GRANBLUE FANTASY The Animation Season2：Extra1『もう一つの旅路』感想ツイートまとめ

GRANBLUE FANTASY The Animation Season2：Extra 1
『もう一つの旅路』を見る。
それは、あり得たかも知れないもう一つの物語。
青の少女とともに、星の島を目指す少女・ジータ。
お伽噺の秘宝を求め、たどり着いた古の城で彼女は、とある少女と出会う。全ての願いを叶える”卵”の正体とはいかに！？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

という感じの、三ヶ月のご無沙汰、グラブルアニメ特別編である。
見知ったファンタジー、見知った蒼の少女、知らない女の子という座組に『誰よその女！　ルリアの隣にはグランくんでしょムキー！！』となった。
が、あいも変わらずルリアは可愛く、ジータちゃんも貫禄と瑞々しさを兼ね備えたいいキャラ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

リドル混じりのダンジョンをハックし、知恵と勇気と絆を試す古城の冒険。
脳のTRPG野がビリビリ来る描写が多く、見ながら『潜りてぇ…ダンジョンに潜りてぇよ！』と”渇き”を憶えた。
やっぱグラブルアニメの、超ど真ん中ファンタジー描写はええな…最高やな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

シナリオヒロインのマイラちゃんが凄く良いキャラで、ジータちゃんの幼さと成熟を上手く引き出し、魅力を120％にして届けてくれた。
ジータちゃんたっぷり課金しとるからか、グラン君よりも余裕と貫禄がある”大人”な立ち位置で。
しかしそれで終わらない青雲の志も、ちゃんとある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

グランくんを主役にした本編では、味わえないドッシリとした立ち回り、圧倒的な実力、誰かを導き憧れになれる強さ。
見慣れぬ女騎士二名含めて、『ふむ…これも”アリ”だな！』と思える仕上がりで、とても楽しかったです。
俺がゼタちゃんについて知ってるのは、明るいのと昇竜がないことだけッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

さておき、お話はシェロカルテの持ち込んだお伽噺から始まる。
古の古城、喋る石像、不思議な謎掛け。
もう絵面の段階で夢いっぱいで、非常にウキウキした気分になる。ベタ足のダンジョンハック、俺キライじゃないぜ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

ルリぴっぴがすーぐ指伸ばして、仕掛けが発動するなり背中にかばうジータちゃん。
何処かシャイな雰囲気のあるグラン君に比べると、ジータちゃんは武装も態度も立派なもんで、落ち着きを感じる。
デストラップを前にしても、慌てた様子もなくサクサク乗り越えていく。頼もしい女だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

そのスタンスは、マイラちゃんと出会ったときにも揺るがない。
戦闘力では劣る子供を対等に見て、ダンジョン知識ではむしろ上と教えを請う。知恵で一緒に闘う、一人の仲間として扱う姿勢が立派だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

『アタシらLV高いし、罠は踏み倒しリドルは無視しよう！』と、青いの（のプレイヤー）が言ったか、言わないか。
マスターが用意した頭脳派ダンジョンを、仕掛けに則って攻略していくパーティーの中心に、マイラはいる。
それはもう、立派な冒険である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

そうである以上、失敗は当然つきまとい、凹んでいる暇はない。
騎空団長として既に経験を積んでいるジータちゃんは、先達として同士として、凹む仲間と目線を合わせる。
かつて同じように、お伽噺に憧れて空に漕ぎ出した自分を語る。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

『人数分断されてっから、仕掛け始動させる手数が足らねぇんだけど？』
『投げナイフ円熟レベルだから、五本同時投げでどうにかなんない？』
少女よ！
経験点を的確に突っ込むと、このぐらいの無茶は効くのだ。原作やってないからTRPG辞書で読解だけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

ジータちゃんもまだ旅の途中だが、遠い夢は着実に近づいてきている。そのための実力は、ヤバいくらい装備から溢れている。
グラン君が未だ道半ば、だからこそ鮮烈に駆け抜けている歩みを、一足先にスキップしてる感じあるね、ジータちゃん。
チートとはまた違う、主役としての立ち回りの差異。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

それは三つ目の試練で、超絶アクションとともに暴れ狂う。
宝剣二刀流から放たれる剣圧、飛び交う爆発。『ぶっこんだ予算が違うんじゃーい！』と言わんばかりの、ド派手な大暴れに大興奮である。ずっけー！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

仲間に指示出す所も落ち着いてるし、マイラちゃん初めての冒険を見守る余裕もあるし、ルリアは抱くしサンライズパースだし。
マジでやりたい放題し放題、ダンジョン攻略で溜まった鬱憤を全壊に暴れ倒していた。こういう大暴れを、特にテンション上げずにサラッとこなすのが怖い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

剣のギミックをマイラが攻略すると、日光が差し込んで再生能力が停止するの『うわー！　トロール要素を持ったドラゴンだー！　マジカッケー！！』と興奮してしまったが。
新米冒険者が、自分だけの冒険に必死に挑む。その意味を知るからこそ、大事なところを任せる。出来たPTリーダーである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

試練を乗り越えた後に待っていたのは、伝説の古き船。
かつて世界を巡り、百万の夢を叶えた騎空士から送られる、”希望の卵”。
ここから希望が羽ばたいていくという見立ても含めて、騎空船でまとめるオチは非常にキレイだった。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

初めての冒険を無事突破し、いつか空に漕ぎ出す夢の翼を手に入れたマイラと、歴戦の騎空士ジータ。
俺はゲームやってないのでなんとも言えないのだが、どんなレベルのプレイヤーも同じ空にいて、同じ夢に飛び込んでいる一体感みたいのを、大事にしてるエンディングだな、と感じた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

駆け出し冒険者だって、重課金のガチ勢だって、お伽噺めいたファンタジーに胸を躍らせ、空に漕ぎ出した。
憧れの背中を追いかけて、皆卵から羽を生やし、自分が主役の大いなる物語を駆動させていく。
そういう作品世界、ゲーム体験の構造自体を、上手く祝福するエピソードだったと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

短めのエピソードに、冒険と仲間の意味、”希望の卵”としての船と、鋭いテーマ性を盛り込んでいました。
TRPGモノとしてはリドルとトラップが満載のダンジョンハック描写がマジ超興奮で、素晴らしかったと思います。
『何考えてこんな凝ったダンジョン作ったんだろ…』と思うような迷宮、良いよね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

プレーンな実力と装備で、王道冒険譚を一歩ずつ進むグラン君。
本編とは、また違うジータちゃんの立ち回りも、嫌味にならず派手さと貫禄を楽しめる、いい塩梅だったと思います。こういう角度も、また良いよね！
久々のグラブルアニメ、非常に面白かったです。来週もやるみたいで楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

pet：第13話『虹』感想ツイートまとめ

petを見る。
放たれた銃弾は、精神と肉体を引き裂いていく。
暴かれる記憶と、積み重なる過ち。美しい思い出と哀しい嘘が、全てを荒野に薙ぎ払いう。
少年たちは未練を置き去りに、檻を逃げ出し、取り戻すべく立ち上がる。生存者は継ぎ接ぎの記憶に、恩讐を燃やす。
虹の果てに、まだ続きがあるなら…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そんな感じの、サイコダイブ群像劇最後の一幕である。
まさかのスーパー桂木さん祭りに、全てが上手くはいかない哀しさ。逃げ出し立ち上がり舞い戻る少年たちと、囚われ壊れかけた檻の住人。
ここまでの物語に一つの答えを出しつつ、未完ゆえの余韻と躍動を残す、いい最終回でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

