波よ聞いてくれ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
ミナレの冠番組第二回は、ヤバい隣人に取り付いた、悪霊退治実況生中継!
天井裏から滴る腐汁に、隠された慕情と別れ。迫るポリスと意外な真相。
ダメ人間どもアタシんとこ来い!
アタシもダメだし心配すんな!!
いや、そのうちナントカもならないし、ダメなもんはダメでしょ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
そういう感じの、深夜の電波無法王国方向性確立回。
『安全圏からヤバ案件を実況して、ウケるコンテンツを作るぜ-!』って言ってたら、自分が一番ヤバだったという…まぁこの話、この主人公らしい展開であった。泣けるぜ…。
このアニメが『なんかそれっぽい雰囲気を醸し出す、適切な様式制御』に長けているのは、まるでお仕事青春真っ只中作品に見えるOP見ても判る通り。サビん所の詐欺力マジたけぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
実際色んな要素が貪欲に盛り込まれていて、なかなか複雑な味わいがするアニメなのだが、”ぽく”仕上げるのはとにかく上手い
沖くんの部屋に漂うヤダオーラ、そこから進展していくサイコスリラーテイストは、『なんちゃって』で収まらない室の良さがあるからこそ、最後にダダ滑りに堕ちてくパワーが有る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
ミナレの浅はか極まる視線だと、スパイとの悲恋、その果てにある猟奇…なんだよ、一応。そこがちゃんと切り取られている
その合間にもウロチョロウロチョロ、妙に瑞穂は可愛いし、シニカルな笑いも元気なのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
マージで今回端っこで一生ウロチョロしてる瑞穂は可愛らしく、素晴らしかった。
カメラマン張り切ってるの、一生懸命でイイね~。
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まぁそれでやってるのは、精神的にマジ追い込まれてる人を外野から窃視して、ラジオのネタを稼ごうとするさもしい取材なのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
『一番生臭ぇのはミナレ、お前の魂じゃねぇか?』というこのときの疑問は、最悪の形で最後にアンサーが変えることになる。いやー…忘却って怖いねッ!!
沖くんの語るストーリーは、結構重くて辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
最終的にオチは付いたけど、彼女さんが失踪して、傷心抱えて北海道まで逃げてきた事実は別に動かねぇからな…。
洒落にならない重たいモノも、洒落になっちゃう人生の不可思議。そういうのを切り取るコメディである
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幾重にもフラグを積み重ねた末の、エロティックな手繋ぎ。それは儚く消えて、傷は治らないまま呪いに変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
そういう重たさを他人事に、勝手に他人の本を傘代わり腐れ汁を避ける女が、鼓田ミナレである。いやー、スゴイねアンタッ!!
ミナレは元気な思い切りの良さ(と、彼女自身が自分をジャッジしているもの)を全開に、屋根裏に乗り込み、悲劇の裏側を推測する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
その猪突猛進は中原くんWithスタンガンとポリスを呼び込み、沖くんは悲劇の殺人者として連行されていく。
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なんか『愛憎と狂気の果て…落ちない罪の烙印…』みてぇなムードでまとまって、Aパートは終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
しかしそこで話が終わるわけではなく、ミナレは断罪者のポジションから一気に滑り落ち、作中最強のダメ人間として、冠番組の方向性を確定させていく。
転落もまた、他人事なら笑いの種。
(麻藤さんに唆されつつ)ミナレ自身が足場を置いた、シビアでドライなネタ探しの残酷。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
それは彼女自身を飲み込んで、ダメ人間共を特権的に笑う安楽を、作品に与えはしない。
ダメ人間の話の主役なんだから、お前が一番ダメ。
正しい運びだし、公平で倫理的ですらあると思う。
何よりも、ミナレの浅薄と身勝手はとにかく面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
急にクトゥルフ日記文体を引用してくるインテリジェンスが、ピカリと光るマシンガントーク。
失踪者の人格を勝手に決め、元隣人の殺人淫楽まで突っ走る失礼な妄想。
