イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

カウボーイ・ビバップ XXトラック よせあつめブルース

とあるツテで幻の最終回、よせあつめブルースを見る。ひどく懐かしくなった。当時高校一年だった僕は、ビバップを見てこれは神のアニメだと確信したものだ。同時に、素晴らしくギャル(平板発音で)だった二人目の姉もビデオに録画したビバップをとても楽しく見ていた。フェイのためにベータ・ヴィデオプレイヤーを探しにいく話をについて、二人で語り合ったのも懐かしい話だ。十二話の次回予告で僕は吹き飛んだ。打ち切り? ビデオを見た姉貴も嘆いていた。
がっかりと肩を落としながらつけたテレビで流れた最終回は、スパイクの過去も、フェイの記憶も、ジェットのしがらみも、エドの未来も、何も語らなかった。ただ、過去の画像と音声をスクラッチし、新規録音のオブラートに包んだ辛らつな愚痴を並べた作品だった。
素晴らしかった。なぜなら、それはビバップだったからだ。ああ、このアニメは神のアニメだと僕が思い、姉貴が純粋に面白いと思ったカウボーイ・ビバップ。そのままだったからだ。十三話での打ち切りをもっとも腹立たしく思ったのは、準備に三年かねたスタッフであり、そのどうしようもないやるかたなき憤懣を、しかしアニメーションとして完璧な形で提供する。それは愚痴でありながら、技術の熟練とスタイルの徹底、そして何より、作品への信念によりなんら変わることなくスタイリッシュでスラップスティックだった。
そんな気持ちを思い出した。懐かしい話だ。