・まえがき
梅雨だ! アニメ映画の時間だッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
というわけで、色々あって新番組がまばらになりそうな六月末、ちょっと企画をやります。
っても、見逃してたアニメ映画を片っ端から見ていくってだけなんですが。
ネタバレバリバリ、感想も短めにザクザクやっていきたい。
第一弾は『ぼくらの7日間戦争(2019年)』です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
宗田理の青春エンタメを令和にアニメでリブートしたお話ですね。
原作とはフレイバーが共通しているけど、時代もキャラも別物。舞台も北海道の炭鉱街になっております。
公式ページは ↓https://t.co/wDtByvuocL
見た感想は…正直あんま良くなかった!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
少年たちの反抗モノなんですけども、彼等のヤンチャが洒落にならない感凄くて、イケないことを仮想でぶっ放す気持ちよさよりも、妙に正気になっちゃって勢いで押し切れない感覚が強く残りました。
色々理由はあると思うんだが、まず序盤が早すぎる。
『とにかく原作っぽく籠城するんじゃ!』ってタイムアタックに急いたおかげで、主役たちのキャラや人柄、モチベーションが届く前に状況が転がってしまう感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
彼等のことをよく分かんない内に、生っぽいのか夢っぽいのかいまいち判別のつかない状況が進むので、どの角度で作品に乗るか迷う。
この当惑を、最高に冴えた炭鉱の美術が加速させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
いや、本当に美術良いんですよ…いろんな機構が満載のワクワク感、デカくて寂れた存在感、すべてが最高です炭鉱くん。
でもそのリアリティが、キャラがやるヤンチャに重力を与えてしまって、映画が見て欲しいものと、受け取る印象が凄くズレる。
最初の籠城戦ではしごから人が落ちた時『ザマァみろ!』って思う前に、『あ、死んだ』って思っちゃう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
そういう魔法にかかりきらない感じはずっと続いて、キャラは魔法の中にいるんだけど、僕はこっちに置き去りにされたままって感覚が抜けないまま、クライマックスになってしまった。
幼い夢が覚めて、空気銃がただの玩具になっちゃうシーンの冷たさとか凄く良いんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
そこからのどん底が戻ってくる秘密暴露のシーンが、全体のテンションを底上げしてクライマックスに引っ張っていくトルクを感じさせない。上滑りする。
加えて、ヒロインの秘密暴露が爆弾中の爆弾で。
どーでも良いリアリティを全部ぶっ飛ばしてアゲてくれる爆弾なら良いんですが、僕にとっては『え? ここでそれ扱うの? そういう扱いでいいの?』って爆弾で、しかし作中では発破が成功した様子で状況は転がってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
ここら辺のズレが終始是正されず、ノリ方の解らない作品でした。
あの若造共はどう考えても危険なパンクスなんですが、『若気の至りだよね~』みたいな空気で扱ってほしく作中では描かれており。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
そこら辺を代弁する本田秘書も、凄い生々しいインターネット悪意(ただし2ch世代)を全速で叩きつけてきて、『いや死ぬっしょ。社会的に』感が凄い。
でもクソガキを悪意ですりつぶす殺気みたいのがキャラの根っこにあるわけではなく、パパンのズラを泥で投げ飛ばして三行半してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
『お父さん、そこまでされるほど悪いか…?』という印象も含めて、あの人をどう受け取っていいのかわっかんないまま、作品は突き進んでいく。
作中主人公たちが体当りする『大人』が非常に一面的で、わかり易い存在として描かれているのも、あんま良くないと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
彼等が必然的になってしまう”大人”という存在、一瞬の反抗を越えた先の未来が、凄く閉塞した面白みのないものに見える。
そこに反証を当てるのが宮沢りえ演じる中山ひとみなんだろうけども、”大人”の可能性を一人で背負うには押しが弱く、出番も細い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
結果、窒息寸前で一瞬だけゴボリと息を吐いて、あとはこの世の果ての炭鉱街で腐り果てていくだけ、みたいな想像が(多分狙いと反対に)広がってしまう。
まぁ向いてない、ターゲット層ではない作品だった、ということなんでしょうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
もうちょい『こういうこと』という様式に体重を預けず、自作なりの足場をしっかり掘り下げ、固め、届けてくれると有り難かったかな、と思います。
工場でモゾモゾすみっこぐらししてるシーンとか、凄く良いんだけども
人間がいまいち掴みきれないまま暴れるので、主役が無生物である炭鉱くんと重機くんに見えてしまうシーンもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
雨中に大暴れする重機くんのド迫力は、これまで見た映画の中でも最高峰で凄く良かったです。でもこういう枝葉を褒められたいわけじゃないよね、多分…。
ノリと勢いとネットの悪意にもみくちゃにされた彼等の青春が、あのあとどう踊るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年6月26日
想像すると結構空恐ろしいですが、それは画面のこっち側の勝手な妄想であり、作中ではいい感じにハッピーなのでしょう。
それはそれでヨシとして、僕としては巧くモニタの向こう側に入り込めない映画でした。