ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
少女たちは震える。新たな変化の兆しに。
少女たちは目覚める。己の眼前に広がる世界に。
風が居場所を見つけ、過去から繋がる未来へと吹いていく。
さぁ、ローダンセの花が咲いた。雨が上がり、虹がかかった。
行こう、あしたの方、みんなの方へ
それはつまり、あなたの方でもあるから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そんな感じのニジガク・クライマックス! 歩夢と侑の青春が踊る花盛りのエピソードである。
二人ぼっちでいられた幼い時代を越えて、気づけば広がっていた世界。自分では気づかない強さを、花のように咲かせていた現実。
それを感じ取りつつも、離れ変わっていく季節に怯え、光と闇の間で動けなかった少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
上原歩夢は、ファンの思いで、仲間の支えで、特別なあなたの言葉で、自分自身の瞳が捉えたもので、風の吹く方へと進んでいく。
それは、可能性に脈打つ心臓が生み出す、虹の彼方。
そこに至るまでの怯えと出会いを抱きしめ、そこを超えた先に震えながら進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
二人きり満ち足りた幼年期から羽化し、それぞれの未来に片手を繋ぎながら征く少女たちを。
彼女たちを取り囲む、美しい予兆に満ちた世界を。
非常に瑞々しく描ききる、見事な物語でした。
歩夢自身が見落としていた可能性と変化を、侑だけでなくせつ菜やファン…彼女がスクールアイドルとして、一人間として関わってきた”みんな”が教えてくれるのはとても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
たった一人のために始めたステージは、しかしその始まりからして、”みんな”に繋がっていた。
歩夢を動かした風は、彼女自身の輝きから吹いてもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そんなふうに、”わたし”と”みんな”、”わたし”と”あなた”を繋げていける、美しい夢。
ありふれた思春期の切なさを、圧倒的な力強さでしっかり描き、人が己と世界を定位し寿ぐためには何が必要なのか、丁寧に掘り下げるエピソードでした。
こんだけ普遍的な要素を扱いつつ、侑と歩夢それぞれの震え、体温、吐息がしっかりと画面に満ちて、”個”の物語としての顔が鮮明なのが、非常に良いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
世に満ちる百万の花は、それぞれの物語と心身を宿して輝いている。
”みんな”なんて人はいないが、わたし達は”みんな”になれる。
それはやっぱり、たった一人を求め、たった一人である”個”をしっかり見て、描けばこそだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
閉鎖した幼年期へ逆行してしまいそうな思いの中にも、未来へ吹く風の兆しはたしかにあって、その両方を抱きしめることで、涙雨は上がり、空には虹がかかる。
モチーフの扱いも素晴らしかったです。
つーわけで、衝撃の超重力抱き潰しの顛末から物語はスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
暗く狭い場所に飛び込んでしまいそうな抱擁は、携帯電話というコミュニケーション媒体、”みんな”へと繋がってしまう窓からの震えで中断してしまう。
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その報せに”正気”を取り戻し、闇の中溢れ出した思いに笑顔で蓋をして、正しい自分を取り戻せてしまうのが、上原歩夢のややこしさである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
青春の患部を切開しない限り、もうどこにも動けないような極限が、確かにそこにあったはずなのに。
掻き抱けなかった掌から、伝わる温もりは嘘ではないはずなのに
歩夢は物分りの良い笑顔で、侑と二人ぼっちの世界を希求する幼さを封じ込めて、広く当たり前な世界へと踏み出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
侑は二人の密室に溢れ出した”正しくない”感情こそ、嘘のない歩夢であり、二人で向き合わなければいけないと直感している。
だが、笑顔の防壁を超える手段が見えない。
風は未来に吹いている。せつ菜と出会い、歩夢たちスクールアイドルに力を貰って、侑は自分だけの夢を手に入れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そこに踏み込もうとする歩みは正しい。
過去に戻り、閉鎖した場所で生き延びられるほど、人間は停滞に親しい存在ではない。
しかしその風が、どうしようもなく歩夢を傷つけた。
なら風を止めれば良いのか。時を巻き戻し、青いカーネーションが咲き誇る第1話に帰れば良いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
でもあそこで歩夢が掴んだもの、吠えた”大好き”は、幾度でも侑の…それを越えてある”みんな”の元へ届いてしまうだろう。
優れたアイドルとして、沢山の人を勇気づけてしまうだろう。
それを踏みつけにして、過去に逆戻りすることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
未来の風を既に身に帯びている侑だけでなく、暗がりに閉じこもりたいと手を引いた歩夢にも。
先へ進む変化と、後ろへ戻る愛着。2つの風は渦を巻いて、少女を捉え離さない。花の迷宮は甘く、深い。
フェスへの障壁は”みんな”の協力もあり、順調に乗り越えられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
企画・渉外担当としてバリバリ中心を担う侑は、しかし目の前の仕事に上の空だ。
胸に突き刺さっった、己を抱く体温。それが嘘だったように、広がる笑顔の防壁。