いやまぁ、終わってねぇのだが。三部作の二作目完結なのだが。”スターウォーズ”で言うと、ルークが義手になった所なのだが。
ペットとして子供として、会社と親の束縛（庇護）を受けてきた少年が、己の眼と足で運命を選び、新たな風となる終わりは、ここまでの物語にしっかり応えていると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ヒロキは司を、望むようには直せない。
全てを真っ白に塗りつぶして、なかったことにして死んだように眠る。
ヤマ親潰しの罪科から、司が逃げるにはそれしかなかった。そこが、司がたどり着いたイメージの限界点だった。
ヒロキの愛は、それを超え得ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

その苦さ、そして呪いがジンを主役に拡大再生産されるやるせなさを噛み締めつつも。
出会ったことが間違いだったと、誰にも言わせないために林の見つけた風景を現実で掴み、超現実の厳しき闘いに身を投げていく少年たちの勇姿は、希望と受け取るのに十分だった。
いい最終回でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ロンの銃弾は悟の足を穿ち、行動の自由を奪う。
それで全てが終わったと、ヤマ親の愛を奪った継嗣をようやく潰せると、司は冷たい視線を向ける。
だがその心は千々に乱れ、親殺しの赤い血が指を染めている。
それは、ヒロキにだけ見えるイメージか、実在の朱か。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

悟を潰して、自分だけが駆動可能なペットになる。会社に求めれる状況を作る。
司の内言は非常に冷たい、犯罪エリートに相応しい判断を飲み込んでいるのに、ヒロキを前に溢れてくるのは絶望と困窮、ただただ眠りたいという願いだけだ。
絶対に逃げられない追跡者とは、つまり己の記憶だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ペットの異能で書き換えても、”人間”を成立させる大きな不可思議がうねって、小細工を払い落としてしまう。
人を人たらしめる記憶を、弄んだプロメテウス達の業。
司が思わず言葉にしてしまう絶望は、ペットと会社全体の罪なのだろう。
やっぱなー…マインドダイブ技術は、人間には過ぎたもんだよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

もともとバランスを欠いていた司は、悟に林潰しの真実を告白したことで、完全に崩壊したように思える。
それを隠し、謀略を練る間は、『親を思う自分』という虚構（≒真実）に微睡めた。
しかし悪辣を装い事実を告白したことで、親殺しでしかない自分を再認識しちゃった感じがある。キツい…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

親殺しの構造は、悟が死地を脱する闘いで再演される。
桂木に仕込んだ暗示を武器に使い、ロンを殺す。身内を盗られた憎しみを、ジンは銃弾に込めて放つ。
その一撃は、親と自分を壊していってしまう。ペットの能力がなくても、人間のヤマは過ち一つで崩れるのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

メイリンの蝶は、ジンに否定し得ない過去を見せる。
桂木が愛の記憶を、己のヤマを隠され壊された、半死人であったこと。彼もまた、”会社”に翻弄され可能性を潰された子供であったこと。
あれ程見たかった母の笑顔が、ジンを決定的に壊していく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ヤング桂木さんが棘の少ない、悪徳の匂いがしない素直な表情をしているのが、とても辛かった。
『家族が欲しい』という、タニと繋がった強い望み。それを隠される前は、弱い存在の美しさをしっかり受け止め、愛することの出来る人間だった。
だがそれは、死と嘘で壊れていってしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

誰かを強く愛することは、人の心を支える大事な柱だ。
だからこそべっとりと癒着して、消したり隠したりすれば、それまでの”自分”は死んでしまう。
林さんの施術で桂木さんの肉体は生きのびたけども、空っぽのヤマに忍び寄ったのは、もう別の存在だったのだと思う。
それほどまでに、愛したのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

心に鍵がないから、裸でも恥ずかしくないだろう。
そういう押しつけが女を傷つけていることを、桂木さんは判っていた。剥き出しの体を覆い、心を守るモノを差し出せる人だった。美しきものの美しさを、ちゃんと理解できる美しさがあった。
でも、それは物語が始まる前に隠され、壊れてしまったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

写真に収めた、笑顔の記憶（このモチーフが、司と林さんと共有なのがむっちゃ辛い…）。
そこを超えればペットではいられないと、知りつつ抱きしめた愛。
その結晶として生まれてきた自分が、何も知らず壊したもの。今際の際に、父が手を伸ばした愛。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

もう取り返しがつかないモノの重さを、メイリンの羽根に乗って確認したジンは、己を壊していく。銃弾が生んだ新たなタニに耐えかねて、歪んだ鍵で封をする。
契りを結んだ時、桂木さんが全裸なの笑いどころなのかもだけど、笑えねー厳しすぎる世界で、ようやく少年は裸になれたってのに…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

求めていた全てを、自分の手で破壊する最悪。
それが微かな慕情で繋がっていた悟によって引き起こされたのも、ままならなさを加速させる。
この世の理不尽を煮詰めたような、ペットと会社の関係。そこからはみ出しそうな慕情は、かつて悲劇に終わり、今惨劇を生んだ。愛すら、哀しみの源になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ジンが囚われた、新たな親殺しの檻。愛との離別。
ヒロキと悟は、そこから抜け出し囚われる。
ぶっ壊れちゃった司をまず写してからの、サイキックな叙述トリック。その場しのぎの記憶は簡単にほころび、醒めない夢が罪を教える。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

長くて暗い、出口のないトンネル。
林が残した脱出路の果て、夜明けを待つどん詰まりで悟は、ヒロキの記憶を戻す。
それは人の心の、不可思議を巡る旅。ただ都合よく、何もかも塗りつぶしても終わりにならない、愛と死の記録。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ヤマ、タニ、鍵。
体系化され、制御と量産が可能な技術に見えて、心に潜る技術には謎が多い。
最悪の記憶を封じ込める鍵が、人格の連続性を担保する要ともなり、それを壊せば人が人である証は、溢れ出した怪物に壊されていってしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

よりにもよって司の治療（あるいは思い出の安楽死）で、ペット技術の理不尽が牙を向き、ヒロキの想いを裏切っていくのは残酷だ。
しかし会社とペットは、ずっとそういう危ういものを弄んできた。踏みつけて壊し、死骸から利益を得てきたのだ。
自業自得とは言わない。言えないよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

恐らく破滅を覚悟した、最後のマインドダイブ。そのさなかでも、ヤマ親として人間としてヒロキを守る司の”水”が、切なく寂しかった。
その英雄的な背中も、ゲロ吐きまくりのバランス崩壊人間も、親殺しの冷酷も、全部”司”なのだ。一つの側面だけ、都合よく選り抜くことなど出来ないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

人を人たらしめる精神の神秘に、ヒロキは挑み敗北していく。
司の罪悪感は、ヤマ親への愛情、己が己である証明とあまりに強く結びついている。どす黒い暗黒に心が飲まれる渦中でも、分け与えられた美しさは消えない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

