ひぐちアサ、講談社。さってさて、野球漫画です。これ以上ないほど野球している野球漫画です。たまりません。モモカンと甲子園出場校、桐青の監督の読み合いレース。ああ野球してる。高速回転焼きつき寸前のエンジンでなお開花する三橋の才覚。ああ野球してる。モモカンのサイン、チームメイトとの連携で一体になって一点をもぎ取り、一点を守り、一点入れられる、そんな野球、ああ野球。
やっぱりこの漫画の骨は野球だと思います。練習して、本番もいろいろ起きて、戦術と魂と技術と才能と経験とチームスピリッツでやるゲーム、野球。グッド指導者であるモモカンと、それについてくる気持ちいい青年たちが、汗と雨と泥にまみれるゲーム、野球。その骨に、キャラクターの味付けの上手さとか、「勝負」の押し引きの上手さとか、ルリちゃんのかわいさとか、そういう肉ががっちりついて、非常にイカすマンガになってる。コマとページを使いまくって、スケールの大きな漫画に仕上げている力量はさすが。ああ、やっぱりこのマンガはいい。すごくいい。