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さっすがにノンキ極まるスクドルバカも、この至近距離で大事な人がガン曇りしてると気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
このせつ菜の視線が、動きようがない二人ぼっちにしっかり刺さり、変化を生み出していく契機となっていく。
”みんな”でいることは、こういうときに強いのだ。
中須のリードで拳を突き上げる、気合十分同好会。そこから離れたアンニュイに身を置く歩夢も、開かれた扉から誘う”みんな”に連れられて、外へと出いてく。。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
彼女がこの部屋から広げていたものは、確かに実をつけているのだ。
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ここで歩夢がスクールアイドルとして、しっかり誰かの特別となり、その個性で誰かの”大好き”を支えている描写があったのは、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
歩夢自身の認識の中で、始まりのステージからずっと、アイドル活動は侑一人に向いていたのかもしれない。
しかし、Webに公開されたあゆぴょん動画のように…
幼いピンクで堂々武装するアイドル・上原歩夢は、誰かの背中を押す風になって、既に広い場所に踊りだしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そんな事実を、歩夢は部屋の外に出ることで確認していく。
”みんな”の中にいる私。もう、二人ぼっちの子供じゃないことを選んだ私。
それも嘘ではないのだ。
一人置き去りにされ、愛に飢えて泣く中須もしっかり、アイドルとして愛され求められている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
ひとしきり不憫中須で笑いを作りつつ、きっちり報いて落ち着かせる運びは、このアニメぽいなぁ、と思う。
道化を道化で終わらせないのね。
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『ハー…泣いたり笑ったりの中須可愛い…』と、ひとしきり堪能した所で。お話での仕事とか全部横に置いたシンプルなキャラ萌えだと、自分は確実に”中須”だなぁ…と思うよウン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
歩夢は力強く自分を愛してくれる、”みんな”に出会う。
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誰か一人のためと、強く思い込んで進めてきたアイドルとしての歩み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
それが自分では気づいていない輝きを放ち、確かに誰かに届いていた事実に歩夢は、目を背けない。
『”みんな”の好きな…”みんな”が好きな上原歩夢なんて嘘』と、切り捨てはしない。その善良さが、またファンを呼ぶのだろう。
未来に進む列車のように、自分が巻き起こした風。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
それが形になろうとしてるフェスを前に、しかし歩夢は瞳を落としてしまう。
その時、列車は彼女の上で逆行している。過去に戻っていく。侑ちゃんと二人きりで満ち足りた、幼く暗い場所へと帰還していく。
その両方が本当だと判っているから、歩夢はどこにも動けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
物分りの良い微笑を貼り付けて、良い子で激情を乗りこなそうとして、何も決められないまま停滞していく。
それは後ろに戻り、侑と二人きり閉鎖する道へも繋がっていない。ただ中途半端に、足を止めるだけだ。
ひどく遠くて孤独な場所に置き去りにされ、どこにも行けない歩夢を侑は見つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
歩み寄り、なかったことにされたあの夜に滲んだ思いを、確かめようと踏み込んでいく。
だが建物の影が作る境界は、濃く深い。
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変わってしまった自分を、侑は強く肯定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
スクールアイドル達が届けてくれた勇気を片手に、胸に動き出した”大好き”にバンザイ両手を上げて飛び込むことに、恐れはない。
しかしその飛翔は、歩夢を置き去りにしてしまうかもしれない。過去に繋がれたまま手を繋げば、一緒に堕ちるかもしれない。
前に進む。世界を広げる。大人になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
それは人間の自然であり必然であり、多分正しい。
しかしそれだけでは収まらない震えと欲望が、人の心には熱く燃えている。
過去を取り戻したい。幼かった時代を、未来に繋げたい。
それが、ロリータで武装した歩夢の初期衝動ではないのか。
侑が…侑だけが受け取り、抱きしめ、永遠を約束した輝きではないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
ならば、このままでは侑は飛べない。
手を離して、泣きじゃくる歩夢を置き去りに一人巣立つことも。
手を繋いで、地上にあり続けることも出来ない。
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歩夢が自身を愛する”みんな”の握りこぶしを見落とせないように、侑も眦にたまった涙を見過ごせない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
愛する人が泣いている。どこにも行けず苦しんでいる。
その思いを至近距離で投げつけられて、ただ”正しさ”に一人踏み込める人ではないのだ。その柔らかな感性が、物語を駆動させてきた。
