会った時から今までの、全てに決着をつけるための大阪決戦。
前乗りでたどり着いたナンバ界隈は、美味しいグルメに楽しいゲーセン、夢が詰まったワンダーランド。
ハルオと大野さんは、運命を前に精一杯はしゃぐ。それが、幼年期の終わりだと知っているかのように…。
というわけで終章突入! ゲームで体温上げる前に凄まじい糖度でイチャコラするぜッ!! っていう、ハイスコアニメ第22話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
昼から夜、移り変わる時間に合わせて、二人の変化を覆い焼きにしていく展開が非常に良かった。
大人になったその先に、一体何が待つのだろうか。
今回全体的にハッピーハードコアな仕上がりで、楽しそうに大阪散策する二人ににやにやが止まらんわけだが、同時に待ち受ける陰り、ただ無邪気とはいられない成長を刻むのも忘れていなくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
満面の笑みでじゃれた次の瞬間に、この陰り。
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガールⅡ製作委員会 pic.twitter.com/UBCrmXXJZJ
もう子供ではいられないからこそ、ゲームに夢中な子供だからこそ出会えた時間を、大切になぞっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
今回の大阪旅が意味するものを、冒頭からしっかり演出していく筆が元気である。佐山聖子キレてるなぁ…。
大野さんのアンニュイな表情を、クスグリで撃沈されたハルオは見れない、っていうのも巧い
『あくまで二人の間になんの変化もない、ゲーム友達で最高のライバル』っていう建前を守ることで、大野さんとハルオの距離感は危うく維持されているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
トンネルの窓ガラスに反射する、子供には出来ない表情を見てしまえば、それは崩れてしまう。
だから、ハルオは(まだ)見れない。
そんな大野さんがこの旅行に載せたものを、見事に暗喩する青空。最終カットで使う”さくら”が写り込んでいるのも、とても印象的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
それは”家”の抑圧と愛との離別が待つ外国にも、”家”から出た自由にも繋がっている。
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出会いと別れの季節に咲く花に、少女は何を思うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
セリフを持たない大野さんだからこそ、情景でガッチリ心情を魅せる演出が大事になる。
今回は表情や言葉も、たっぷり出たけどね。使える”道具”フル動員してくるのが、最終決戦感満々でいい感じだぜ。
二人は出会った頃を取り戻すかのように、大阪を食べ尽くし、遊び尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
一足早い卒業旅行の間だけは、ゲームキッズのままでいられる。そんなモラトリアムの優しさと、もう子供じゃない情愛と優しさが火花を散らす。
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想い人の袖をそっと掴む、大野さんの純情。その震えを受け止めるときの、ハルオの慈愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
そういう柔らかなものを書きつつも、不安定な未来を語る瞬間に”廃棄”の張り紙と、死んだモニターを写して一筋、毒を匂わせる。
ただ甘い感じに仕上げないことが、むしろ切なさを限界領域まで引っ張る。
こういう子どもたちの世界に、電子の妖精(CV安元洋貴)は優しく立ち会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
今回はガイルさんむっちゃ喋りまくり主張しまくりで、妖精譚の趣すらあった。
なんだよ『心の待ちガイル』って…だいたい分かるけども。
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ハルオの善き相談相手、人生指南役となっているガイルさんは、『ゲームはいつでも、俺たちの隣に』というこっ恥ずかしいメッセージを、笑いに交えて担当しているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
何者でもない鬱屈も、人生の難しい問題も、ゲームが支えてくれた。一瞬の気晴らしでも、現を抜かすための夢でもなかった。
そういうメッセージが、当たり前に”実在”しているガイルさんの書き方には刻まれてんのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
現実ならざる幻想だからこそ、現実の重さ、冷たさに向き合う糧になってくれる。
ファンタジーが思春期(そして思春期を超えた時代)にどういう仕事をするか、この作品はかなり鋭く抉っている。
食べて遊んで、一緒に笑って。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
出会った時そのもののような時間を、半分大人だからこそ使える金で堪能した二人を、夜が包む。
ソフトフォーカスでキラキラに瞬く、大阪の熱い夜。
日高さん…アンタが差し出せなかったのは”コレ”!!
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繋いだ手がハートの輪郭を描いているところとか、マジモンのロマンティックだなと思うけども、大野さんはどっしり腰を据えて、高校生になってしまった自分を差し出してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
エロいことにも、当然興味あり。もう子供じゃないんだけど、んじゃあどう大人になれば良いのか。
そんな階段のど真ん中でアガったりサガッたり、盛ったり醒めたりしてるハルオにとって、日高さんの青春猛ダッシュはちょっと急ぎ過ぎだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
一緒のペースで成熟の階段を登ってくれるところも、大野さんのアドバンテージである。まぁ根っこがヘタレで、それがハルオと似てる、ちゅう話だが。
しかし一生1方向にレバー倒しているだけでは、恋のクリティカルKOはやってこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
ガイルさんの導きで飛び込み、飛び越えた壁。
伸ばされた手、かかる吐息。
”真夜中のお楽しみ(ミッドナイトプレジャー)”はこれからだぜ!(気合の263PPP入力)
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日高さん相手には踏み越えられなかった”性”の壁を、大野さんなら飛び越えられるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
そこを超えれば、”大人”になれるのか。
ロマンティックでエロティックなムードに大変ドキドキしつつも、そこには作品を貫通する大きな問いかけが眠っている。
何をどうすれば、”大人”なんだろう?
ノスタルジーに塗れた幻想を描きつつ、このお話はずっとそういう普遍を問い続けてきた。その渦中に、ハルオも大野さんも日高さんも、全てのゲームキッズ…全ての子供達がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
それは作品の最後まで、エンディングを超えてなお響き続ける、とても太い問いかけだ。
その答えが一つ、否応なく出る真夜中の至近距離戦闘。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
思い切り愛の花園に飛び込んでいくのも、『俺たちにはまだはええわ』となるのも、彼らが見つけた真実だろう。
そしてその先に、ゲーマーとしての魂を込めた決戦が待っている。それを乗り越えた先にも、人生は続く。
幾重にも重なる、時間の足跡。
”今”しかないこの瞬間を甘酸っぱく、鮮烈に描くエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
大阪ぶらぶら旅が、上手く二人が歩んできた歴史を追いかけて、気づけば男と女になっていた”今”にたどり着いて続く。構成が非常に良かったと思います。
声、表情、仕草。全ての武器を解禁したフルアーマー大野さんが”無敵”だった。
子供から大人へ駆け抜けていく、あまりにも熱い夜。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月7日
その先に待っている、子供だった俺たちに決着をつける一戦。
ゲームで出会ったんだから、ゲームで終わって、また始まろうぜ。
エンドロールに向けて、静かに加速していく青春超特急。ハイスコアガール終盤戦、マージで面白い。来週も楽しみ。