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ブンブン唸り倒すハイテンション&ハイパワーな『世界の真実』が、当然のように足払いを食らってズッコケ、失礼人間が痛い目見る展開には、左の頬を張られたら右の頬を張替えす、ある種のバランスの良さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
みんな未熟でみんなダメ! それがこの作品が見据える、半煮えの面白い世界である。
沖くんをヤバ領域に追い込んだ呪いは、全てミナレのうっかりが原因だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
ちらつかされる”訴訟”の重たさに喉を支えさせながら、波に乗っかる公式の謝罪。
身動ぎしない沖くんの腕組み、”圧”あるなぁ…まぁ当然だわな。
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どこに出しても恥ずかしい、ダメダメのダメ人間をさらし者にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
そんな番組の第一号に、パーソナリティ自身が成り果てるスタート。
思わぬ成り行きに麻藤さんもドン引きであるが、まぁお前が選んだ女はこんな感じだよ。
フツー、生肉床下に収納するかぁ?(フツーじゃないんでします)
しかし初手でケツの穴まで晒して、強固に方向性を示せたのは番組的にはいいかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
ロールモデルというにはあんまりにあんまりだけど、泣けるほどに”深夜ラジオ”らしい番組にはなった。
今後ミナレの背中を追いかけて、北海道中のクズが押し寄せる…のだろうか。イヤなラジオ・ジーザスだな…。
それは先の話として、公共の電波に乗っかった重めの謝罪は、”訴訟”の二文字を取り下げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
現実で心配事があると、ペラペラ回りペロペロ舐める舌が途端に元気なくなるのも、ミナレらしい。
訴訟回避で一息ついて、涙涙の地獄の船出。
さあ、波よ聞いてくれッ!
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断罪者が一転”被告”に落ちる瀬戸際で、浮かべたへつらいの笑み。その卑屈さがマジで最強であるが、兎にも角にも強烈に、番組のアイデンティティは確立された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
クズいモノたちがド深夜、さらなるクズをぶっ叩く!
大丈夫、パーソナリティのアタシが最悪の屑だ! もう聞いて知ってんだろ!!
そういう感じで、人格のパンツは脱ぐどころかダイナマイトで爆破するような、第二回放送であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
人間としてはマジ最悪だが、芸で人の心を動かすならば、飾りは邪魔である。
どっかスカシた上から目線を、ポリス沙汰直前に追い込まれることでぶっ壊されたのは、ミナレにとっていい経験…か?
泥酔して家には乗り込まれる、精神崩壊寸前まで追い込まれる、恋人大事だったのに殺したことにされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
沖くんこそが、碌でもなさの被害者であったのではないか。
公器たる放送電波で、垂れ流されるロクでなしの悪ふざけ。その意味を問うスタートとなった。(なってない)
クズを笑うスタンスは問答無用に面白く、だからこそ濃厚なヤダ味が漂う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
そこに踏み込むのであれば、主役もまた安全圏にはいねぇ…つうかクズの大吟醸生搾りであると見せるのは、毒ガス抜きに丁度いい。
みんなドロドロのダメ加減に、腰まで浸かって生きてるんだッ!!
そんな番組と作品の方向性を、強烈に焼き付ける第二回放送でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
いやー…最高にろくでもないなッ!!(褒め言葉)
クズをネタに笑い作るなら、やっぱ安全圏なんて作っちゃダメで。みんなドブに引きずり込むのが、公平で公正だ。
その上で、妙に生暖かい人間味を忘れず、絶望も諦観もしない。
そういう矛盾を踊らないと、シニカルなコメディは成立しないと思う。泥まみれのクズ行列には、作品を作る”自分”も含まれてんだろうな-、とか思う。クレバーだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
夢っぽくて詩情のあるシーンが妙に上手いことが、このバランス取りを成立させてる感じもある。麻藤さんの、シセル光明への感情とかね…。
深夜に稲妻のように、フェイク”じゃないドクズ力を叩きつけた”波よ聞いてくれ”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月16日
第一回にぶん投げた嘘っぱちと合わせて、レディオ・バーリトゥードの禁じ手なしな方向性は、存分に示せた。
ヤリ過ぎ自己開示を世界はどう受け取り、ミナレと番組をどこに押し流していくか。
次回も楽しみ、ろくでなし!