過去と未来、閉鎖と開放、正しさと想い、光と影。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
様々なものが混ざり合う場所で、二人はとても近くて、寂しくも遠い。
遠景を効かし、時に残酷ですら有る青春の実像をしっかり切り取ってくるカメラワークは、今回も健在である。
舞台となるお台場が一生フォトジェニックなのが、こういう所で活きる…
一人で飛び愛を置き去りにすることも、二人で永遠に繋ぎ止められることも、侑と歩夢には出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
なら明るく正しく二人で、手を繋いで未来に飛んでいけばいい。
結論はそうだ。いつでも正しい方向へ、風は吹いていく。
でも、それに乗るにはしっかりと、正しくない迷いに向き合う必要がある。
この三話で積み重なった重苦しい陰り、歩夢と侑を縛り付ける重力は、雛が殻を破って巣立つための身じろぎなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
大変だけど凄く本当のことで、嘘偽りなく組合わなければ外へは出ていけない。答えが出ない。
だから、しっかり描いた。物語の合間に、その予兆を刻んできた。
二人の迷いの外側で、それぞれ手を繋いで”大好き”を紬ぐ”みんな”。中須のオタクがどんだけの爆弾を用意してるか、マジ来週楽しみだからよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
あと璃奈ちゃんがボードを補助具に、念願の”繋がり”手に入れちまってる姿…”泪”だからよ…
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迷いのない光にそれぞれ包まれたアイドルに対し、歩夢、と侑はエモーショナルな夕景に身を置いて、ゆらゆらと震えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
ラブライブ名物、爆エモ情景は今までもむっちゃ強かったが、勝負の最終回一個前を舞台に大あばれ天童、異様な美麗さでそそり立っている。
今回のエピソードは風と花と光を総動員し、歩夢と侑ちゃん…彼女たちを愛する”みんな”が辿り着く場所、そこまでの旅路を書ききる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
上手く進めないわたし達を見つめつつも、侑の周りには花が満ち、風が未来に吹いている。それは否定し得ない、彼女の成熟なのだ。
かくして時間は過ぎ、運命の祭りが近づいてくる。それぞれの舞台にまっすぐ目を向けている仲間の中で、せつ菜だけが歩夢の停滞に気づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そして、運命が扉を叩く。侑は”みんな”に呼ばれ外に出ることで、未来へ漕ぎ出していく
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繋がるためのツールに描いて消した、届かない愛おしさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
暗がりに身を置き、影に寝そべる歩夢は頑是ない子供を通り過ぎて、横たわることしか出来ない赤子にまで戻ってしまったようだ。
そんな自分に満足できないから、変わってしまっている自分と世界を見てるから。
動けない今が苦しいのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
歩夢をただ幼い停滞としてでも、素直に進む正しさとしても描かず、幼さと成熟のアマルガムとして…思春期そのものとしてしっかり活写し続けているのは、非常に強い。
ジュブナイルとしての切れ味と熱量が、尋常じゃないのよね…。
かくして決戦前夜。”たまや!!”可愛いね、可愛いね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
並んで歩く二人は、同じ景色を見てはいない。
影と光、青と紫があやふやに混じり合う場所で、真っ直ぐ”大好き”を見つめられる少女と、どこにも行けない女の子。
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その震えを、何かと無神経な全力バカは見落としていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
彼女もまた、その張り詰めた”大好き”で同好会をぶっ壊しかけた過去から、出会いを通じて変わっているのだ。
せつ菜が重要な仲介者となる今回、彼女の変化と成熟もまた、力強く描かれていると思う。
明日へ、大好きへ、スクールアイドルの方へズカズカ進むせつ菜の歩みに、歩夢はついていけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
足を止め、辛い心情を吐露する。
”みんな”の中の私。たった一人のための私。
入り交じる過去と未来が、渦をなして混沌を生む。
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何もかもが入り混じり、己を縛る思春期の檻。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そこに握りこぶし一発、シンプルな答えを叩きつけられるのは、優木せつ菜という女の”個”であろう。
諦めようとした”大好き”は、絶対に止められない。
それを、身を以て知っているから。
教えてくれた人の大好きが、今目の前で苦しんでいるから。
何よりせつ菜も、歩夢が大好きだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
笑顔の仮面をようやく外し、重荷を預けてくれた仲間にせつ菜は、自分の中の炎を届ける。
思い出そう。
侑がスクールアイドルと出逢ったせつ菜のステージに、歩夢も一緒にいたことを。
彼女にとっても、そこが始まりだったことを。
侑の言葉で迷妄を退けて、真っ直ぐ大好きを吠える自分を取り戻せたせつ菜が、今度は言葉を届ける側になるのほんっっっっと好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
