A3! SEASON SPRING & SUMMERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
サマーシーズン到来ッ! サラナルレベルアップを目指し、夏組は合宿での共同生活に入った。
しかしリーダー天馬の俺様気質は、至る所で衝突を巻き起こす。
炸裂する言葉の爆弾、謝れないプライドの壁。
はたして彼らは、”カンパニー”に成れるのかッ!
そんな感じの、男たちの一番暑い夏である。いや、いづみちゃんもいるけどさ…つうか、一番大事なところはガッチリ握り込んでるけどさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
衣食住を共にし、演劇漬けになる濃厚な合宿空間。相手の良い所も嫌な所も見えてくる。天馬は自分なりのリーダーシップを探す…中で、自分をちょっとずつ変えていく
圧倒的な経験値と、それに支えられた観察・言語化能力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
譲ること・褒めることを知らない、尖った人格。
長所と短所をどう噛み合わせ、カンパニーの中心としての仕事を果たしていくか。
時に間違え、時に改め、一歩ずつみんなで。
天馬の変化と資質が、夏組全体を前に進めていく回となった。
真澄・ザ・キモ蔵のストーキング漫才などもありつつ、先週ラストを引き継いで、咲也と視線を交わすところから合宿は始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
なかなか上手く行かないリーダー稼業の苦労を、共有できる仲間が出来たのは、天馬にとって良いことだ。しかし、これは”夏組”の合宿。
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舞台を同じくしない春組に、頼ることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
それでもまっすぐ視線を交わせる相手がいることは、俺様な態度にナイーブな魂を隠してる天馬にとって、良いことなんだと思う。
今回強調されるけど、ホント団員と目線が噛み合わないんだよな天馬…すれ違いが強調されるからこそ、融和が嬉しくもあるが
反発とすれ違いの中心にいるのは、自我の強い幸くん。”Just Comunication”出だしのヒイロみたいなポーズで、天馬をまっすぐは見ない。夏組は男ツンデレ大豊作ですッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
その手を引いて、前に進めていくのは椋。ここら辺は、前回作った関係性を生かした描写だ。
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服の脱ぎ方畳み方で、各キャラクターの人格を伝えたりしつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
演劇付の合宿はゴリゴリと進む。
芝居になると天馬の得意領域で、的確な指摘をドンドン投げ、舞台をレベルアップさせる実力が表に出てくる。
感覚ではなく理性で、役柄や物語を解体整理して芝居を消化していくタイプなのね。
さすが正統派というべきか、天馬は演劇をより良くしていくメソッドが自分の中に明確にあって、それに基づいて公平に、他人の芝居を判断もできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
のだが、欠点ばかり指摘するのでモチベが削がれていって、良薬が口に苦いだけになってしまっている。
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椋はキツい口調に萎縮しちゃって台本を”読む”だけになってしまっているし、三角はお空の三角に夢中になっちゃうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
バラバラな個性が噛み合って、良い芝居を板に乗せるカンパニーが出来上がるには、程遠い状況である。
ここで”読む”ってことは、椋は失敗したくない意識が強いんだな…。
休憩時間でも、天馬だけが腰を落ち着けずに立っていて、残りの四人に馴染まない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
椋の頑張りに、三角が投げた訳わからねぇ親愛の証。
椋はそれを訳わからねぇなりに受け取っているのに、天馬は視線を真っ直ぐ向けてくれない。
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しかし、その価値は認める。メンドクセーツンデレだな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
作品を読み込み、連動する全体として演劇を消化していくこと。椋の努力は多分、天馬も役者として”当たり前に”やっていることなのだろう。
ここら辺、センスでやれてしまうので役柄の背景、物語の全体像を掴めてない幸とは、面白い好対照。
いづみ監督、夏組相手にはどっしり構えて泳がす感じらしく、アイスブレイクの機会と一緒に飯を作らせたりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
手探りだった春組に比べて余裕が出て、監督としてどこを握って、どこを手放せばいいか判ってきてる感じがある。
メリハリをつけた組織運営ッ!
