イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイシールド21 17

稲垣理一郎村田雄介集英社。つうわけで「週刊アイシールド21」唯一のマンガです。えー、芸もなく感想を言うと、とんでもなく面白い。スポーツマンガなんですが安易な超絶技が出るわけでもなし、強さを支えるのは練習と才能とメンタル。腰の据わったスポーツマンガだなぁとつくづく思います。今回はムサシとモンタ&鉄馬に焦点が当たった話でした。セナには早い段階で進ていうライバルが着きましたが、アメフトの二輪の花のもう一枚、レシーバーのモンタはここでいい壁が付きました。素晴らしい。話の流れももはや老練です。毎回次回予告が「ああどうなるんだろう」っていう気持ちにさせるのは凄いことだと思います。いいマンガだ。それにつけても、雪さんの出番いつすか? オレMAJIで待ってるんですけど。

大英帝国の大辞典作り

本田毅彦、講談社選書メチエ。ブリタニカ百科事典、オックスフォード英語辞典、イギリス国民伝記辞典という、大英帝国期に発行された三大辞典についての本。強烈な本である。書史についての本というものはたいていの場合、視座を欠いた事実の単純な列挙になってしまいがちである。何しろ、調べるべきことがあまりにも膨大だからだ。
しかしこの本の筆者は、強烈な知性と筆力、分析眼を併せ持ち、「知の想像」としての辞典刊行を丁寧に、そして大胆に読み解いていく。いかにして大辞典刊行は植民地支配に影響を及ぼしたのか。伝記辞典における労働者階級、女性の削除に見るイギリスクラス意識。大辞典の衰退に鑑みる英国的知の現代的意味。膨大な資料の的確な腑分けと同時に、このように野心的な領域まで筆を進めてくるその実力。博物学的な「標本化した知識」の収集ではありえない、いきいきとした文章。筆者は45歳。まさに新進気鋭である。その若々しさが表に出た、瑞々しい名著である。