司の心に残る、『全部黄色』な思い出はヒロキのヤマでもある。それは大事な思い出だが、最後の最後で一つ残るものではなかった。
子より、親。
残酷な現実を突きつけられて、ヒロキは涙に立ちすくむ。掌を、掴みきれない水がこぼれ落ちていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

子が親を慕う想いが、子を慈しむ親と非対称になってしまう不合理。
それが司を孤立させ、林さんの善意を捻じ曲げた感じもある。
誰かを愛することが、誰かを愛さない決断を自動的に生んでしまう業を、ヒロキは否定しようなく思い知らされる。
同時に、嘘偽りなく愛されていた事実も。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

もうpet見てると哀しい事ばっかりなんだけども、まだ子供の司が拙い手付きで、何度も失敗してヒロキのためパンケーキ焼いてる姿が、泣けて泣けてしかたなかった。
その優しさも、癒やしも救いも、確かにそこにあった。
あったはずなのに思い出は薄れ、願いはねじ曲がり、現実は上手くいかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そんな浮世の只中で、ヒロキは司との最後の約束を果たす。『ずっと一緒にいる』ではなく、『林を消す』という約束を。
かくして美しい景色には誰もいなくなり、白紙の少年だけが取り残された。悪夢の終わりと言うには、あまりにも美しく哀しい。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

林を喰った金魚の口から、溢れる水。それは泣けない魚が零す、涙のしずくのようだ。
誰もこんな結末を望んでいなかったのに、こうなるしかなかった。
親殺しの罪、会社が押し付ける残酷に擦り切れた少年が、たどり着いてしまった終わり。それで終わりにしない厳しさ含め、マジでやるせない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

親を救えず、潰してしまった罪。ヒロキは夜闇に飲まれることを望むが、悟はそれを拒絶する。
親と合えない寂しさから、自分を守るための金髪の鎧。それがだんだん、”地毛”に変わってきてる描写が良い。守られ導かれた子供たちは、”親”の鎖を解きつつある。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

悟が必死に、ペットの力を使わず自分の口で紡ぐ言葉。
『考えない』ことを自分に強いてきた子供が、あまりにも辛い旅路の中で見つけた答え。
『出会ったことが間違いだった』
そんなヤマ親の結論は、間違ってる。間違っていると証明するために、俺達は生きなきゃいけない。
生きることが、答えだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

司が求めた甘い眠りではなく、耐えきれない罪悪と理不尽を抱えてなお、目を開き生き続けること。
非常に過酷な道を、悟は望む。そこにしか光はないのだと、次第に明けていく日差しが静かに語る。
自分を手放して、流されるままだった”水”があの結末だからなぁ…確かに、答えはそこにしか無い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

闇が晴れて、旅の終着点が見える。
それはたしかにこの世に存在する、ヤマの景色。林さんが逃げ出した先で、確かに掴んだ希望。
それは誰かに与えられ、踏みにじられて消えるだけの儚い存在ではない。
理不尽に奪われたものを、俺たちは掴み直す。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

林さんの遺産が、形ある武器とか金とかじゃなくて、ただの”景色”なのが最高に良かった。
今まで心の中だけにしか存在を許されなかかった、あまりにも美しい景色。それは確かに、”会社”の残酷が支配する現実にも存在していた。
なら、心の奥底で信じるものもまた、現実に成りうる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

子供たちの表情に宿る、切なさと光。
アンタと出会わなきゃ、ヤマを分け与え鍵をかけて世界を見せなきゃ、この子らは虹を見ることも叶わなかった。司だって、海を知ることもなかった。
だから、間違いじゃない。間違いじゃないと証明するために、傷ついた足に力を入れ、もう一度戻らなければいけない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

”会社”に立ち向かう道は、恐らく長く険しい。
”逃げる”ことを選んで捕まった林さんや、悪徳に飲まれ流された司よりも、多くの悲惨が悟とヒロキを襲うだろう。
ジンはズタズタにされたヤマとタニを、偽りの物語で繋いで復讐を誓う。死せるロンの影を、司に焼き込む
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ここで社長が、身内を心配する姿を見せるのずるいなぁ、と思う。
ペット達を踏みにじる邪悪な父は、同時に思い出を慈しむ優しい存在でもある。でもその人間性が、虹に希望を賭ける少年たちとの闘いを、回避する助けにはならない。
愛すればこそ、喪失を取り戻すために嘘も残酷も重ねる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

親殺しにバランスを欠いたジンが、消え去った愛を白紙の司に重ねて生まれるのは、天使か怪物か。
最果ての虹を見て荒廃の巷に戻る少年たちと、檻の中で待ち構える生存者。
その運命を語るのは、また別の話となろう。
波紋は連鎖し、新たな風を生む。
業と愛に満ちた世界は続くのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

というわけで、pet最終回でした。
ぶっちゃけ制作が苦しくて、作画力がヘロヘロになる場面もちょっと…結構あったけども！
心理操作の異能を武器に、人間の有り様に深く切り込んでいく物語のうねりに、頭から飲まれる三ヶ月でした。
作画ヘロりつつ、何伝えたいかは判ったのが、作品の底を支えたと思う

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

幻想的な異能表現と、現実での細かい催眠描写が噛み合い、心を暴くスペクタクルが暴れていたのは、とても良かったです。
その強大な力があっても、あるからこそままならない愛と業の迷宮。群像がそれぞれの意志をもって、荒れ狂う運命に飛び込んでいく迫力。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

正しいことを望んでも、悪徳に身を沈めようとしても。
どちらも完全には上手くいかず、泥まみれの悲劇に皆堕ちていくのだけども。
それでも自由な風、美しい虹、澄んだ水を求め、考えてしまう人間の必然を、しっかり作品の真ん中に据えたお話でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

勝手なガキに思えたヒロキが、苦しみつつ人の在るべき姿、自分の目指す道を探して迷う姿も。
『考えない』ことを己に課しつつ、林さんへの信頼を杖に嵐に立ち向かう悟も。
愛と憎しみの間で迷い、バランスを失って奈落に落ち続ける司の苦悩も。
皆、情け容赦ない筆致で描かれる、人間の肖像でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

異能を主題に選びつつも、愛や業、記憶や人格といった普遍的な題材にしっかりアプローチし、骨の太い描写を積み重ねる語り口。
”会社”の残酷な支配が、人間の在るべき生き方を許してくれない厳しさを緩めないからこそ、そんな場所でも愛を求めてしまう人の業が、強く輝きました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

林さんが見せた虹の先、”逃げる”のではなく”立ち向かう”ことを選んだ少年たちの未来が、どう続いていくかは是非に見たいですが。
あの景色にたどり着き、闇の中の光を信じる心の動きに圧倒的な説得力をもたせた、ここまでの話運びに感謝とお疲れ様を言いたいです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

誰かを強く思えばこそ、誰かを激しく傷つける。
登場人物全てに陰影があり、ただの怪物と言い切れない悲哀も背負う造形でした。
それが入り混じって動くドラマは、強く印象的であり、同時に切ない真実味を帯びてもいて、強く惹きつけられました。とにかく、話が面白かったな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