変わること、変わらないこと。
わからないことだらけで、ポケットに地図なんて持ってないけど、漕ぎ出した未来は最高だった。
大好きを取り戻し、”みんな”で大きくする
そんな風の中の景色に怯える必要がないことを、せつ菜はその高すぎる熱量でしっかり教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
同好会のカリスマとして、間近で見ていた”優木せつ菜”の歩みが嘘じゃないことを、歩夢に思い出させてくれる。
自分だけ見ててもわからないけど、あなたを見てたら判ること。貰える勇気。
拳を合わせて、受け取ったものを手に歩夢は走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
青信号、Uターン禁止。
征く。パスケースが揺れる。
どこにでも行ける白紙の切符を、愛する人だけでなく自分も持っている事実に、上原歩夢が飛び出していく。
さぁ、行こう。
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静物があまりにも豊かに、聖人譚めいた予兆に満ちて語りかけてくるニジガクイズムが、最高に暴れ狂うシーンはまだ序章…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
こっから更に、”花”という言語を手に入れ詩想は咲き誇る。
画面を埋めるもの全てがSignってのは、やっぱ宗教画的な発想だと思うね。μ's観音…ッ!(劇場版フラッシュバック)
ここまで徹底的に、何らかの可能性を捕まえた時は風が吹き髪が揺れ、停滞に思い悩む時は風も止んでいる所も、静物のオーメンを使いこなす演出の妙味だと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
ここら辺の語り口は”L”の伝統だが、ニジガクで完全に新しい辞書を手に入れた感じはあるね。力強い…。
かくして二人は水平な視線で出会い直し、想いのプレゼントが花開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
百万の心、百万の花。歩夢の大好きなもので飾られたステージは、”みんな”で作った…”みんな”である上原歩夢の新しい揺り籠。
そこから巣立ち行く、祈りの場だ。
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ここで歩夢と侑ちゃん、ファンのみんなが辿り着いた場所が豊かな緑に包まれた”三叉路”なのが俺は凄く好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
幼い祈りを置き去りに、道は別れていく。
それぞれが別々の”個”でいることしか、人間には出来ないから。
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しかしそれは、確かに繋がっている道であり、誰かを愛する思いが咲かせた豊かな生命に満ちた、けして寂しくない道なのでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
”個”であることの正しさだけでなく、バラバラだからこその尊厳のある情景で、非常に良いと思います。
やっぱ世界は”兆し”に満ちてんだよなぁ……
狭く暗い場所にある自分だけが、本当の自分なのだと思いつめてる歩夢の苦しさを見てるのが本当に辛かったから、ここで”みんな”を…”みんな”の中に確かにいた自分を見つけ直せたのが、僕は本当に嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
それもまた、嘘じゃない。みんなのアイドルやろうと思ったから、頑張ったから、花も届く。
視線が通じ合うのが侑ちゃんだけでなく、彼女に勇気をもらっただろうファンも含めてなのが、本当にいいんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
お台場の人工的な景色を切り取り続けたからこそ、ここで花盛りのステージが一つの集大成として、最高にキマるのも良い。自然と人工を対立項と描かない風景観、凄く好き。
差し出される新たな愛と、変わらぬ愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
ガーベラとローダンセ両方を抱きしめて、スクールアイドル・上原歩夢のステージが整う。
過去も未来も、特別なあなたも広がる可能性も、全部抱きしめる。
良い子なんかじゃない、欲張りな女の子
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曇り顔の多かった歩夢が、最高のチャームポイントである満点笑顔をファンを抱擁しつつ取り戻せて、最高に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
もう背景のクオリティとんでもないことになってて、人生が動き出す特別な瞬間を祝福するキャンバスとして、文句なしの仕上がりなんよね…。
みんなの愛、あなたの愛、私の愛。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
どれも抱きしめて花束にして良いんだと、歩夢はようやく開き直る。
それが正しい答えだけど、そんなもの愛に迷っている間は見えなかった。愛しい幼さを抱きしめている間は、風は感じられなかった。
それは本当のことで、だからこそ新しく花も咲くのだ。
取り戻し、掴み取った二人だけの歩み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
幸福に包まれながら、”みんな”の乗り物であるバスを降りて、二人は始まりの場所へと戻ってくる。
交わされる視線。繋がる手。湿り気と体熱。
真っ直ぐ進む道は、眩しく明るい。
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逆行する背徳の危うさ含め、侑と歩夢の描画に爽やかなエロティシズムが通っているの、とてもいいと思うのですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
