イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

龍臥亭事件

島田荘司、光文社。さてはて、島田荘司も読みはじめようと図書館にいったはいいももの、なにを手に取ったらいいかわからない。とりあえず確実にミステリであろうこの本を手にとって見たら、なんともはぁ。御手洗シリーズのラストというか外伝らしいのである。
僕は乱歩・横溝からスキップして京極に行ってしまった人間である。松本はミステリというより社会小説として読んだ部分が大きくて、いわゆる新本格の季節、という時期の本をまったく読んでいないのだ。
というわけでいまさらながらお行儀よく読もう、と思ったら尻も尻を読んでしまったわけだが、なかなか面白かった。哀しいくらいに陰惨で、おどろおどろしい。と同時に、「ああココを通って京極が来るわけか」という納得もあった。奈須も西尾も、もちろんそうである。
ただまぁ、津山三十人殺しの真相解説と読み物としてのミステリーがあまりにも二分化していて、どっちもつかづの部分が多いなぁとは感じた。とりあえずはスタンドポイントに戻り、発表順にしっかりと読むことにしよう。この作家の筆の力は(いまさら僕が言うまでも無いが)確かなものだと感じた。