虹は、大気中の”水”に光があたって生まれます。
ヒロキと悟達、”親”を越えていく新世代が見た光は、水と風をイメージに選んだ迷える者たちがいたからこそ、見えた景色なのでしょう。
それが、希望に続いていることを心から願って。
ありがとうございました、とても面白いアニメでした！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ドロヘドロ：第12話『思い出スクールデイ／ボーイミーツガール＝バトル！／ゆびきりげんまん』感想ツイートまとめ

ドロヘドロを見る。
契約に縛られたニカイドウは、容赦なくカイマンに拳を突き立てる。
飛び散る血飛沫、千切れる友情。加速した闘争は、アスの介入により新たな局面を迎える。
失われた記憶と、暴れ狂う暴力。
奇妙な物語の行く先…それはまだ、混沌の中。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

と、言うわけで！　アニメドロヘドロ、最終回である。
終わってねぇー！　つうか新たに始まった所で終わったッ！！
まぁ原作18年続いてモリモリだし、そもそも混沌の中を這いずるような、道の見えにくい話であったので、新たなカオスに飛び込む終わりは非常に”らしい”。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ニカイドウからは契約書が摘出され、カイマンとも指切り出来た。何も判っていないのに、一番大事なものはちゃんと確認した。
超ハイクオリティでウロウロと、笑いと生活感と血飛沫をごたまぜに進んできたこの物語、こう終わる（もしかしたら続く）のは凄くシックリ来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

友情決裂、緊迫のヒキから急に学園モノが始まった時はビックリしたが、栗鼠の過去もまたノンビリスクールライフとは行かず、血と暴力と友情に汚れている。
どれだけ真面目に鍛錬しても、特別な存在になりえない焦り。それを救い上げる十字眼。
©ドロヘドロ©2020 林田球･小学館／ドロヘドロ製作委員会 pic.twitter.com/Ugg6hcsM5r

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

魔法は使えずとも、友を篤く思いやる（ついでに、ナイフで敵をズタズタに切り裂く）会川は、栗鼠と背中合わせ、仮面を外して会話する。
遠い思い出の中にしかない、確かな縁。この二人の関係も、カイマンとニカイドウに響き合って面白い。
登場人物が、個別の物語を背負いつつどっかで呼応する構造ね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ダチとの決別を経て、栗鼠は十字眼の組織と関係を深め、殺された。空白の記憶を取り戻すべく、過去が眠るベリス村に挑む直前に、ふと思い出した懐かしい顔。
結局誰もが迷い路の中、友情を追い求めている。そういう話なんだろうなぁ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

この作品では、魔法使いは仮面を付けているものだ。だから、仮面を外す／付ける行為には結構な意味がある。
会川が友情を語り、分厚いハムに齧り付く人間性を見せた時は外されていたものが、別れの瞬間には付け直されている。
栗鼠はもういちど、仮面を外したダチと再開できるのだろうか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

一方もう一つの友情は、激しい衝突を繰り返す。
契約の魔力に縛られたニカイドウは、カイマンの言葉に耳を貸さず、重たい打撃を繰り出してくる。激闘は床を砕き、二人の戦いはより深く、暗い場所へと堕ちていく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

鳥太の呪いに呼応するように、カイマンは偽物のパイオツを切り裂かれ、ガスマスクを引っ剥がされていく。照れ隠しとか婉曲表現とかではなく、ガチで死んで欲しいと思ってる辺り、鳥太はドロヘドロ力高いな…。
血が流れ、命を取り合う。普通なら友情がぶっ壊れる危機だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

しかしこのお話では、暴力は呼吸のように当たり前であり、死んで蘇る行為は何度も顔を出す。
切り裂かれたものがツギハギされ、その場しのぎが本物になっていく。何が正しいか判らない混沌の中で、それでも何かを探し求め、しかしその意志が正解を掴むとも限らない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

物語のスタンダードを外した展開は、友情よりも暴力に突破口を見出す。
鏡の向こうで囁く悪魔に、己を失って友を殺す。悲劇のはずなんだが、これが決定打になる所がドロヘドロでカイマンだと思う。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

カイマンを魔界までつれてきた、友情への信念。
それはニカイドウを前に無力で、殺されかけて殺してしまう。死にかけのニカイドウを蘇らせたのも、契約書を引っ張り出し正気を取り戻させるのも、悪魔であるはずのアスの役目だ。
最終話まで、つくづく主人公っぽいことが出来ない男である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そう、カイマンは主役っぽくない。
雑魚には強いけど猛者相手には負け続きだし、状況を見通す冷静さも持たない。
熱い感情を沸き立たせようにも、白紙の記憶は乾きをもたらす。
すぐ暴力振るうし、衝動主義者だし、運命を掴み取る特別性もあんまりない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

だからこそ、カイマンはこの話の主人公なんだと思う。
そもそもにおいて、このお話では”正しさ”なるものは機能しない。
善悪は転倒し、未来は見えず、全ては薄汚れた混沌の中。そんなカオスの中だからこそ、虚飾を剥ぎ取った輝きが一瞬、確かに光る。でもそれは、すぐ血に埋もれていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そういう話のど真ん中で、迷ったり間違ったり情けなかったりを繰り返しながら、一歩進んで奈落堕ち、三歩進んで地獄行き。
なかなかニカイドウを信じきれない不甲斐なさ含めて、カイマンは最終回でも（だからこそ）ドロヘドロの住人だ。
ホント、当事者性薄い主役だなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

悪夢の迷宮で揺らぎつつ、カイマンは自分を取り戻す。
それは『魔法使いは殺す』というルールに縛られた、記憶のないチンピラ…であり、なにもない所に”カイマン”という名前と餃子の味を焼き付けた、ホールの住人だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ホラーシーンのおぞましい闇、鋭い表現力に最終話でも感心させられつつ、”カイマン”の起源を僕は知る。
そこにはやっぱり、友情がある。血みどろに殺し合い、死すら冒涜して乗り越え、何も見えない迷妄の渦に飲み込まれていくとしても。
始まりにも、たどり着くべき未来にも、答えはいつでも”それ”だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そのはずなんだが、カイマンはすぐさま答えにはたどり着けない。
そういう男なのだから、魔法使いは頭から齧り付くし、土壇場でもギャーギャー騒ぐし、ピンチからの脱出はアス任せである。悪魔の方が主役っぽい！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

アスは悪魔としての生き方を捨てて、ニカイドウに報いるべく全力を尽くした。過去を乗り越え、信念に殉じた。
迷えるカイマンが、そういう”正解”にこの先、たどり着けるのか。
アニメで続きが見れるかはさておき、主役コンビがそこに思い悩めるのも、アスさんの侠気あってのことである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

一方煙ファミリーはどっかノンキで、追放するはずのホール人には焼き肉振る舞うし、ボスはアスの欺瞞工作に綺麗にハマる。
煙に愛されるなら、殺したいほど悪い相手の皮を被るのも、悪魔にヘーコラするのも余裕。鳥太いいキャラだなぁ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