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…って方針だと、演劇特化型の人間力LV1ボーイが暴発するのは止められないわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
口を開けば棘ばかり、間をつなごうと頑張ってくれる三好さんにも、核爆弾級の言語地雷を全力投球だ。いやー天馬クン…”戦争”だよそういうこと言っちゃうと…。
凸凹グループの潤滑剤として、三好さんの仕事はデカい
集団の異物になりそうな三角にも、積極的に話しかけているし。雰囲気が明るくなるよう、個人的な凹みとか見せず、テンション高く振る舞ってくれてるし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
しかしそういう道化の気概を、まだ若い天馬は判らない。なまじっか実力で成功した分、他人を敬する視野を蔑ろにしちゃってる感じある。
天馬がぶん回した言葉の刃にこういう表情するってことは、三好さんもなーんも考えていないアーパーでは当然なくて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
でも苦笑いで、若造の大暴投をなんとか受け入れる。タフな男だ…。
そして天馬は、自分が投げかけた爆弾に耐えきれず背中を向ける。涙代わりに、雫一つ、と。
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最悪に荒れ狂った夏組の空気を前に、ついにあの女が立つ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
顔だけが良いクズ人間に、真心を教えて背筋を伸ばすなら任せておけ、我らが主人公のご登場である。
いづみちゃんは登板タイミングを絶対間違えず、ぴしゃっと抑えるから頼りになるネ。
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ここで天馬が食って(案外ウメェ…)って顔になってるカレーは、いづみちゃんの音頭でもって”みんな”が作ったものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
それを口に入れる。旨いと思う。
食事という行為が、彼がリーダーとして引っ張らなければいけない夏組、そのために必要な敬意と謙虚を飲み込む過程を、上手く象徴化している。
それはただ美味しいだけでなく、立ち上がって光の方に進む活力になるものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
自分の失敗を認められず、集団に背中を向けている初期状態では、天馬は暗くて低い場所にいる。
いづみちゃんは底より少しだけ高い場所から、『褒めるべきを褒め、正すべきを正す』指導を実演していく。
いづみちゃんは天馬の演劇視力、言語化能力を高く買っている。咲也のアドバイスを受けて、天馬なり歩み寄ろうと頑張っている姿も見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
見てもらうこと。認めてもらうこと。
それを他ならぬ天馬が体験することで、リーダーとして必要なメソッドを、彼は体得していくのだ。
正論で上からぶん殴るのではなく、横並びに座って、手を伸ばして判ってもらう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
いづみちゃんが天馬を導く方法は優しいし、とても正しい。そういうふうに寄り添ってもらえば、もっと夏組もよく成れると、この伝え方なら天馬にも判るだろう。
人間としての太さが、効率の良い指導を生む好例である。
”みんな”のカレーといづみちゃんの想いを腹に入れて、天馬は俺様な自身/自信を取り戻す。光の方へ、より高い場所へ歩き直す力を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
ここでいずみちゃんが”影”なのが、役者としては輝けなかった彼女の過去と今を照らしていて、なかなか好きだ。
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いづみちゃんが監督として、支配人として、人格バブちゃんなイケメン共の首根っこ掴みウーマンとして、正しく振る舞えるのは。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
天馬が浴びる脚光を、自分は掴めなかった過去をくすぶらせず、誇りを持って”影”を肯定できているからだと思う。
彼女は舞台裏に立つ自分に、プライドがあるのだ。
それは卑屈と傲慢の中間点にある、とても難しいバランスを掴めている、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
私には出来ないことがあって、私にしかできないことがある。そういう自分を客観視しつつ、見下さず見放さないで生きている、ということだ。
これはなかなか出来ることではない。マジ偉い。
彼女が誇りを持って後ろに下がっていることで、役者たちがいい舞台を作る下支えがなされているし、致命的に間違えそうな時はヌッと顔を出して、道を正してもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
彼女の人格あってこそ、役者たちの饗宴は成り立ってんだなぁ、と思わされた。
やっぱ主役が太くて、出しゃばり過ぎない運びは良い。
天馬は今できる精一杯を差し出すように、不器用に謝る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
仲間との間を遮る梁を超えて、相手を真っ直ぐ見ようとする。
それはリーダーの大きな変化で、つまり演劇集団・夏組の転換点でもある。曇り空に、光が差し込んでいく。