誰かを強く求め、間違いと知りつつ間近に縛り付けようとする思い、腹の底から湧き上がるマグマが、しっとり薫っている。
活きてる、って感じがするの。
かくして、対等に対峙する二人。ここで第一話のリフレイン持ってくるの、”正解”すぎる…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
離れ、近づき、飛び立って。
歩夢はスクールアイドルとして、”みんな”に向き合うのに必要な高さを、たった一人のためのステージで取り戻す
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 pic.twitter.com/Pbq1LkLCfb
未来への空想が多く混じったイマジナリーなステージから、段々と現実に地歩を気づいて、演出が豊かになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
衣装を手に入れ、舞台を整えて大きくなっていったステージ表現が、ここで原点に戻るのは素晴らしい。
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 pic.twitter.com/phnwrZtpn1
夢だけがあった、それであった時代を花迷宮を抜けて取り戻すことで、次回集大成となる”祭り”が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
このアカペラのステージから街中に広がった夢、ピンク色の飛翔を歩夢が受け止められるようになったことで、個別の9人みんなの未来は、現実になっていく。
”Awaking Promise”は同じ場所、同じ制服で歌われた”Dream with You”に比べ、カメラを意識したアピールが強く感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
それはスクールアイドルとして、”みんな”を見据えて喜びを広げていく歩夢の変化…同好会での成長を如実に語るものだと思う。
目覚めていく約束は、過去と指切りして未来に続く。
二人で満たされていた過去に感謝し、二人で進んでいく未来に挨拶。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
きっと、明日はいい日になると思えるだけの翼を、二人は手に入れた。
それは多分違う場所へ、二人を運んでいく。”個”である以上、それが人の必然だ。
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 pic.twitter.com/9AQrj4coWB
それでも、片手を繋いで進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
別れた道も、繋がっている。失われるものは何もなく、思い出は未来の中にある。
そういう輝きの風に身を委ねる準備が、侑にも歩夢にも整い、二人の思いが釣り合ったことをしっかり示す、光のステージでした。おお…もっと光を!(ニジガクゲーテ)
輝く未来を前に、皆がそれぞれの夢を描く。事ここに及んで、徹底的に”つがい”で押し込んでくるのスゲーよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
とにっかく夜景のクオリティが、バチバチキレてる。
こんなに綺麗なものが準備段階で見れんだから、祭り本番はスゲーぜ
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 pic.twitter.com/5nodpRyKHR
アイドルたちに背中を押されて、掴み取った鍵盤。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
そこに踊る曲はまだ拙いかもしれないけど、大事な私の夢。
離れて、そして繋がっている不思議な、わたし達の夢。
満点笑顔で武装して、さぁ、スクールアイドルフェスティバルだ!
©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 pic.twitter.com/Bg7DGdHu1l
そんな感じの、最高最強の最終話一個前でした。こんだけ滑走路を整えられちまうと、極音速でぶっ飛ぶしかねぇんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
”個”というテーマが必ず扱うべき問題を、血潮と体温をしっかり宿して書ききり、憂いなく終わりを走り切る。
構成がまず、怪物的に見事です。
過去と未来、幼さと成熟、光と闇、わたしとみんな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
矛盾に思えるものをどう幸福に繋ぎ合わせ、大事なものを思い出させるか、吹く風に物語を乗せるか。
九人個別の物語をとんでもない粒立ちでしっかりやりきりつつ、ここまで太い主柱がおっ立つのも、また凄いな、と思います。
侑への独占欲、ロリータへの愛好。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
”幼さ”をその中心に持つ歩夢を、最後の爆弾として使い切ることで、青春が聞こえる時代の熱量と解像度をこれ以上なく高めてきたのも、素晴らしいと思います。
歩夢以外には語れなかった物語だし、”みんな”がいたからやれたとも思う。
二人きりでいたい歩夢の祈りを、”みんな”を抱きしめることでより強く、より熱く打ち直す運びも圧倒的に正しくて優しくて、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
子供の身勝手な、血の通った願いを無下にはしてほしくないんですよ僕は…そういうこっちの身勝手も、ちゃんと叶えてくれて最高にありがたい。
もう後は最高の”祭り”ぶち上げて、お台場を女神たちのステージに仕上げるだけですからね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月19日
最高の結末に向けて、一切の愁いなし。”無敵”ですわ。
”個”が華やかに踊る百花の祭りが、どのように描かれるか。
信頼と期待しかねぇ最終回、ありがとうニジガクアニメ…。(一週間早い結論)