ここでアスが偉ぶって悪魔マウント取りに来るのも、彼を”英雄”にし過ぎない塩梅で凄く良い。キラキラ完璧な善人（善悪魔？）描かれても、ドロヘドロっぽくないからな！
それはどっかマヌケに、友情煙幕に騙されるボスにも言える。
皆完璧ではなく、かといって善良にも過ぎず、ハンパなツギハギだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そういう連中が時にぶつかり時に支え合いながら、生きたり死んだり生き返ったりする浮世草子。
ぶっ飛ばされた先、悪魔の街でカイマンとニカイドウは、大事なものを確認し合う。廃墟の美術が、最高にイイ…木村真二美術監督、ありがとう…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

記憶を奪われた、蜥蜴顔の殺戮者。それに寄り添う、嘘まみれの魔法使い。
お互い秘密や空白を抱えつつも、それでも出会って、笑いあって、生きてきた。
殺し合いもしたけど、友情はまだまだ元気で、それだけははやっぱり嘘じゃない。
何もなくても、ないからこそ、未来に指切り。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

その約束が、呪いとなるか祈りとなるか。どんな運命を、悪魔飛び交う廃墟から切り開くのか。
それは全て、混沌の只中だ。何もかもが不明なまま、人生という舞台を役者たちは、堂々歩いていく。
十字眼の猛者たち、アニメで動くところ見てぇ～。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

何もかもが道の途中で、明瞭な見通しも分かりやすい決着もない。
モロに”続く”な終わりなんだが、妙に爽やかで納得する部分もある。
飯を食って、殺して殺されて。非常にゴアでバロックな形なれど、タフに継続していく”生”を描き続けるお話は、これで良いのかも知れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

まぁ見通しの良いスッキリした構造求めるなら、こんな魔窟にわざわざ足を運ばないわけで。
最後までギトギトした混沌が、複雑に絡み合い混じり合わない展開になったのは、僕は凄く良かったと思います。
いやでも、続きはアニメで見たいよ。本当に面白くて、良いもん見れたからさぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

夜闇に灯火のように、お互いの身を寄せるカイマンとニカイドウ。
繋いだ指切りは、不鮮明な未来を照らす確かな明かりか。それとも、秘められた記憶には漆黒が待つのか。
その全ては、未だ混沌の中。かくして、奇妙な人生は続く。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

そんな感じの、ドロヘドロ最終回でした。
いやー…面白かったな！
ドラマ的にもキャラ的にも絵面的にも、無茶苦茶クセの強い作品の魅力を120％、超ハイクオリティ＆ハイテンションにブチ上げて描きぬいてくれました。
ホントこの質の高さを、12話ぶっ続けたのはクレイジー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

殺しは当たり前、死んで蘇るのも当然。
ノリと命が紙のように軽い世界を、暴力的に爆走する異形達の生命力。そこに軋む、確かな人間の証。
乾いた感覚と湿ったヒューマニティを、非常に良いバランスで駆動させ続けたのは、とても良かったです。
バラエティ豊かなアニメだったね、野球もしたし！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

魔法が荒れ狂う異世界の美術が、下世話でありながら圧倒的に美麗な存在感を持っていたのも、本当に良かった。
作画のクオリティは、バイオレンスシーンの奇っ怪な”美”とか、血みどろゴア人間が見せる不可思議な輝きとかでも元気で、非常に良かったです。
能井の睫毛が毎回バッチバチで素晴らしかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

分断され、漂白され、混迷に落ちる。
己が何者であるか、人が何をするべきなのか。答えとなるものがなんにもない混沌を、それでも過去を求めガムシャラに進む。バラバラに砕かれても、ツギハギに治して必死に生きる。
そういう物語を、鋭いビジュアルと溢れるセンスがシッカリ支えていました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

個人的には、”食事”の描写が毎回シズル感満載で、すげー美味そうだったのが良かった。
人倫のゴミ溜めだろうがこの世の果てだろうが、人間は生きて飯を食う。そういう生活を共有することで、確かに生まれるものが命を支える。
食事描写の切れ味が、作品の背骨になってた感じはあるんだよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

猥雑で魅力的な世界を、華麗なる超暴力で駆け抜けていくキャラクターも、軒並みキレッキレでした。
デザインの強さ、生き様の颯爽も良いんだが、声優陣が軒並み好演で、奇妙な世界の住人に命を吹き込んでくれました。
やっぱ細やんの声はセクシーだよなぁ…心先輩すっごく良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

記憶の迷宮を行ったり来たり。出口が無いようで、確かに進んでいるようで。
混沌とした物語をテンポとセンス良く、活力満載で推し進めてくれたアニメでした。非常に面白かった。
今までの語り口に嘘をつかず、最後まで謎は山盛り残る…っていうか増えて終わりましたけども！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

こんだけ良いものを見せられると、やっぱ”続き”を見たくはなるんですけども。
しかし同時に、非常に骨の太い満足感と感謝が、じんわり湧き上がってくるのを感じます。非常に良いアニメ化であり、見事な表現だったと思います。
アニメ・ドロヘドロ、面白かったです、ありがとう！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月30日

虚構推理：第12話『秩序を守る者』感想ツイートまとめ

虚構推理を見る。
かくして、鋼人七瀬は斃れた。秩序の裏側から這いずりだした怪物は、未解決の闇へと沈んでいく。
紗季は警官…秩序の維持者としての日常に戻り、九郎との思い出に決別する。
不死者の歩みに寄り添うのは、一脚一眼の知恵神。
かくして、奇妙に穏やかな日々は続く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そんな感じの、宴の始末である。
鋼人七瀬の生まれた理由、九郎のつれない態度の裏側、紗季さんの思い出始末。
残された謎を丁寧に潰して、まだまだ続いていく怪物たちの歩みと恋を穏やかに書きつつ、一旦の幕である。
ロマンス重点で甘く余韻を残して終わるのは、なかなかいい感じ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

知恵神と混血のタッグは、見事想像力の怪物を討ち果たす。
肉体労働担当として、それを間近に見るもの。車窓越しにおずおずと覗くしかないもの。もう一つの戦場に、芝居がかった礼をするもの。
最後まで、二人と一人の分断を描く筆は元気だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

怪異事件のど真ん中に、混ざり合えない異分子。どうあっても愛おしさに寄り添えない、終わった恋の住人。
未解決事件のイレギュラーな解決に飛び込むことで、そういう自分を思い知らされる。
でもそれは、苦い負けでも醜い未練でもない。ちゃんと線引をして、笑顔でお別れするべき思い出だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

一人間が過去に決別し、神様と怪物は過去を過去にできない宿命を描くこのお話。
紗季さんが取り残される構図を残酷に、幾度も刻むのは必然であるし、その決着がつく今回は特に大事でもある。
それにしたって、”部外者”として紗季さんを隔離するレイアウトは徹底してたな…必要な冷酷さではある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

鋼人七瀬を駆動させた六花は、寺田さん殺害の計画者でもある。同僚を奪われた紗季さんには憎い仇とも言えるが、最後の挨拶は同じ異能者二人に来て、警察官には来ない。
鋼人七瀬の物語と寺田刑事殺人事件は、そういう領域で起こったのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

グビリとタフにお水を飲んで、琴子は扉を開け放ち事件現場へ、恋人のもとへと歩みを進める。
紗季さんはガラスの向こうに取り残されて、九郎の近くに寄り添う特権は貰えない。それはとうの昔に、放り出したものだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