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天馬の面倒くさいツンデレを、同じツンデレの幸はなかなか受け入れられず、椋は二人を繋ぐように判ってあげる所が好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
椋の資質は、相手の立場に立って判ってあげることにあるんだろうなぁ…長所と短所の描き方、混ぜ合わせ方が鮮明なのも、このお話の良い所。
他人に敬意を持つことを憶えた結果、天馬の鋭い批評眼は相手に届くようになる。欠点を正しく指摘するだけでなく、長所を適切に伝えることで、モチベも上がるし補正も効きやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
これは天馬の新しい資質であると同時に、彼が秘めていたものの開花でもあろう。
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彼は演劇に対する敬意がある。感動させられたものを否定しない素直さもある。だから、春組公演に感動した自分に嘘をつかず、MANKAIカンパニーの扉を叩いたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
リーダーになってからも、同じ芝居をやる仲間がどういう存在なのか、しっかりと見ていた。そしてその興味と敬意が、上手く外に出なかった
これに道筋を与えたのが咲也といづみちゃんであり、他人が働きかけてくれることで、天馬は変わった…あるいは、自分を思い出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
元々その人の中にあるものしか、才能は開花しない。しかし水も与えられないまま咲くほど、”良さ”というのは優しい種でもない。
他人と触れ合い、影響を受ける中で自分を見つけ直す。外部からの働きかけも、自分の内側で起こる変化も、両方あって始めて、より善い結果が生まれてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
そういうアンサンブルの面白さを、沢山の交流の中で描いていくのが、このお話の軸なのだと思う。多彩で、面白い花束を見せてもらっている。
三好さんが三角の面倒、積極的に見てくれてるのがマジでありがてぇよ…三角が惹かれて差し出す”さんかく”を、三好さんも三角に返してあげてるのが優しくて偉い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
前半の重たい空気が抜けて、団員の色んな表情が見れる夕べ。騙されて慌ててなお、椋のカバーに入る天馬が善良。
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天馬のコミカルな常識の無さも、芸事一本に青春を燃やしてきた裏返しなわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
そうやって取りこぼしてきたものも、今ここで取り返すことが出来る。そうしてくれる。仲間がいる。
三好さん…アンタの道化っぷりが、重いもん背負った若造助けてるよマジ…。
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三角がネグられてるっぽい空気に俺も『ガタッ!』ってなったけども、MANKAIカンパニーは損なわれたものを取り戻す、リハビリセンター的な側面が確かにあるのだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
各キャラクターが備えた、それぞれの欠落。それを欠如で終わらせずに、補うことで長所に変える。その発露の場として、劇場がある。
その一つに”家族”の再獲得があるのだろうし、カンパニーとしての関係構築、それを通じて自己を再発見/再表出していくアクトもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
イケメンの抱える欠損が一様ではなく、人生と同じように多彩であることがドラマとしての面白さ、キャラクターが支え合うかけがえなさにも繋がっていて、良い構成だ。
欠損を個性の一部と捉え、欠けた部分を埋めつつ活かすこの話の運びが、僕は好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
あるべき規範へと変質することで個人に価値をもたらす、”正しさ”の暴力性を、僕は受け入れられない。
正しさよりも面白さを大事にする”演劇”をテーマにしていることが、こういう歩みを許しているのかもしれない
そんな歩みを監督として、舞台裏からどっしり見守る女(ひと)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
いづみちゃんに見守られつつ、凸凹人間達の合宿は終わる。春組とはまた違った、同じ寝床に枕を寄せる結末。完全に陵南戦後の湘北だ…(何でもSLAM DUNKおじさん)
それは確かに、未来を示す灯火だ。
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というわけで、天馬をリーダーとする夏組が一つにまとまる、大きなきっかけとなる合宿でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
面倒くさいツンデレ人間が、頭の下げ方、肩の組み方を学んでいく。自分の資質をより善く活かす方法を、掴み取っていく。
やっぱ人が化ける話は見ごたえがあって、非常に面白かったです。
天馬の”才”が道を定めたことで、他の連中もグイグイ伸びて、公演が上手く行きそうな気配がガンッガンに盛り上がってきました。こういう説得力の積み上げは、やっぱ大事よね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月2日
この合宿で掴んだものが、やがて来る本番をどう輝かせるか。次回も楽しみ!