事件が本当に起こった場所に進むためには、不合理な闇に身を投げ、そこに染まる覚悟がいる。
片目と片足を贄に捧げて、そこに入る特権（≒光から浮かび上がる異質さ）を掴んだ琴子は、闇の中の光を抱きしめ、抱きしめられる事も出来る。
血みどろバトルの後に、バナナを食って命を繋ぐ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そういうタフな異質性を持っていなければ、夜からの侵略には立ち向かえない。車の中の紗季さんは、九郎の宿命には寄り添えないのだ。
下ネタ混じりのバナナは、生と死の起源にまつわる”バナナ型神話”への言及かな、とも思う。（磐長姫の物語もそれ）
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

長い長い虚実の夜を越え、トンネルの向こうの現実に帰る。その瞬間ですら、紗季さんは九郎の隣には座れない。
ライバルを膝に乗せて、後部座席から後悔を睨む。琴子が守りたい秩序は、そこに在るのだ。
恋敵への意地悪だけでなく、普通人を踏み込ませない意味でも、紗季は遠ざけられていたのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

琴子が駆動した、真実を凌駕する物語。それはネットの上でしっかり収まり、秩序と現実には波及しない。そういう都合のいい結末を、九郎が掴めるよう枝葉を刈っていたのだろう。
人非人に見えて、アフターケアもそれなりに。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

とはいえ、寺田さんを殺した怪物は表沙汰には当然出来ず、死の真相、事件の真実は深い闇に飲まれていく。
駆逐したはずの中世の闇が、簡単に現行の秩序を飲み込める事実。
多くの人が足を載せている、脆い現実という虚構を守る柱には、顔のない屍が埋め込まれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そんな構造を飲み込み、納得しないながらも手を合わせて、紗季さんは制帽を被り直し日常に変える。
客神である琴子が去った後、寺田さんの遺志を継いで街を守るのは、彼女の仕事だ。
魅力的な虚構ではなく、面白くもなんともない事実を積み上げて。その当たり前の闘いに、意味は大いにある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

紗季さんは恋の敗北者、異能の部外者として描かれている。同じように、琴子（と六花）はエキセントリックな怪物、日常に馴染みきれない異物として描かれている。
超常と日常、その両方が信念と意義を持っていて、でも交わらず何かが欠けている。
そういうアンバランスな平衡に話が収まるのは、結構好き

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

九郎から最後のプレゼントは、今カノのお下がりだ。
ワリと最悪な行動だが、紗季さんは怒らない。
終わった恋にケジメを付けて、九郎には寄り添えない自分をちゃんと確かめる。メールアドレスを残しておいて、捨て台詞を押し付ける六花とは大違いである
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

隣り合って食事くらいは出来るけど、肌は合わせられない距離。それが九郎との…彼が背負わざるを得なかった怪異と、紗季さんとの間合いだ。
そうやって遠くに離れても、出会えたことの意味はある。別れたとしても、思い出は残る。
そういう事を確認して、紗季さんは笑顔で恋にサヨナラする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

想像力の怪物を、自分を人間に戻してくれる神様に育て上げる。
怪物でいることを受け入れた九郎が、琴子に寄り添って秩序を守るのに対して、六花は”普通”に戻ろうと現実を揺るがす。
人間と怪異の境界線は、ここでも危うく揺らいでいるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

それでも、夜の中の光は美しい。
闇の中から、闇を以て秩序を守る、エキセントリックな知恵神。それと同じように、夜を知る警察官がこの街にいることは、妙に頼もしい。
文句なく敗北者なのだが、そういう勝ち負けを超えた輝きが在るよ紗季さん…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

一方トンチキおひい様は、どうしようもなく勝っているのに余計な気を揉んで、右往左往の大騒ぎである。
二人が冷たく名字で呼び合うどころか、肌を合わせる関係なのを最後に示唆するのは、結構好き。
そらま、ちびっ子ながら大学生ですからねッ！
…この密着距離が、紗季さんの手に入らんかったものよ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

”我が女二たり並べて立奉りし由は、石長比売を使はさば、天つ神の御子の命は、雪零り風吹くとも、恒に石の如くに、常はに堅はに動かず坐さむ。”
天孫に選ばれなかった不死人を、名にし負わばこそ君の手を取る。九郎先輩のプロポーズは、結構知的だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

おひい様は頬を赤らめつつ、その手に一瞬だけ触れて、対等の距離感で前に進んでいく。
パートナーを杖とするのではなく、己の片足を堂々進めて、一緒に雨の中傘もささずに。
普通人代表たる紗季さんが、同僚に傘を差し出されてるのは面白い対比ね。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

この世の理から外れることで、この世の理を守る。
己の在り方を怪異と人間の間に定めた審神者達は、雨降りの一日を”穏やか”と受け取る。
そんなズレ方が、現実という優しい嘘を守っている。
六花の長い手が、いつかまた虚実の境界を破るとしても。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

誇りと余裕を持って、世界に馴染みきれない変人でいよう。その隣には、同じく理からはみ出した混ざりものが、一緒にいるのだから。
かくしてミステリとロマンスは同期し、怪異と人間の境目は定められ、また混ざる。
”虚構推理　鋼人七瀬”
かくして”終”である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

というわけで、怪異譚とミステリとロマンスの入り交じるジャンル越境物語、無事完結、であります。
いやー、面白かった！
アニメで動くおひい様は元気で可愛くて、『まず探偵のキャラを立てる』という近代ミステリの強みを、最大限発揮してくれました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

アニメになってみると、負け犬で部外者である紗季さんが相当大事な仕事を担い、丁寧に着地させられてんだな、ということに気づき直せました。
鋼人七瀬の事件が終わっても、神と怪物の物語はまだまだ続く。しかし紗季さんの”納得”はここで終わって、もう会うことはない。
ある意味、主役は彼女なのよね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

過去に納得し、日常に帰還する。紗季さんの”終わり”が見やすくなることで、現実からはみ出すことで秩序を守る琴子の矜持も、より分かりやすくなったと思います。
街の灯の裏で、牙を研ぐ非日常。それに対峙する、異能の住人。
存外、オールドスクールな退魔譚でもあると気づけたのはありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

まぁ言うても、原作読んだの相当前で色々忘れてましたが。だからこそ新鮮に、アニメで描かれるものを食べれた感じもあり。
磐長姫の物語が、作中ダイレクトに言及されるの完全に忘れてたな…人間の記憶は、つくづく当てにならなん。https://t.co/jl3fxWoTVH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

イワナガヒメの説話もまた、『現人神たる天皇が、なぜ人と同じ寿命なのか』というミステリに納得を与える、一つの”魅力的な虚構”といえる。
琴子のでかませ主義はその場しのぎ（だけ）ではなく、物語り納得と安心を求める動物としての人の習性、長い伝統に則ったものなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

嘘と真実を自在に操り、もう一つの事実を捏造する。
探偵であり騙り屋でもある琴子の超越をエキセントリックに描きつつ、はみ出しているからこそ守るべき秩序に絶対馴染めない孤独が匂う描き方も、なかなか良いバランスだと思いました。
琴子のチャーミングな壊れ方は、上手くアニメに出来たと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

何しろベラベラ喋る上に、フェアかアンフェアかの境界線すらぶっ飛ばす超絶ミステリなので、映像化は難しかったと思います。
動きのないシーンを長尺の喋りで支え続けた、声優陣の奮戦。時にケレンに満ちたイメージカットで、時に暗喩に満ちたレイアウトで、色々情報量を上げた絵作り。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

自分なり工夫を凝らして、難しいネタをエンタメに仕上げようと頑張ってくれたのもありがたかったです。
原作枯渇が行くところまでいって、人を選ぶネタ、旧い傑作、起こしにくい難題がバリバリアニメになってるのは、ヒネた嗜好の持ち主としてはありがたい。
バンバン、ヘンテコなアニメを流せッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

色んなジャンルを貪欲に織り交ぜたこの作品、ロマンスの甘やかさをどう書くかって結構大事だったと思います。
可愛い外見から容赦のない下ネタとぶっ飛んだ思考回路をパナす、善人でも常識人でもない虚構使い。
琴子とその想い人の恋を、独特のムードでチャーミングに書けたのも、とても良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

真実が尊ばれた近代の先にある、ビッグデータの雲に揺らぐ現在。その危うさと闘い方を刻むっていう、現代性の在るネタを復活させる意味でも、面白いアニメ化でした。
鋼人七瀬が鎮められた後も続く、神と怪物のミステリ。それをアニメで見たくもありますが、今はお疲れ様を。
有難う、楽しかったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

ヒーリングっど♥プリキュア：第9話『ひなたのカワイイ大作戦！』感想ツイートまとめ

ヒーリングっど♥プリキュアを見る。
ヒープリチームのおしゃれ番長、平光ひなた。友の笑顔を写真に残すべく、全力ではしゃぐ張り切る浮かれ倒す！
しかしその思いは時に噛み合いを忘れ、いつもの空回りが少女を傷つける。
ひなたの思いは、笑顔に届くのかッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そんな感じの、ひなた個別回。
いやー…いい話だったッ！！
ひなたの特質である明るさ、ポップなオシャレさを全面に押し出しつつも、それが取りこぼすものと確かな反省にしっかり目を向け、軽いだけの話で終わらせない。
己の特質に悩みながら、社会と噛み合う方法を探す歩みが、確かに見える話だった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

ヒープリはど真ん中の友情と青春、教訓性の強い直球のいい話が非常に強くて。
目の前の興味にまっしぐらになりすぎて、色んなものを置き去りにしてしまう。悩んでいても、簡単には変わらない己の特質を、強く悔やむひなたの姿。
それを受け入れ、行動のポジティブな側面を見落とさない仲間たち。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

『かくあるべし』で思考を止めるのではなく、個人個人の顔をしっかり見て、そこに込められた思いを受け止める柔軟なスタイルが、オシャレに夢中な若人の背中に滲んでいた。
こんだけ明るくポップな話をやりつつ、その”底”がカッチリ硬いのは、ヒープリらしいところだと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

お話はすっかり”マブ”のオーラを出しつつある、三人組+アニマルズから始まる。
TicktockっぽいSNSで、流行にしっかり乗るひなたの軽薄さに、眉をひそめるちゆが面白い。
やっぱり、まだまだ波長が合いきらないところはある。それでも友達なのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

この段階では、『まーたろくでもないこと思いついたな…』って表情してるちゆに目が行って、ダチに笑顔の写真をプレゼントしようと思いついたひなたの優しさには、ちょっと気づけなかった。
思い返すと今回、説明のない何気ない行動が、ひなたの特質と想いを深く反射しているシーンが多かったと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

目の前の状況にこだわりすぎて、浅はかに思えるような行動をとってしまう。アニマルズがバレるのも気にせず、猫ちゃん空中浮遊を全世界に公開するところからも、そんな性質は見て取れる。
しかし彼女は、周囲を見ないわけでも、『自分だけが良ければ良い』と考えているわけではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

つうか無茶苦茶優しくて明るくて、持ち前の元気さで皆に楽しくなって欲しいと思ってる子で。サービス精神が旺盛なんだよね…。
『病気大変だったね…』っていう重い空気を、『んじゃあアタシが最高のハッピーを届ければいいじゃん！』って自発的に跳ね返せるの、本当に偉いと思うよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

ひなたのサービス精神は、エンジェルフォト撮影会で爆裂する。
テンションアゲアゲ、どんどんサービス。”オシャレ”という自分の強みを、新しく出来た友達に分け与えて、楽しい時間をどんどん作りたい。
その前向きな意欲は、乗り気じゃないちゆもガンガンに巻き込んでいく
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

ひなたが自分のオシャレを横に置いて、友達に似合うアイテムをどんどん差し出している姿が、僕にはとても眩しくて。
そうやって前に進みすぎて、痛い目見たのも一回二回じゃないんだと思う。
でも、『貴方を笑顔にしたい』って思いは心の深い部分から溢れて、止まらない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

その姿勢に欠陥があるとしても、自分がやりたいことと、誰かの幸福を積極的に結びつけて、どんどん増進しようとする思いと行いは本当に偉いし尊い。
先を見通しきれないマイナスがあるのなら、それと上手く付き合う方法を、ひなたと仲間たちが見つけると良いなと、あまりにも幸福な青春を見て思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

今回面白いのは、主題である『着飾る』という文化的行動を、”敵”たるビョーゲンズもやってることだ。
彼らもまた、誰かのためにお洒落をする。顔の見えない怪物ではなく、似通った文化と精神性を共有する鏡の中の他者なのだ。
しかし現状、相容れずに対立している。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

今後話しが転がる中で、ビョーゲンズとの（暴力含めた）コミュニケーションをどう扱っていくかは、なかなか気になるポイントだ。
異物として排除すればハイ終了、って話じゃないっぽいオーラは、序盤から漂わせているからなぁ…同時に”生／死”の断絶は非常に重いので、着地点をどう探ってくか楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

恒例のビーズアクセサリを販促して、BANDAI様のお役になど立ちつつ。
オシャレ番長のアドバイスは、友達をどんどん笑顔にしていく。そう、オシャレはひなたの得意分野であり”楽しいこと”なはずなのに、助言に徹しているのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

すやすやラテ様がむっちゃ可愛かったり、悪い顔でゴリゴリビーズいじる獣たちが『これでラテ様も喜ぶぜぇ！』って言ってたり。
目立っちゃいけない獣たちも、ひなたがセッティングしてくれたハレの日を楽しんでいる。
ギャグなんだが、主のために手作業する童獣たちが健気で、少し泣いてしまった…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

のどかがダウンするまでの楽しい時間は、本当に肩の力が抜けた幸福に満ちていて。
こういうなんてこと無い時間の体温を、ヒープリはなかなか上手く描けていると思う。
一緒にいると面白くて、思わず笑顔になっちゃう間柄。ちょっと前まで知らない同士だったのに、そういう繋がり方が生まれてきてる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

出会い、お互いを知り合い、その中で己を知っていく。
構えない友情が与えてくれるものを凄く色彩豊かに、手触りのある書き方で積み上げてくれるのは、見ている側としても非常にありがたい。
見てて『あ、コイツラには幸せになって欲しいな…』って思える話なの、ほんとに良いことだと思うよ俺は…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

床下のダチ公含めて、笑顔と華やかさに満ちた時間は、のどかの体調不良で水が入る。
目の前の楽しさに夢中になってしまったひなたはそれを見落とし、一歩引いた冷静さに特質があるちゆが、友達を人混みから連れ出す。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

ひなたは自分が”また”見落としたことに、過剰に思えるほどショックを受けて謝る。
それは多分、これまで何度も”自分らしさ”で間違え、誰かを傷つけてきた体験故だと思う。
治したい、でも治らない。一生ついてまわる”らしさ”という呪いを、どう祝福に変えるか。ひなたは強く悩んでいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

この反省意識が、さらに視野を狭め、ひなたを孤立もさせてしまう。
自分の”らしさ”が生み出したピンチなんだから、自分が解決しなきゃ。責任感があればこそ、ひなたは孤独な闘いに身を投げていく。
やっぱり、ひなたから”周り”は見えているのだ。過剰なほどに。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

今回はカラテの組み立てがなかなか面白く、元気に弾む殺陣が魅力的でもあった。
ひなたは宝石メガビョーゲンの硬さを突破する方法も、意外な身軽さに対応する手段も思いつかない。
ただ、目の前の問題をどうにかしなきゃと、凄く必死に走り回る。問題解決の手段としては、”正しく”ないかもしれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

でもひなたが一人で思いつくのは、そういう突貫主義しか現状無くて。
それでも大事な友だちのために、笑顔を作ってくれる素敵な場所のために、自力でどうにかしたい。
その狭く尖った善意を、僕はちゃんと”見たい”と思う。描いてる以上、作品も””見て”欲しいのだろうし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

一人で突っ走るひなたの”らしさ”は、孤独な窮地を生む。
そこに駆けつける仲間たち。『気づけなかった』というひなたの負い目を、のどかも同じように重く受け止め、謝罪と共闘に駆けつけてくる所が良い。
”また”の失敗に青ざめる友達の手を、のどかはしっかり掴む。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

身勝手な独走に思えるものに、誰かを幸福にしたい想いがあることを。
危うい奮戦の奥に、何かを守るための情熱と、体を張って闘う責任感が宿っていることを。
仲間たちはしっかり見て、言葉にして伝えてくれる。『好き』という大事な言葉を、照れずに叫べる強さ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

『見る・聞く・伝える』という美質は、のどかが主人公たる資質としてここ迄描かれてきたと思う。
それがちゆにも伝播してきてて、彼女もひなたの闘いをちゃんと見て、その真意を自分が判っていることを伝えていることに、凄く豊かなものを感じる。
個人の善良さは、伝えて、育み、学ぶことが出来るのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

第5話で予定をすっぽかしたひなたへの、友人の対応を見るだに。
時に損害を生み出すひなた”らしさ”を、周囲の人達は迫害したり糾弾することなく、付き合い方を考えてくれている気配はある。
それでも善良で優しく、賢くもある平光ひなたは、”らしさ”を制御できない自分を責める。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

でも、大丈夫。私は貴方の行動の奥にある暖かさをしっかり受け取って、そこから幸福を感じているから。
あなたのことが、好きだから。
そうやって判ってもらうこと、”らしさ”の善き側面を肯定していくことで、なかなか制御が難しい側面もまた、良い噛み合い方を見つけていける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そのために必要な寛容と愛情、他者の良い所に目が行く知性を、この作品の少女たちは持っている。
そういう美質の描き方、相互の伝え方が今回はよく見えて、非常に良かった。
なかなか上手くいかねぇなら、歩調と目線を合わせて、じっくりやっていけばいいじゃねぇか。仲間なんだから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そういう綺麗事を、堂々描写に刻み込んで、ゆっくり積み上げていくのは本当に偉いことだ。
まぁただの教説番組じゃねぇから、氷属性の暴力もぶっこむがな！　お前らもボトルを買って、BANDAI様に貢献すんだよッ！！
こんだけいい話やって、販促忘れないの凄いよね…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

戦いすんで、ひなたはプリキュアで写真を取ろうとする。そういう危うい浅はかさは、経験を積んでも簡単には消えない。だから、向き合い方をひなた自身も、彼女に近しい人たちも、一個ずつ見つけていく必要がある。
そして抑えられない”らしさ”は、とびきりの思い出だって作ってくれるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

なかなか上手く笑えないちゆちゃんを可愛い神輿に乗せ、すこやか市を激しく練り歩きたい衝動を俺も抑えられないが。
つうかヒープリの子供たちは完全ではないが、常により善くなろうと目を開き、足を進めている立派な人たちばかりで、マジで神輿に乗せるしかねぇ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

フォトスタンドに収まった、三人の思い出。
色々あった一日が、のどかに新しい喜びを与えようと走り回った結果だと、のどか自身は一番には気づかない。
ここが良い。そういうところに目端が利くのは、ちゆの領分なのだ。さりげない描写で、キャラがグッと立つ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

やっぱねぇ…ここで友達三人が『楽しかったねー』で終わらず、ひなたの暴走の奥にあるものをちゃんと言葉にして、しっかり抱きしめる所が良いと思うわけよ…。
ひなたは自分の（時に暴走する）善良さを、褒められるのになれていない。それが当たり前だっていう認識が、彼女の照れの裏にはあると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

でも、誰かのために走り回って、自分のやりたいことを横に置いて夢中になれるのは、”当然”ではないのだ。当たり前に見えて、とても大事なものなのだ。
それをのどかが見据えているのは、”命”という時に当たり前に思えてしまうものの意味を、病床で考えざるを得なかったからかも知れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

いつ言えなくなるか判らない日々ならば、『好き』も『ありがとう』も、真っ直ぐ伝えよう。
死を思えばこそ、生の意味を知る。
”Carpe diem”、あるいは”Memento mori”という中世の知恵を、のどかはこの歳で体得してる感じすらあるな…。
いや、大事なことよホント…なかなか実行できないけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

という感じの、ひなたちゃん奮戦記でした。
ほとばしる思いを上手く制御できない少女の、それでも瑞々しく輝く善意。それを見落とさず、生まれた奇跡に感謝を伝えられる仲間たち。
大上段から振りかぶるのではなく、青春の1ページからスッと差し込まれる、美しい人間の理想。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

それを作品がしっかり見据え、称揚していくスタンスが力強いエピソードです。こういう真っ向勝負を、明るく楽しく描けるのは強いよね…。
ひなたが取っ組み合っている”らしさ”の描き方も、紋切り型の情のないものではなく、あるべき理想とままならぬ現実の間にしっかり体温を宿した、優れたものでした

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

主役の一人に、ままならない生き辛さを背負わせ、それを柔らかく描き続けるのはかなり難しい筆致だと思います。
でもそれを責任を持ってやりきれる靭やかさを、今回のエピソードからは感じました。
そういう”らしさ”をもった私たちがそこにいるなら、プリキュアは”それ”を描かなきゃいけないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日

そういう重く大事なものを背負いつつ、爽やかで明るい青春絵巻として非常にヴィヴィッドだったことが、とても良かったと思います。
生きた物語の中で、在るべき理想を追う。なかなか難しいことに挑み、また成功している作品だなと感じました。
次回も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月29日